『チキンマンvsドクター・デモリッション』第３話「空飛ぶ焼却炉！火炎兵士バーナーマン」

『やめとけ！チキンマン』休校スペシャル

学校に行けないのに外で遊んでもいけないと言われた子供たちへ

前回のあらすじ
　正義のためにずいぶん街を壊した。

チキンマンが運転する戦車
チキンタンクC-34は源八橋を渡りきって東詰にたどり着いた！
ディスカウントスーパーミキの辺りにあるという
ドクター・デモリッションの基地はもうすぐだ！
「待っていろドクター・デモリッション！
　そして巨大ロボット怪獣スプレッダー！
　子供たちの笑顔のために
　このチキンタンクで滅ぼしてくれる！」
しかしその時だ！
猛烈な炎がチキンタンクを包んだ！
「あーっちーっ！！！！」
なんと！
空中に不気味な生物が浮かんでいるではないか！
火を放ったのはそいつだ！

「ぎゃはははは！待ってたぜチキンマン！」
「誰だお前は！」
「俺は火炎兵士バーナーマン！
　ドクター・デモリッションに雇われて
　これよりお前を焼却する！」
学校から撤去された焼却炉の呪いが産んだ強敵
火炎兵士バーナーマン！
しかもドクター・デモリッションが発明したロケットを背負い
自由に飛び回る事ができる！
「今日のディナーはローストチキンだぜ！
　くらえーっ！」
熱い炎がチキンタンクに噴きつけられた！
「あちちちちーっ！」
チキンマンがいくら大砲を撃っても
飛び回るバーナーマンにはまるで当たらない！
ちゅどーん！
ちゅどーん！
ちゅどーん！
「ぎゃーっはっはっは！
　残念だなチキンマン！
　へなちょこなお前に子供たちを救えるわけがないのさ！
　俺の最大火力の炎でその鉄くずごと溶かしてやる！」
チュイーン！
「なんの音だ！」
「火力１００％充填完了！
　マックスファイアー噴射！」
「うわああーっ！
　やめろおおおーっ！」
マックスファイアーが噴き出される直前に
どこかから声がした！
「やめとけキノコ坊主！」
「だ！誰だ？」
河原からゆっくりと上って来たその男は
かつてすべてを溶かしたあの胃酸過多の酸性ヒーロー
イーサンだった！

「イーサンじゃないか！」
「お前を助けるつもりはないぜチキンマン！
　ただここんとこ毎日
　学校に行けない子供たちの泣き声がうるさくて
　いつも以上に胃酸がたまってるのさ！」
「イーサンだと？
　ふざけた鉄砲なんか構えやがって！
　このバーナーマンと勝負するってのか？」
「行けよチキンマン！
　でないとまたお前まで胃酸で溶かしちまうぜ！」
「ありがとうイーサン！」
チキンマンはチキンタンクを走らせて
ディスカウントスーパーミキに向かった！
「くらえ！」
不意打ちの火炎放射がイーサンを襲った！
しかしイーサンは身をかわした！
「あぶねぇあぶねぇ。
　大事な事を教えてやるよ！
　これからは撃つ前にくらえとか言わない事だ！」
「うっとおしい奴だ！ファイヤーボール発射！」
バーナーマンは次々とマシンガンのように火の玉を発射した！
「うわっ！」
火の玉は何度かイーサンをかすめたが
イーサンはうまく風上に立っていた！
「ぎゃーっはっはっは！
　なるほど！
　風を盾にしたか！
　賢いやつだなイーサン！
　だが俺の最大火力には風向きなんか関係ないぜ！
　くらえマックスファイアー！」
チュイーンという音がして
マックスファイアーの発射準備が始まった！
「河原の看板を読めよバーナーマン！」
「マックスファイアー100%充填完了！」
「ここらはバーベキュー禁止なんだぜ！」
バーナーマンの手から噴き出されたマックスファイアー！

しかしそれよりも一瞬早くイーサンは胃酸ガンを発射した！
風上からの胃酸ガンはマックスファイアーを消して
バーナーマンを直撃した！
「だああああああーっ！」
イーサンのいつもより強力な胃酸が
バーナーマンを溶かした！
ぴくぴくしていたバーナーマンはやがて動かなくなった！
「消火（消化）にいいってのはこういう事かい？」

遠ざかるチキンタンクの音を聞きながらイーサンはつぶやいた！
「頼むぜ・・・チキンマン。
　子供たちのために。」

つづく

（2020年3月9日）

＊本作はコロナ禍で学校の閉鎖が行われた際に急遽作成したスピンオフ作品です。

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