『チキンマンvsドクター・デモリッション』第２話「暴走チキンマン！走れC-34！」
『やめとけ！チキンマン』休校スペシャル
学校に行けないのに外で遊んでもいけないと言われた子供たちへ
前回のあらすじ
巨大怪獣スプレッダーは
大人をもアホにする新型AHOウィルスを噴射して消えた！
だがチキンマンには効かなかった。
安田医院に行って理由を聞いたら
君は元からアホだからだと言われた。
チキンマンはとても悔しくなって
変身したまま海鮮屋台おくまんでずいぶん飲んだ。
それにしても巨大ロボット怪獣スプレッダーは恐ろしい敵だった！
あんなに大きくて強い敵は初めてだった！
一体どうしたらあいつを倒せるのだろう？
元木は深く悩んだ！
そんな時
聴いていた『兵動大樹のほわ～っとエエ感じ。』が突然途切れ
ラジオからドクター・デモリッションの声が聞こえて来た！
「聴いてるかチキンマン！」
「あっ！お前はドクター・デモリッション！
聴いてる！ちゃんと聴いてるぞ！」
だが向こうには聞こえていなかった！
「お前はきっとラジオに話しかけているのだろう！
アホなおかげで命びろいしたなチキンマン！
だがよく聞け！
中崎町にまいたウィルスはやがて効果が消える！
しかしもうすぐスプレッダーの中で
永久に治らないウィルスが完成する！
いよいよ世界侵略の時が来たようだ！」
「世界侵略だと？
昨日は日本中の子供って言ってたじゃないか！」
「よわこきなお前に世界を救うチャンスをやろう！
私は逃げも隠れもしない！
私と闘いたければ
桜ノ宮のディスカウントスーパーミキの辺りに来い！
いつでも挑戦に応じよう！
じゃあなチキンマン！
まっはっはっはっは！」
そしてラジオは元に戻り
DJヒョーキーのコーナーが始まったので消した！
「おのれドクター・デモリッション！
”まっはっは”という笑い声も腹が立つぜ！
チキントランスフォームEX！」
なにか強いのに変身したらいいなと思いながら
新しい掛け声で変身したがいつものチキンマンになった！
これではきっとまた大怪獣に負けてしまう！
ものすごく悔しかった！
落ち込みながらフルーチェを混ぜていると
どこか遠くからねこの鳴き声が聞こえた！
「なー！
なー！」
その声は間違いなくチキンマンを呼んでいた！
探してみるとその声は大家さんの家の納屋から聞こえていた！
「こんなところに入ったら大家さんから叱られるのに！」
チキンマンはこっそりと暗い納屋の中に入った！
闇の中に何かがあった！
「ややっ！なんすかこれは？」
電気をつけてみると
大きな布の下に大きな何かが隠されていた！
ねこが布の中から出てきて鳴いた！
「なーん！」
開けろと言っているようだったのでチキンマンは布をめくった！
「べらりーの！」
すると！
「こ！これは！」
なんとそれは戦車だった！
「ターンク！」
チキンマンはすぐに大家さんのところに走った！
大家さんはDJヒョーキーのコーナーを聴いていた！
「大家さん！大家さん！
戦車を貸して下さい！」
「どうぞー！」
多分大家さんは「自転車を貸して下さい」と聞こえたのだろうが
いっぺんどうぞと言ったのだから借りる事にしたのだ！
「これで巨大ロボット怪獣スプレッダーを倒す事ができるぞ！
待っていろドクター・デモリッション！
チキンタンクC-34！
発進！」
勝手に名前をつけたチキンタンクC-34が
納屋のドアを突き破って走り出した！
「なんですかー！」
あわてる大家さんの声が聞こえたがチキンタンクはもう止まらない！
中崎町商店街を東に抜け
天神橋筋で右に曲がればよかったのに直進したため
仕方なく天神橋筋商店街の中を突き進んだ！
商店街は大パニックとなった！
「子供たちの笑顔のためだ！
我慢しろ！」
「なーん！」
いくつもの店を蹴散らし
おわんとか売っている露店を踏み潰し
商店街を散々破壊して扇町通りを左折した！
「ミスタードーナツがなくなってるぜ！」
「なー！」
ミスタードーナツとのお別れとして撃った大砲は
葬式中の公益社に当たったが
元陸軍のおじいさんの葬式だったので案外喜ばれた！
阪急オアシスでトイレを借りてブラックサンダーを２個買い
更に直進し腹筋善之介の実家に一発撃ち込んだ後で
谷町筋の源八橋西詰を渡った！
「少し桜が咲いてるぞ！」
「なーん！なーん！」
源八橋を渡りながら景気づけに撃った大砲は
焼き肉三福園をかすめた！
何の活躍もしていないけど
なんだかいいぞチキンマン！
外で遊べない子供たちのために
走れチキンマン！
止まるなチキンマン！
暴れろチキンマン！
むかしハナ肇主演のこんな映画を見たぞ！
（2020年3月8日）
＊本作はコロナ禍で学校の閉鎖が行われた際に急遽作成したスピンオフ作品です。
＃兵動大樹のほわ〜っとエエ感じ #ディスカウントスーパーミキ
いいなと思ったら応援しよう！
