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漠然とした不安 1

月曜日 22:00

雨が降っている。

10月、少し肌寒くなってきた。仕事終わり、駅前のマクドナルドで適当に夕飯を済ませて、徒歩10分の家路につく。なぜか今日は1日中、眠気が買えなかった。帰ったらすぐ寝たい。

彼とは別れようと思っていた。別れ話を脳内に用意し、どこかのタイミングで…と思っていたが、言い出せずにまた週を越した。

別れたいと思っているはず。なのに、

「週末は楽しかったね。四川料理美味しかったね!」

とメッセージが来ると、

「ね!また行きたいね!」

と返信している。

その「また行く」は来るんだろうか。自分のことなのに、私はいつもなんで他人事なんだろう。また自己嫌悪を積載していく。

先週、彼じゃない人と酔った勢いでセックスをしてしまった。久しぶりで、新鮮ではあったけど、正直あまり気持ち良くはなかった。でも悪いわけでもなかった。昔好きだった人に顔が少し似ていた。

そしてそのことが私が別れたいと思っている原因ではまったくない。むしろ別れたいから、なにか妥当な理由を探しているようにも思う。もうなにか彼から逃げたいのだ。

でももし彼から逃げたとしても、私の中にある漠然とした不安はきっと消えない。