#8 高千穂線・高森線
高千穂線・高森線とは
●高千穂線
鉄道敷設法(大正11年)別表百十九:
熊本県高森より宮崎県三田井*を経て延岡に至る鉄道
*現在の高千穂附近
●高森線(宮地支線)
鉄道敷設法(明治25年):
熊本県下熊本より大分県下大分に至る鉄道*
*のちに政府予算承認の不要な軽便線として着工したため削除
高千穂線について
高千穂線のルートはほぼ「高千穂往還」に沿っている。古くからの肥後国への道のりであった。
高千穂往還の主な経過地は以下の通りである。
日向国延岡城下・板田橋~南方~細見川~曽木川~北方~七折(日之影)~岩戸(高千穂)~三田井(高千穂)~上野~田原~河内~肥後国岩神(高森町)
結局開業できなかった予定線のルートも重なっているのが興味深い。
高森線について
高森線は宮地線(豊肥本線)の支線として建設された。高森は古くからの商業地であり、一旦は比較線として豊肥本線のルート選定から漏れたが、のちに政治(政友会)主導で復活したものである。
1921年4月1日「高森軽便線」が建設決定。沿線の温泉や高森町の振興が期待された。
こぼれ話…
高千穂線には南郷にちなさんがいたが、同線とつながる予定だった高森線は建設前「南郷線」*と呼ばれていた。不思議な縁である。
*高森町周辺が「南阿蘇の南郷地域」であるため