アリスの昆虫教室 家の中にいる昆虫編
アリスの昆虫教室 第39弾です。
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アリス:みなさん、おはようございます!昆虫大好きな大食いモデル、アリハウこと、アリス・ハウエルです!
チカノベ:昆虫に詳しい、天の声のチカノベです!
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アリス:この番組は、私がチカノベさんと一緒に、昆虫について説明するものです。
チカノベ:できるだけ、昆虫の実物写真や、えぐい表現を見せない、昆虫が苦手な人のための番組でもあります。
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アリス:今回は第39弾、家の中にいる昆虫編です。
チカノベ:今回で昆虫教室を再開してから10回目ですね。
アリス:これからも私たちは、昆虫の魅力をあらゆる層に伝えていく活動をしていきます!
チカノベ:今回の内容は、家の中でよく見られる昆虫10種を紹介します。今回紹介した昆虫の他にも、家でよく見られる昆虫の種類はたくさんいるし、誤解してほしくないのは、全員の家にいるというわけではないことです。
アリス:紹介する昆虫が、家の中でどんな害をもたらすのか、どういう環境を好むのか、対策方法について説明します。
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アリス:昆虫が家に入ってくる主な理由として考えられるのが、温度が一定で、冬も暖かであること、穀類や生ごみなどの餌があることです。
チカノベ:侵入経路は、窓やドア、換気扇、排水溝、建物のヒビなど、そういった隙間からで、食べ物の匂いにつられたり、蛍光灯の光につられたりして侵入します。
アリス:虫は暗くて高温多湿な場所を好み、人間の生活環境には、餌となる食べ物やごみ、微生物があり、虫にとっては天国なのかもしれません。
チカノベ:では、家の中で見られる昆虫を紹介します!
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チカノベ:まずは、タバコシバンムシです。
アリス:タバコシバンムシは、コウチュウ目 シバンムシ科に分類される昆虫の一種 で、シバンムシ類は日本で50種以上が知られているうち、家庭害虫となる種類は10種ほどが知られています。
チカノベ:タバコシバンムシは、とても厄介な昆虫です。何でも食べます。
アリス:家の中では、貯蔵タバコ、畳、チョコレート、ビスケット類、コーヒー、米、小麦粉、スパイス、乾麺、漢方薬、木材、動物の標本、ペットフード、本、革製品など、いろんなものを食べます。
チカノベ:主な侵入経路は、ドライフラワーを持ち込んだことで、そこから家中に範囲を広げ、何でも食べます。餌の面では、適応力のある昆虫と言えます。
アリス:タバコシバンムシは、ゴマ粒のように細かくて駆除が厄介ですが、駆除方法は殺虫剤、くん煙剤、トラップなどです。トラップは、ライトトラップ、フェロモントラップがあります。発生源がわからない場合は、害虫駆除業者に相談しましょう。
チカノベ:予防方法は、ヒバ油を薄めてスプレーしたり、パスタや小麦粉といった食品の容器に、シバンムシの入るような隙間を作らず、しっかり密閉して保存することです。
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チカノベ:次は、カツオブシムシです。図は、日本に生息している代表的なカツオブシムシ2種、ヒメマルカツオブシムシと、ヒメカツオブシムシです。
アリス:カツオブシムシは、コウチュウ目 カブトムシ亜目 カツオブシムシ科に分類される昆虫の総称です。カツオブシムシの仲間は、世界に約700種、日本に40種ほど生息していて、その半分ほどが害虫として知れています。
チカノベ:カツオブシムシも、家の中にあるいろんなものを食べます。
アリス:カツオブシムシは、衣類や乾燥動物標本、かつお節、カマキリの卵など、乾燥したたんぱく質を好んで食べる害虫です。植物性のものでは、穀紛、穀粒、豆、貯蔵タバコなどを食べます。
チカノベ:ヒメカツオブシムシは、以前の昆虫教室で説明した通り、自宅で大量発生した経験があり、発生源は謎のまま収束しました。親の話によると、チカノベのへその緒に、ヒメマルカツオブシムシがわいたそうです。人食い虫ですね。
チカノベ:カツオブシムシの成虫の絵を描きましたが、人に害をもたらすのは、幼虫です。甲虫の幼虫なので、小さいイモムシ型の幼虫です。成虫は花の蜜や花粉を食べます。幼虫と成虫の姿や食べ物が違い、蛹を経る完全変態の昆虫です。
アリス:駆除方法は、服だとアイロンや乾燥機などで65℃以上の熱を与えるか、殺虫剤、害虫駆除業者に駆除を依頼します。
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チカノベ:次は、本食い虫です。図は、シミ、チャタテムシ、シバンムシです。
アリス:シミは、シミ目に属する昆虫の総称、チャタテムシはチャタテムシ目に属する昆虫の総称で、シバンムシは先程説明したので省きます。また、チャタテムシ目は、シラミ目とともにカジリムシ目と一括りにされることもあります。
チカノベ:シミに似たような虫は寝室のジメジメした散らかっている部分で見たことがあります。チカノベは最近よく本を買うので、現れてほしくないのですが、詳しいことをアリスさん教えてください。
アリス:本食い虫は、どれも人体に大きな影響は与えませんが、アレルギーの原因やダニの発生に繋がることがあります。
チカノベ:ダニは昆虫ではないです。
アリス:シミは、漢字では「紙魚」と書き、体長1cmほどで、平べったい銀色の体をしていて、3本の長い尾と触角があり、魚のようにクネクネと動きます。寿命は7〜8年と長く、糊付けした和紙やセルロースを好みます。
チカノベ:小さくて8年も生きて、人に迷惑をかけるなんて、しぶとい奴だ!
アリス:チャタテムシは、体長1mmほどの微小昆虫で、よくダニと間違われます。古本や紙類、食品などに被害を与える害虫です。湿った紙類を好みます。
チカノベ:そういえば昔、摘み取ったクローバーを挟んだ絵本やペットのヒマワリの種に、ダニのような虫がいたけど、チャタテムシだったのかー?
アリス:チャタテムシの可能性もありますが、土に生息するトビムシや、ハダニの可能性もあります。あくまでも私の推測なので、専門家に聞かないとわかりません。
チカノベ:予防方法や駆除方法はありますか?
アリス:予防方法は、こまめな掃除、紙類を溜めておかない、湿気を取る、です。ラベンダーの香りで忌避できます。駆除方法は、見つけたらティッシュやハエたたきなどでやっつけます。掃除機だと、チャタテムシが排気口から逃げ出してしまい、無意味なことになります。ウエットティッシュや粘着ローラー(コロコロ)で捕まえるとよいでしょう。殺虫スプレーやくん煙剤も効果的ですよ。
チカノベ:ラベンダーの花は寝室に吊るしてあります。掃除は最近していないし、ジメッとした窓際や本棚付近には細かい紙くず落ちているかも。対策を万全にし、万が一見かけたらためらわず、絶対にやっつけてやる!逃さないぞ!
アリス:害虫認定したのね。
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チカノベ:次は、トコジラミです。別名、南京虫(ナンキンムシ)です。
アリス:トコジラミは、シラミではなく、カメムシ目 トコジラミ科 トコジラミ属に分類される昆虫で、カメムシの仲間で、潰すとクサいそうです。大きさは幼虫で1~4mm、成虫で5~8mm程度で、翅がなく、扁平で楕円形の体形をしています。
チカノベ:南京とは、中国から伝わったもののことで、南京豆、南京錠、南京玉すだれなどが中国から伝わってきたもので、日本人がこの虫のことを南京虫と呼んでいることに関して、中国からクレームがきています。本当はヨーロッパの虫です。昨年、韓国での野球観戦が話題になったときは、テレビでも大々的に対策法が取り上げられていました。
アリス:トコジラミは、明るいところが苦手で、主に夜に活動が活発になります。旅行先で刺されそうな場合は、電気を点けてアイマスクをして寝るといいそうですね。でも、時々明るくても吸血します。腹が減りすぎると、明るくても仕方なく活動します。
チカノベ:姿はないのに、刺された痕がある人、心当たりがある人は、ベッドと床の隙間などをご覧ください。トコジラミのいる家には、脱皮殻があったり、フンがあったりします。トコジラミは血を吸う昆虫なので、黒いシミのような排泄物(血糞=けっぷん)をします。全員の家にいるわけではないので、神経質になる必要はありません。自分の地域で出たという情報があったり、海外旅行帰りだったりする場合は、じゅうぶん気をつけて生活しましょう。
アリス:トコジラミに刺されると、赤く腫れ上がったり、強い痒みがあったり、発熱したりします。症状には個人差があり、初めて刺された人は症状が出ないことが多いらしく、10日程度経ってから症状が現れる人もいます。
チカノベ:カメムシの仲間ですが、サシガメのようにシャーガス病の媒介はせず、特に感染症を持っているという情報はありません。
アリス:対策法は、部屋をこまめに掃除機で掃除する、布団まわりを整頓する、見つけたら潰さずガムテープで捕まえて、密閉したごみ袋に入れておく、布団を温水(50℃)で洗う、クスノキ(樟脳)の香りをたくなどです。
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チカノベ:次は、チョウバエです。チカノベの自宅で最も見かける昆虫で、主にオオチョウバエとホシチョウバエの2種を見ます。
アリス:チョウバエは、ハエ目 チョウバエ科に分類される昆虫の総称です。ハエと名前にありますが、ユスリカのような、カ(蚊)に近い仲間です。大きさは、オオチョウバエが4〜5mm、ホシチョウバエが1.3〜2mmです。
チカノベ:チョウバエは、浴室や台所、トイレの排水溝や、水槽といった水まわりに発生し、幼虫は水中の有機物を食べて成長します。成虫の餌についても、ほぼ同じなようです。自宅では、浴室や居間で見かけます。大嫌いな昆虫です。年中見かけます。自宅以外だと、川の付近やその建物でも見かけます。
アリス:チョウバエの卵は、約2日で孵化し、2週間ほどの幼虫期間、3〜4日の蛹期間を経て(完全変態)、成虫になります。成虫の寿命は、4〜14日程度で、成虫になってすぐにオスとメスが出会って交尾し、メスは200個ほどの卵を生みます。
チカノベ:幼虫(たまに)や成虫(よく)は見ますが、交尾や大量の卵は認知していません。水回りを掃除したあとは、よく手を洗うようにしていますよ。
アリス:駆除方法については、洗剤やソープの泡をかけると即死します。チョウバエの成虫を捕獲するより、発生源のこまめな掃除で簡単に駆除できます。また、飲食店経営や食品加工工場といった食べ物を扱う業界の方は、チョウバエの目撃による風評被害や、衛生管理、食品への混入などで、大きな経済的損失に繋がることがあり、場合によっては行政による営業停止処分がくだされることがあります。要注意です。
チカノベ:風呂は毎日掃除して清潔に入っていますが、排気口からいくらでも入ってくるので、防ぎようがない気がします。
アリス:防ぎようはありますよ。そもそも入ってこないような環境づくりをすることが大切です。定期的に、排水溝に塩素の薬剤を撒くなどの対策をしてみたほうがいいと思います。
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チカノベ:次は、ショウジョウバエです。
アリス:ショウジョウバエは、ハエ目 ショウジョウバエ科に分類される昆虫の総称で、一般的にはコバエと呼ばれる昆虫です。
チカノベ:なんと、ショウジョウバエは、アフリカから遺伝子研究のために持ち込まれた外来種の昆虫です。それが世界中に逃げ出して大繁殖したようです。名前の由来は、猩々(しょうじょう)という架空の猿に似た動物で、真っ赤な顔をしていて、お酒が大好きです。 ショウジョウバエは赤い大きな目を持っていて、顔が赤いように見え、ワインといったお酒によく集まってきます。
アリス:ショウジョウバエは、2〜4mm程度の小さな昆虫なので、成長が早いです。卵が約1日で孵化し、幼虫は2回脱皮します。幼虫期間は約4日です。幼虫は脚がなく、蛆(うじ)と呼ばれています。蛹期間は約4日、羽化後は2日以内に交尾、産卵します。暖かいと、成長がより早くなります。
チカノベ:網戸の目より細かくて、何匹でもいるので、対処に困っています。「コバエがホ◯ホ◯」を置いても、何匹でも捕まるので、そもそも出ないようにするのは無理ゲーな気がしますが、対処法はありますか?
アリス:卓上や台所といった場所に、食べ残し、飲み残し、生ごみ、洗い残した空き缶や食品の容器など、食べ物の汚れを放置しないことです。現れた場合は、「コバエがホ◯ホ◯」のような商品や、プラスチック容器にめんつゆ、バルサミコ酢といった液体を入れたトラップ、殺虫剤、熱湯シャワー(特に幼虫)が効果的です。
チカノベ:家族みんなで、台所や卓上の、食べ物の汚れに気をつけようと思います。
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チカノベ:次は、コクゾウムシです。
アリス:コクゾウムシは、コウチュウ目 ゾウムシ上科 オサゾウムシ科に分類される昆虫の一種です。
チカノベ:米の9割以上には虫が入っているそうなのですが、自宅の米に、たまにこの虫の成虫が入っていることがあります。最初から入っていることがあり、他の昆虫苦手な人の多くの家にはわかせたくないので、対策法を教えてください。
アリス:米びつに鷹の爪の実を何本か入れる、「米唐◯」といった防虫剤の商品を使う、潰す、米を冷凍庫や冷蔵庫で冷やして保管する、熱処理、害虫駆除業者に依頼する、です。
チカノベ:一緒に炊かないようにするには、どうやって取り除いたほうがいいですか?いくら昆虫好きとは言え、虫のだしが出たごはんはなんだか嫌です。
アリス:水で洗うか、ベランダのような日当たりのいい場所に清潔な紙を広げて米を撒き、取り除くといいでしょう。あまり長い時間、お米を日光に晒すと、乾燥してしまうので、ご注意ください。
チカノベ:手作業しかないのか。
アリス:発生しないようにするには、お米は1ヵ月以内に食べきること、お米を常温で保存しないで冷蔵庫で保存することです。コクゾウムシは、18度以下で体が動かなくなります。あと、虫がわいた米は、食べられなくはないですが、アレルギーを引き起こすことがあるので、ご注意ください。
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チカノベ:最後は、Gさん(某不快害虫)です。
アリス:Gさんは、ゴ○○○目に分類される昆虫の総称です。
チカノベ:この昆虫を取り上げるのに、結構ためらいがありましたが、家の中にいる害虫の代表格なので、取り上げざるを得ないと思いました。昆虫は平気でも、Gさんが苦手な方は申し訳ありませんが、この記事を見たということは、この昆虫が出るという覚悟もできていると感じています。
アリス:ゴ○○○は、日本だと64種が認知され、そのうち10種程度が屋内に入ってきます。全部のゴ○○○が、人家で迷惑をかけているわけではなく、ほとんどの種類が、きれいな森でしか生きられないのです。意外ですよね。
チカノベ:自分の家では出ませんが、親の実家で目撃情報があり、対策はしています。豆知識ですが、飲食店などでは、この昆虫が出たとき、ゴ○○○出た〜!とは言えないので、ヨン様来ました〜!と言うそうです。見ると「キャー」と言う共通点からです。今の若い人には通じなさそうなので、多分現在では別の言葉に置き換えられてそうです。
アリス:タロウ、ハナコ、ヤツ、ガングロ、1番など、お客さんに知られないような隠語で呼ばれているみたいですね。
チカノベ:対策法はありますか?
アリス:ミントや柑橘系のアロマオイルのスプレーで忌避できます。多くの昆虫でも言えますが、侵入する隙間を作らないことです。玄関ドアや窓のサッシなどの隙間に目張りをする、換気扇に不織布のネットをかける、網戸の穴を補修する、エアコンや光通信ケーブル等の穴をパテで埋める、排水溝に細かい目の網を張るなどです。すでに発生している場合は、置き型の毒餌を設置する、トラップを使用する、殺虫剤やくん煙剤を撒くなどです。
チカノベ:スリッパや新聞紙などでパーン!はないんですか?
アリス:危険です。叩いて潰すと、ゴ○○○に付着した菌が家中に飛び散り、赤ちゃんや大人、ペットにも有害です。
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チカノベ:今回紹介した昆虫10種の他にも、カメムシ(カメムシ目)やアリ(ハチ目)、メイガ(チョウ目)など、いろんな昆虫が家の中に入ってきます。昨日、仕事場の窓を換気で開けたら、クサギカメムシが入ってきました。クサかったです。換気で窓やドアを開けた際も、虫が入ってくるので要注意です。
アリス:昆虫以外では、ムカデやゲジ(ゲジゲジ)、ヤスデといった多足類(たそくるい)、クモやダニといった鋏角類(きょうかくるい)、ワラジムシやダンゴムシといった陸生甲殻類(りくせいこうかくるい)が侵入してくることがあります。
チカノベ:昆虫以外は好きではなく、特にゲジが入ってきたときは絶叫ものです。
アリス:家にそういった虫を寄せつけないためには、除湿剤や換気扇で室内の湿気を取り除いたり、部屋を清潔に保ったり、食べ物を放置したり、家に虫の侵入する隙間を作ったりしないことが大切です。
チカノベ:意外なのは、クワガタムシのような、人気な昆虫も侵入してくることがあることです。飼うつもりはないので、逃がしました。どんな昆虫も家に侵入する可能性があるということです。
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アリス:アリスの昆虫教室第39弾、家の中にいる昆虫編はこれで終わりです。
チカノベ:もっと、家の中にいる昆虫について知りたい方や、質問がある方は、コメントくださいね!
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チカノベ:では!
アリス:またお会いしましょう!