『スペースチキンマン』第19話 「チキンマンの最後?燃え上がる龍の魂」
前回のあらすじ
死の塔を登りながら仲間がみんな闘ったが
チキンマンは特になにもしなかった!
ばほーん!
恐ろしい鳴き声が4階にひびいた!
チキンマンは逃げたくなったが
怖すぎて足が動かなかった!
ばほーん!
そこには大きな大きな昆虫巨人カリームが立っていた!
近畿大学バスケットボール部の留学生カリーム君が
初めてドンパッチを食べたショックで昆虫巨人になってしまった!
「で!
でけーのなー!
でけーのなー!」
こんな事ならばデストロか四十八滝丸と戦えばよかった
とものすごく後悔した!
そこでチキンマンはある作戦を思いついた!
「よく聞けでかいの!
そもさん!」
しかし昆虫巨人カリームは普通に襲いかかってきた!
作戦は失敗だ!
「うわー!」
昆虫巨人カリームはチキンマンを殴ったり蹴ったりした!
噛んだりもした!
「くうううっ!
おのれ大型昆虫め!
こうなったら久しぶりに俺の必殺技を見せてやるぜ!」
チキンマンは全精神をとさかに集中させた!
「んんんんんんーっ・・・
チャーック!
ノリース!
キーーーーーック!」
ばほーん!!!!
昆虫巨人カリームは
なんと必殺のチャック・ノリス・キックを受けても
びくともしないではないか!
「なんたるちーあ!」
ばほーん!
昆虫巨人カリームは連続攻撃を始めた!
ばほーん!
「ぐあああーっ!」
ばほーん!
「だああーっ!」
ばほーん!
「うわああーっ!」
チキンマンはついに力尽きて倒れてしまった!
「うううう・・・地球のみんな・・・中崎町のみんな
・・・そして百合子さん・・・俺は・・・もう・・・だめだ。」
昆虫巨人カリームは大きく吠えた!
ばほおおおおーん!
チキンマンの心臓はどんどんゆっくりになっていった。
目がどんどん見えなくなっていった。
体が冷たくなってきた。
チキンマンは自分が死ぬ事を感じた。
そんなチキンマンは夢を見た。
中国の服を着た男の夢だった。
チキンマンはその男にたずねた。
「私は死ぬのですかね?」
男は言った。
「考えるな。感じるんだ。」
「感じる?」
「チャック・ノリスを無敵だと思うな。」
「けど。」
「確かに彼は強い。
だが私は世界でただ1人チャック・ノリスを殺した男だ。」
「チャック・ノリスを殺した?
ま!まさか!それはローマで!」
「そしてこの”死の塔”を登るゲームにも勝利した。」
「あなたはもしや!」
「チキンマンよ。
私が生きていればちょうど80歳だ。
それ記念して私の魂をお前に貸そう。
だからその大きいのを倒してみろ。」
男はチキンマンの体の中にスーッと入って来た!
すると!
チキンマンの姿が見る見る変わっていった!
ばほーん!
勝利のおたけびを上げて昆虫巨人カリームは穴に帰ろうとしたが
チキンマンの声がしたので立ち止まった!
チキンマンは腕の無線機で円盤にいるパーヴォに話しかけた!
「パーヴォ。
塔の上ででかいのを倒す音楽なんてあるか?」
「あるぞチキンマン!」
昆虫巨人カリームが振り返った時!
ジョン・バリーの『死亡遊戯』のテーマが流れ始めた!
「さてとでかいの。
もう1ラウンドだ。」
ばほーん!
昆虫巨人カリームが飛びかかって来たが
チキンマンの動きは素早かった!
全部の攻撃をかわした!
そしてものすごいスピードで昆虫巨人カリームに反撃した!
ばほほほーん!
昆虫巨人カリームはまったくかわせなかった!
チキンマンはよろよろになった昆虫巨人カリームをにらんだ!
そして!
「ほおおおおおおおおわぢゃあああああああーっ!」
昆虫巨人カリームのひたいに
強烈な生誕80周年記念ジャンピングドラゴンキックを叩き込んだ!
ばっほーーーーーーん!!!!!
大きな音を立てて昆虫巨人カリームが倒れた!
チキンマンは昆虫巨人カリームがもう動かないのを見届けて
自分も気を失った!
「チキンマン!
起きてよチキンマン!」
「なーん!なーん!」
ボッチーがチキンマンはゆさぶった!
ねこがぺろぺろなめた!
チキンマンは目を覚ました!
「・・・あ。ボッチー。ねこ。」
「すごいなチキンマン!
こんな大きな怪獣を倒すなんて!」
「俺が?倒した?」
「君以外に誰がいるんだ!」
「なーん!なーん!」
チキンマンは自分以外に誰かがいた事を内緒にした!
「ボッチー!ねこ!
5階に上がろうぜ!」
いよいよ最上階へと登るチキンマン!
そこにはアホロ計画の首領アホロ・クリードが待っている!
力を合わせてやらかせチキンマン!
お前が自力で勝ったわけじゃないけど
今日はちょっとだけかっこよかったぜ!
(2020年7月15日)