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神社
三歳か四歳の頃だったか。
祖母と一緒に近所の神社に行ったときのことだ。
そこには大きなクスノキがあり、上の方には大人でも一人入れそうな穴が開いていた。
わたしは何気なくそのクスノキを見上げた。
すると、深い緑色をした大蛇がゆっくりとクスノキを登っていた。
祖母はわたしのすぐ近くで銀杏を拾っていた。でも、なぜか私は祖母に大蛇のことを知らせてはいけない気がしたから、ただじっと大蛇を見ていた。
大蛇の頭はすでに穴の中にあったが、胴体はまだまだ木の途中だった。
やがて、穴の中にすべてが収まった時、祖母が銀杏を拾い終えて立ち上がった。
40年以上前のことだが、あのときの光景は未だに鮮明に覚えている。