【勝手に読書感想部】白ゆき姫殺人事件:湊かなえ
［あらすじ］
話題沸騰中の「白ゆき石鹸」でお馴染みの化粧品メーカーに勤める美人OLが殺害された。
容疑者と目される同僚の城野美姫は会社に嘘をついて欠勤し行方をくらませている。
彼女の職場の同僚や学生時代の同級生、彼女の幼少期を知る地元住人や両親への取材を通して「犯人」の素顔に迫る。
［ネタバレと感想］
読了感すっごく嫌でした。
モヤモヤと、胸焼けがするような・・・
容疑者に当たりをつけて、無実の女性をとことん追い込むみ、取材された関係者も城野美姫が犯人という前提で有る事無い事ペラペラしゃべる。
週刊誌記者はその取材をもとに、さらに煽るような脚色した記事を書く。
SNSでも彼女や事件に対する憶測と妄想で大はしゃぎ・・・。
城野美姫はネットや週刊誌によって殺された。
タイトルの「白ゆき姫殺人事件」はネット民やバカな週刊誌記者、関係者によって、心をめちゃくちゃに殺された城野美姫に対する「殺人」のことを指していたんだと気づいて、ハッとしました。
「白ゆき姫」とは、三木典子のことではなく城野美姫のことだった。
表紙の装丁デザインも、そのことを物語っていますよね。
唯一救われたのは、警察がいい加減な情報に惑わされずにちゃんと捜査してくれていたことと、最後まで美姫の味方でいてくれていたダイアナの存在。
真犯人が逮捕されても、週刊誌やネットは悪びれる様子もなく当然謝罪もなしでムカつきました。
個人的に、無実の人が疑われる系の話や、ネット民の無責任な投稿が大嫌いなので本当に嫌な気分になりました。
腹が立ちました。
現代社会を風刺しているような、問題提起のような作品で心を揺さぶられたし、色々と考えさせられましたが、再読は多分ないかな・・・
それにしても、江藤慎吾の自転車のブレーキに細工をしたのは結局誰だったんだろう？