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父と大谷選手

父は大谷選手が大好きだ。
父曰く、
「大谷は、俺たちの子供の頃のスポーツ漫画のキャラクターそのままの顔」らしい。
私の幼少期の漫画だと、キャプテン翼の翼くんとかかな。確かに、あの純粋無垢なスポーツ少年の雰囲気を、大谷選手はいつまでも纏っている。

試合の放送は欠かさず観るのだが、その見方も父らしい。
ドジャース(以前はエンゼルス)が勝って欲しいけど、めちゃ勝ちは面白くない。
大谷選手にはホームランが出ないとつまらない。
いい試合で時間が長くなってくると、途中で飽きる。
そして目を離した隙に大谷選手がホームランを打って悔しがる。

たるんだピッチングにはブーイング、
投手交代のタイミングが遅くてもヤジが飛ぶ。
流れに変化があると
「ほらな!俺が言った通りだろ!」か、
「こんなことがあるのかー!一寸先は闇だ!」
と大騒ぎ。

大リーグの選手のプレーに注文をつけるたび、どんだけの名監督か大スター選手なのか、あなたは…と思っている。
何事も、観て楽しむ観客が、一番気楽で呑気なものだ。

父の無茶苦茶な期待を聞くたび、そんな都合よくいくかい、と思いながらも、ほぼその通りにやってきた大谷選手のすごさ。

こりゃ、やっぱり本物のスター選手だ。

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