日記「鳩だって蹴躓く」
河川敷の散歩。
陽を遮るものがないので、照りに照らされ暑い。
ただ大きな橋がいくつかあり、その下に逃げ込めばかなり涼しく風がある時は肌寒く感じるくらいだ。
汗だくになりながら歩いていると意外と色んな人がいる。
ランニングしている人、ロードバイクで駆け抜ける人、犬の散歩をしている人、詩吟や歌を歌っている人、マーチングバンドの練習をしている人たち、サックスの練習をしている人、ギターの弾き語りをしている人、お弁当を食べている人。
老若男女問わず様々な人が思い思いに河川敷の風景の一部となり時を過ごしている。
たまに人がいなくなり1人になると、世界に私しかいない感覚になる。ポツン。
そしてまた聴こえてくる誰かの会話や走る時の息遣いや足音、犬の鳴き声が私を現実に引き戻す。
そんなことを繰り返しながら歩いているとよく鳩と出くわす。
人に慣れているので、歩いて近くを通っても逃げもしない。
たまに鳩と進行方向が同じでついて行く状況になると、彼らは飛ぶと言う選択ではなく歩いて逃げると言う選択をすることがある。
そして今日見てしまった。
私の前を歩いていた鳩が仲間とぶつかり蹴躓いた。新喜劇の定型ボケに対するリアクションのようにズコーと蹴躓いていた。
何だかおかしくて1人で笑ってしまった。
そりゃあ鳩だって蹴躓くわな、そりゃそうだ。そう思うと何だか少し楽になった。
鳩だって、人間だって、何だって蹴躓く。
生きてりゃそう言うもんだ。
何も問題はない、問題にしてしまうかは自分次第だ。