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11月22日金曜日。
少しだけ早く起きられた。目覚ましが鳴った15分後。
いつもは30分後に起きる。6:30が出掛けるのに間に合うギリギリの時間で、目覚ましをセットしているのは6:00。ならばいっそ6:30にセットすれば良いのだが、目覚ましに起こされてその瞬間本当に起きなければならないのが辛い。あと少しは寝ても大丈夫、と思いたい。そんなわけでいつも6:00から30分の二度寝をしてしまうのだが、その時間には碌な夢を見ない。昨日は、洗濯機から水が溢れているのに蓋を無理矢理閉めて稼働させるも、あと5分で仕事に出掛けなければいけないし、今日は絶対遅刻できないのにまだ化粧も歯も磨けていない。夫は何故かめちゃくちゃマザコンぽくなっていて朝から母親と楽しそうな電話をし終えたら、イライラしているわたしに「エリック・クラプトンのチケットが取れたんだってさ!2枚!」と嬉しそうに言ってきて「は、じゃあ行ってくれば」と返すと、うわー、感じ悪…みたいな反応。わたしはイライラし過ぎてiPhoneを床に叩きつけて出かける準備に走り回り夫は「モノに当たるなんて…」と咎めてくる。
ちなみに実際にはわたしも夫も義母もエリック・クラプトンを特に聴かない。名曲があるのは確かだけど。
そんなわけで今日は二度寝をしないように、布団の中で「出たくない」と思いながらも身体をうねうね動かし、起きた。金曜日だし。金曜日と言うことは今日仕事に行けば休みだし。
わたしは仕事が嫌いなわけではない。ただ、決められた時間に決められた場所に毎日行かなくてはならないことになっているのが嫌なのだ。だから習い事も本当は少し嫌だ。
仕事は行ったら行ったで今日も頑張った。昨日に引き続き、みんなと一緒にひたすら作業を進めた。普段は一歩引いた立ち位置だが、一緒に作業をすると同じ時間をちゃんと共有しているような気がして、充実した心持ちになる。
帰りは気分が良かったのでどこかへ寄り道したい気持ちに駆られる。いつもの本屋では素敵なアパレルブランドの展示会をやっているみたいだし寄っちゃおうか、でも駅からの距離が寒いし行ったら買い物しちゃうだろうな、家の近くに最近できたカフェバー、気になっていたから行ってみようかなと思えば金曜日定休。時々2軒目に利用するバーの看板を見て入ろうか迷うが、ピルの休薬期間で下腹部が痛くなってきた…と結局真っ直ぐ帰る。真っ直ぐ帰って、白ワインとナッツとレーズン。やっぱり飲んでしまう。けれど家だから良いのだ。
夫が帰って来て、パスタを作ってもらっている間は少し家の仕事をしているフリをして、パスタを食べながらまたワインを飲み進める。更に気分が良くなったので、一滴もお酒を飲んでいない夫を道連れに色んなことを喋る。大変楽しかったし、何か大事な話をしたような気もするが思い出せない。
ああ、なんか共有することの重要性の話をしたのだけは覚えている。わたしにとっては非常に重要なことなのだとふと思った。心が動いたこと、何かに気付いたことを誰かと共有したい。似た感覚を共有する相手と共有したい。その役割を担ってくれている夫がいなくなることは、わたしにとって相当に不幸なことだ。夫に飽き足らず、そのような仲間を求めてわたしは朗読会に足繁く通ったりしているのだろう。その点、夫はそれをそこまで重要視していないようだった。自分がそれを感じている、わかっている、ことで完結しているように見える。そう言うと「たまには共有もしたいよ?」と返された。

昨日はそんな感じです。

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