『スペースチキンマン』第11話 「ひとりぼっちの宇宙人」
前回のあらすじ
退化人間といろいろ話した!
チキンマンはものすごくやられていた!
昔、近畿大学東大阪キャンパスには噴水池があり
池の真ん中に初代学長の銅像が立っていた!
春になるたびに学長の銅像はいたずらされて
デビルマンみたいな角と羽根をつけられたり
坂田利夫のかっこうにされて
「あーりがーとさーん」と書かれた立て札を立てられたりした!
近畿大学は会議を開いて
なんとか学長にいたずらされない方法はないものかと話し合った!
すると優秀な水産学部が
「池にチョウザメを放しましょう!」
というアイディアを出した!
チョウザメはサメじゃないのにサメの姿をしている!
さっそく噴水池にチョウザメを放してみると
あまり賢くない学生達はみんなサメだと思ってこわくなり
学長の銅像にいたずらしなくなった!
ところが!
ふつうよりもアホな池田君だけは
それでも毎日噴水池に飛び込んでは
チョウザメをくわえて出てきた!
アホロ計画はさっそく池田くんを月に送った!
どうしてもチョウザメを放さなかったのでチョウザメごと送った!
月の地面から出る不思議なパワーは
池田くんを宇宙怪人「噴水マン」に!
チョウザメを宇宙恐竜「フカノサウルス」に変えてしまった!
それを倒そうとしてチキンマンは逆にやられた!
「あひー!」
噴水マンが口から必殺のハイクロンQを発射しようとした
その時だった!
謎の円盤が飛んできてピーンといういやな音を出した!
噴水マンとフカノサウルスはあわてて逃げていった!
「・・・引き分けか。」
そうでもないのにチキンマンはつぶやいた!
謎の円盤がすぐ横に着陸した!
小さな円盤だった!
「なんだこの円盤は!
小さいから小さいやつが乗っているのかな?
敵だったら踏みつぶしてやる!」
すると円盤はピヨンという音を立てて
生き物に変わった!
「わぁ!なんだお前は!」
「やぁ!
僕は宇宙を一人で旅しているんだ!
君はいいなぁ!
こういう小さくてくろいのとかがいて!」
「なんだ?ねこの事か?」
「ねこと言うのか!おもしろい生き物だな!」
「お前こそ!」
「ぼくはずっとひとりぼっちで寂しいんだ!
どうだ?仲間にしてくれないか?」
チキンマンはちょっと考えた!
自分はアホロ計画を倒すために月にいるのに
この宇宙人が仲間になったらこいつの事も守らなきゃいけない!
「お前は何が得意なんだ?
敵と闘うのになにか技はあるか?」
「技?敵と闘う?そんなのしたことないや!」
「じゃあ仲間にはしないよ!
だってお前が敵にやられたらかわいそうだもの!」
「そうかぁ。」
宇宙人は寂しくなった!
「じゃあ残念だけどお別れだ。
ねこ君にもさよならを言うよ。」
と言うと宇宙人はピロンと音を出して
なんと!
ねこみたいなのになった!
「なーん!」
「なーん!」
「なんてやつだ!こいつすごいぜ!
おい!元に戻れよ!」
ピョコリンと音を出して宇宙人は元に戻った!
「お前すごいな!仲間になろうぜ!」
「本当か!うれしいな!」
「俺はチキンマン!お前の名前は?」
「・・・。」
「どうした?名前は何て言うんだ?」
「僕はずっとひとりぼっちだから名前というのはないんだ!
どうだチキンマン!
なにかつけてくれよ!」
チキンマンは考えた!
「そうだなぁ・・・
そうだ!
ずっとひとりぼっちだったから”ボッチー”というのはどうだ?」
「ボッチー?
もうひとりぼっちじゃないけどもなんだか愉快な名前だな!
愉快なのは大好きだ!
ようし!僕はボッチーだ!」
ますます凶悪になるアホロ計画との闘いにむけて
ボッチーを仲間にしたチキンマン!
やらかせチキンマン!
自分の能力をよくわかっていないボッチーと共に
なんやかんや大暴れしろ!
(2020年5月26日)