【連載小説】ふたり。(6) - side A
前話
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5月31日 16:53 - 恵比寿第一高校 生徒会室
放課後。
生徒会室に二人の影があった。
「それじゃ、これが6月の行事表。お昼の放送、よろしくね」
明瞭な口調の主は、2年1組、生徒会執行部書記・馬場時子。通称ばばしー。
「はーい。梅雨の時期に清掃活動かぁ。相変わらず校外行事多いんだねえ」
よく通る特徴的な高い声が返ってくる。同じく2年1組、放送部所属、早坂あかりこと、あかりん。クラスメイトである時子と親しいこともあり、部長や副部長に代わって生徒会との折衝係を買って出ている。この部屋に足しげく通うようになり、生徒会執行部といっても全員が毎日集まっているわけではないことを知った。
「ボランティアに力を入れてるのがウチの伝統よ、自由な校風と社会貢献が、人気の両輪ってわけ」
ばばしーが自校についての冷静な分析を話し始めると、あかりが机の上の書類を手に取り、まじまじと読み始めた。
「あかりん、どうしたの?」
「ばばしー、これって?」
「ああ、それは会長の資料かな。今日は来てないけど。そういえば、養護の先生からうちに依頼がきてたっけ。」
「不登校生徒のリスト、だって。生徒会って、こういうのも管理するもんなの?」
「本来は管轄じゃないんだけどね。それは資料作成だけの依頼。この時期は保健室に来る生徒が多くて手が回らないから、資料をパソコンで清書しといて欲しいんだって」
「五月病、六月病ってやつかあ…まあ、みんな、いろいろあるよね」
あかりはそう言いながら、資料の中に見覚えのある名前を見つけていた。
(2年3組、澤井薫子… やっぱり、同中だった、かおちゃんだ。)
彼女たちの母校は町立中原中学校といった。
校区の最果ての山間から通学していた薫子と、中学校のすぐ近くに住むあかり。
二人は、中3の時のクラスメイトだった。
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一昨年 4月10日 - 中原中学校 3-1 HR
「えっと…澤井です。好きなことは、写真を撮ることです。よろしくお願いします。」
パチパチと大きな拍手が教室に響く。
クラス替えがあってまもなく、各生徒の自己紹介が執り行われていた。
中学校指定のセーラー服をまとったショートヘアの薫子は、恥ずかしそうに、しかし療養中の現在と比べれば若干活気のある様子で、つつがなく自己紹介を終えていた。
「元2-3の、早坂あかりです。よく変わった声だって言われるんですけど、逆に覚えてもらいやすくて助かってます!よろしくお願いします!」
笑い声と、一層大きな拍手が巻き起こる。
あかりは今と変わらずよく通る声だ。少し長めの髪をサイドテールにし、毛先は外向きにはねている。それらの特徴が元気な少女というイメージを強調していた。
薫子は、自分にはない明るさを持ったあかりのことが気になったが、その日のうちにクラスの中心的存在にまでなった彼女のことを、違う世界の人、「高嶺の花」だと思っていた。
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一昨年 7月4日 - 中原中学校 靴箱
放課後。
灰色の雲が、やや大粒の雨を降らせている。
今年の梅雨明けはまだしばらく先のようだ。
期末テストが近い。
普段は部活に励む生徒も、テスト勉強のため、あるいは後先考えず遊びに精を出すため、いそいそと帰路につく。
薫子は、靴箱から外に出ることができずにいた。
そもそも傘を忘れたような気もするし、はたまた傘は持ってきていたが、誰かに持ち帰られた、そんな気もする。梅雨の時季は蒸し暑さで頭がぼうっとしやすいので、よく憶えていなかった。
家までは歩いて30分近くの距離にあり、雨に濡れて帰るには遠すぎる。
深いため息を吐き、母親に連絡しようとポケットからスマートフォンを取り出した時、聴き覚えのある声がした。
「澤井さん?」
同じクラスの早坂あかりが、傘を片手に目の前に立っていた。クラスの人気者の彼女から声をかけられることは、これまでもたまにあったが、こうして二人で面と向かい合ったのは初めてのことだった。
薫子にはあかりが眩しく見え、目を合わせることができなかった。その様子を見つめながら、あかりが傘を差し出した。
「一緒に帰らない?」
雨足は、一層強まっていた。
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「ごめん、早坂さんの家、すぐ近くなのに」
「いいのいいの、部活休みだと体なまっちゃうから」
あかりの家は中学校から歩いて3分ほどだった。薫子の家はそれと逆方向の丘の上である。
あかりは陸上部に所属していた。可もなく不可もない選手だったが、体を動かすことをほどよく楽しんでいた。
「ありがとう、傘」
「ん?大丈夫だよ」
相合傘の中で二人は肩を寄せ合う。
薫子にとって、誰とでも仲良くなれるあかりは雲の上の存在だったが、すぐ隣にいる彼女の表情は穏やかで、ベタベタするわけでもなく、程よい距離感を保ってくれていた。
薫子の胸の内は、高鳴るでも、ときめくでもなく、この距離感がただ心地良かった。時折、道順や目印を伝えるくらいの少ない会話が自分の性に合っていると思った。
あかりはクラス替えからの約3ヶ月間、クラスメイトである薫子の人となりを見ていた。
部活には入っておらず、特にクラスの誰かと仲良くしているそぶりもない。体育の授業での様子を見る限り、体力は平均以下。毎朝目に見えて疲れていて、おそらく日々の長距離の登下校が負担になっている。その上、周りに気を遣いがちで、思ったことを言えない性格…
あかりは、薫子のことを庇護すべきか弱い存在だと捉えたが、同級生とのフラットな交流を望む彼女は、むしろ仲良くなるきっかけを探しあぐねていたというほうが適切だった。薫子を気遣う気持ちと同時に、もう少し薫子のことを知りたいと思っていた。
狭い傘の中でおとなしくしていたが、もともとお喋りが好きなあかりは、頭の中で言葉を選び、会話を切り出す。
「あたしのことは、あかりんって呼んでいいよ」
「えっ…」
「あ、無理はしなくていいからね、澤井さんのことは、なんて呼ぼっかな」
「あたしは…」
「おうちではなんて呼ばれてるの?」
「うちでは…お母さんが、かおって呼ぶかな」
「かおちゃんか。じゃあ、よろしくかおちゃん。」
「あっ、よろしく、あか、りん?」
うふふ、とあかりが笑う。いつも教室で見せる笑顔だった。つられて
薫子の顔もほころんだ。
「来週、テストだね。ていうか、受験もあるよね」
「そう、だね。早いね」
「もう受験生なんてね。あたしどうしようかな」
「あかりんは、どこか行きたいとこ、ある?」
「行ってみたいのは、恵比寿かな。あたしの頭だと微妙だけど」
「…あたしも、恵比寿行きたい」
「ほんとに!?」
「うん、芸術コース、行きたくて」
「芸術なんだ〜、絵とか描くの?」
「写真、撮ってるんだ」
「写真撮ってるんだあ、すごいね」
あかりは自分の中に引き出しがない話題には、せめてもの礼儀と思ってオウム返しをすると決めていた。美術にも音楽にも特別な思い入れはなく、かといって勉強もどちらかというと苦手。体育は少し得意。学校では友達と話すことが楽しみだった。
雨はまだ止まないが、空には少しだけ明るさが戻ってきていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
二人の共通の志望校である恵比寿第一高校は、恵比寿女子高校を前身とする私立高校だ。
女子校時代の名残から、男子生徒の比率はやや少ない。個性尊重や相互理解を是とし、名門大学への進学から芸能界デビューまで、多様な人材を輩出していることで地元では有名である。
薫子が志望する芸術コースは、ことのほか特徴的な伝統がある。
1クラスに美術専攻・音楽専攻・演劇専攻の生徒をそれぞれ3分の1ずつ同居させ、クリエイターの卵どうしの多角的な交流を狙っている。
校舎内には様々な手法の表現を叶えるための設備が豊富に揃っており、さらには各界から講師陣を招聘してのバラエティ豊かなカリキュラムが組まれ、これが楽しくもあり厳しくもあり、プロ志向の生徒、および保護者からも根強い人気を博している。
薫子の得意とする写真についても、美術専攻の1分野としてカリキュラムに組み込まれている。高校生のうちに写真に専念できることが、彼女のいちばんの志望動機だった。個性を伸ばすことを旨とする高校は数あれど、恵比寿第一高校は生徒のやる気に対してはひときわ懐の深い校風で名高い。その人気ゆえに倍率も高い、受験生にとっては狭き門でもある。
「あたし、夏で部活引退したら、塾に入るんだ。その前に、かおちゃんと話せてよかったよ。前から話してみたいと思ってたから」
「うん…あたしも」
薫子は、住む世界が違うと思っていた相手からそのように言われれば、多少なりとも光栄な気持ちになるものだと思ったが、そうではなく、飾らないあかりの言動が極めてすんなり心に染み込んできた。
勝手に彼女を敬遠していた自分の行いを恥じるとともに、一種の安堵を感じていた。
「あの坂を登ったら、ウチだよ」
「へえ、あすこの山手か。景色よさそうだよね」
二人は歩調を合わせて坂を登り始めた。
雨足は、だいぶ弱まっていた。
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「晴れてきたね!」
あかりがぱっと笑う。
「うん、ありがとう、送ってくれて。気をつけて帰ってね」
門扉の前で薫子が心配そうに言う。
「大丈夫だよ。とりあえず学校まで行ければ。迷ったら電話していい?」
「うん、番号教えとくね」
二人は取り急ぎ電話番号を交換し、別れた。
それから卒業の日まで、二人が電話をすることはなかった。
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昨年 3月10日 - 中原中学校 卒業式
あの雨の日から半年以上が過ぎた。
あかりは1学期の期末テストの結果が芳しくなく、結局陸上部の引退を待たずして、受験対策として塾に通い始めた。引退試合も本選手としてはエントリーせず、受験を優先した。
受験勉強は今までになくハードだったが、もともと交友関係の広かった彼女は、多くの友人からのアドバイスもあり、次第に勉強のコツを掴んでいた。
ちょうど数日前、第一志望である恵比寿一高・普通コースの入試を終えたところだ。
薫子はといえば、相合傘での会話が嘘のように、あかりと距離を縮めることができずにいた。彼女を取り巻く多くの「旧友たち」に気後れしてしまっていたのが最大の理由だった。
厄介なことに、あかりも薫子も「平和主義」であり、既存の人間関係を維持したいと考えるタイプだった。あかりは薫子のことを気にかけてはいたが、長期にわたる受験勉強によって、かなり精神的な余裕が奪われていた。
薫子は2月頭の時点で恵比寿の芸術コースの推薦入試を受け、いち早く合格通知を得ていた。もともと学業に秀でていたことに加え、秋に獲得したフォトコンテストの最優秀賞も、その一助となった。
卒業式をつつがなく終えた二人は校門前に立ち、久しぶりに顔を合わせていた。
「かおちゃん」
「あかりん」
「合格、あと、写真も、おめでとう。…ごめん、すごく遅くなっちゃった」
「ううん、ありがとう。…受かってるといいね」
「うん。発表、明日だから、最近緊張で眠れないよ」
「あは。…大丈夫だよ。あかりん、ずっと頑張ってたじゃない」
「そう、だね!かおちゃんがそう言ってくれたら、受かってる気がしてきた!」
二人は無言で頷きあい、少しの間ハグを交わした。
穏やかなひとときだった。
「じゃあね」
どちらからともなく、進むべき方向へと歩き出していた。
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再び 5月31日 17:13 - 恵比寿第一高校 生徒会室
あかりは来客用の椅子に深く腰掛け、中3から現在に至るまでのことを思い出していた。
卒業式の翌日、合格発表の日。スマートフォンの中に自分の受験番号を見つけ、そのまま電話をかけた。相手はもちろん、薫子だった。
「高校でもよろしくね」
お互いそう言い合ったのは確かに覚えている。忘れるはずがない。
高校生活のスタート早々、3年生から放送部にスカウトされた。記憶に残りやすい特徴的な声質を活かしてみないか、とのことだった。
放送部員となったが、未経験ゆえ、発声やナレーションに関するネット記事や本を読み漁った。幸運にも、プロのアナウンサーの父や、コーラスが趣味の祖母からの手ほどきを受け、特訓の日々を過ごした。そのおかげで、今では週に1〜2回、お昼の放送を担当できるまでになった。
自分にできることを頑張っていれば、またいつだって、お互いを認め合える。友達とは、そういうものだと思っていた。
薫子の身に何があって不登校になってしまったのか、知る由もなかった。彼女は人一倍繊細だけど、病気をするような子ではなかったと思うし、なにより、本当は誰よりも芯の強い子だった。
あたしは彼女のことを何も知らなかった。自分の無力さが、たまらなく悲しかった。
ふと、あの雨の日を思い出していた。たった30分の間に交わしたひとつひとつの言葉を、ゆっくりと味わうように噛み締めた。
時子は少し離れた席で書類整理をしながら、あかりを見守っていた。
あの書類、不登校生の一覧を見て、何か思うところがあったのだろう。
私の知らない親友の顔。でもそれは私が敢えて干渉する事ではないだろう。今の私にできるのは、気が済むまで思い出に浸らせてあげることだけ。
時子の判断はどこまでも冷静で、的確だった。
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6月1日 13:00 - 恵比寿第一高校 中庭
「ばばし〜!購買の焼きそばパンもうなかった〜!」
「ちえみん。私のお弁当はあげないからね」
「わかってるー。代わりにあんぱんいっぱい買ったから」
「あんぱんだけじゃバランス悪いでしょ。ブロッコリー食べる?」
「あげないって言ったじゃーん。ばばしー年下なのにお姉ちゃんだよね〜」
「年下は余計。」
昼休み。時子はクラスメイトのちえみんこと、藍田ちえみと二人で昼食をとっていた。中庭は南向きで年中日当たりが良い。今日は梅雨入り前の穏やかな晴天。中庭は、彼女たちの他にも多くの生徒で賑わっている。
3月生まれの時子は、同級生の中では誕生日を迎えるのが遅いのだが、本人はクールなお姉さんキャラというギャップの持ち主だ。親友のちえみのことは、出来の悪い妹のように思っている。実の妹と面影が似ており、放っておけないのだ。
《みなさんこんにちは。6月1日、お昼の放送の時間です。》
中庭に、校内放送が響き渡る。すっかりおなじみとなった、あかりの声だった。
「あー。あかりんいないと思ったら、今日じゃ〜ん」
ちえみが思い出したように言う。時子は無言で、マヨネーズたっぷりのブロッコリーを爪楊枝で刺し、ちえみに差し出す。ちえみは笑顔でパクリとそれに食いつく。
《6月の校内行事をお知らせします。6月13日から、前期中間試験に伴い、部活動のお休み期間…》
よしよし、ちゃんとやってくれてるわね。
はっきりとしたアナウンスで昨日渡した資料を読み上げるあかりの声を、時子は満足そうに聴いている。
事務連絡が一段落すると、ゆったりとしたボサノヴァが流れ始めた。
恵比寿一高の昼の放送には恒例のコーナーがある。
BGMに合わせ、放送部員が各自決めたテーマで数分間のスピーチをしたあと、ヒットソングの紹介で締めるという、ちょっとしたラジオ番組のようなものだ。
《6月といえば、梅雨の季節です。今年の梅雨入りは、もう少し先のようですね》
あかりがラジオパーソナリティのように朗らかに話し始める。時子とちえみは静かに耳を澄ませている。
《みなさんにとって梅雨はどんな季節ですか?雨の音や雨の匂いが好き。ジメジメして嫌い。それぞれの思いがありますよね。私にとっての梅雨は、実はちょっぴり切ない季節です。中学生の時、放課後、一人の友達が傘がなくて困っていました。それを見た私は、相合傘をして一緒に帰りました。帰り道にいろんな話をして仲良くなったんですけど、お互いすぐ受験で忙しくなって、すっかり接点がなくなっちゃいました》
明るい口調とリラックスしたBGMが、逆に切ないストーリーを予感させる。中庭の生徒たちも、徐々に食事の手を止め、あかりのスピーチに耳を傾け始めた。
《その友達と会うことは、今はちょっと難しいんですけど、…その雨の日に連絡先の交換をしました。受験の忙しさとか、日常の忙しさを言い訳にして、ずっと連絡をしていませんでした。でも私にとっては今でも大切な友達です。》
あかりの語気がわずかに強まり、軽くハウリング音が響く。
《…失礼しました。また梅雨の季節がはじまります。友達には、私から連絡を入れてみようと思います。ちょっと勝手かもしれませんが、思い切ってやってみます。みなさんも、いつ友達と会えなくなるかわかりません。思い立った時に、一言だけでも、連絡してみてはいかがですか?…はい、それでは、ここで曲紹介です。雨にちなんだ一曲、SEKAI NO OWARIで「RAIN」》
ヒットソングが流れている間、何人かの生徒はハンカチで目頭を押さえたり、すすり泣く声をあげたりしていた。
あかりの親友、ちえみもその一人だった。
「いい話じゃん、あかりん…ぐじっ、あー、後でなでなでしてあげよ…」
「あの子、腕を上げたわね…」
目頭に込み上げる熱いものを抑えるように、時子は努めて冷静に呟いた。
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6月1日 13:09 - 恵比寿第一高校 2年3組 教室内
放送を聞きながら、ひとりはらはらと大粒の涙を流す一人の女子生徒がいた。放送部員のスピーチした友達が、今の彼女の一番の友達でもあることなど、知る由もなかった。
涙の主は、大空 純。
「あれ、大空氏、ちょっと泣きすぎではないかい」
「あは、やめてよ野木氏…グスーッ」
ほどなく、彼女はこの出来事を薫子に話すことになる。
(つづく)
設定画
あかりん
ばばしー
ちえみん
次話
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第6話あとがき
WEB小説らしく動画など埋め込んでみました。
それはさておき、今回はこれまであまり深掘りできていなかった仲良しトリオABCを登場させてみました。
13girlsのキャラは2~3人ごとに固まって5つのグループに分かれていますが、設定段階で各グループが何かの形で関わっていけるようなフックを散りばめています。あかりと薫子が同じ中学出身という設定をここで生かしてみました。
5話までは一貫して一人称形式で書いてきましたが、今回はキャラの心の機微よりも客観的な事象にスポットを当てておきたくて、三人称形式としました。おかげで当初出す予定のなかった純も登場させることができ、オチと次回への引きを担ってくれました。
と言うか、もはや私はエピソードを用意するだけで、その中でキャラが勝手に動いてくれます。なので、出てきてくれてありがとうと言う感じです。