アリスの昆虫教室 トンボ編
アリスの昆虫教室、第31弾です。
アリス:みなさん、おはようございます!昆虫大好きな大食いモデル、アリハウこと、アリス・ハウエルです!
チカノベ:昆虫に詳しい、天の声のチカノベです!
アリス:この番組は、私がチカノベさんと一緒に、昆虫について説明するものです。
チカノベ:できるだけ、昆虫の実物写真や、えぐい表現を見せない、昆虫が苦手な人のための番組でもあります。
アリス:今回は第31弾、トンボ編です。
チカノベ:トンボ編は、3年前に昆虫教室をしていた頃に、第30弾のテーマにするつもりでした。当時の絵は使わず、新しくデジタル描いた絵を使って説明します。
アリス:トンボとは、トンボ目というグループに属する昆虫の総称で、細長い腹と翅を持った昆虫です。
チカノベ:図は、マダラヤンマ 不均翅亜目(ふきんしあもく) ヤンマ科 ルリボシヤンマ科に分類されるトンボの一種の、マダラヤンマのオスの体です。
アリス:トンボは、均翅亜目(きんしあもく)と不均翅亜目の2つの亜目に分かれています。
チカノベ:図書館で借りた、文一総合出版 日本のトンボという本によると、均翅亜目は、アオイトトンボ科、カワトンボ科、ヤマイトトンボ科、ハナダカトンボ科、ミナミカワトンボ科、モノサシトンボ科、イトトンボ科が属し、不均翅亜目は、ムカシトンボ科、ヤンマ科、サナエトンボ科、ムカシヤンマ科、オニヤンマ科、ミナミヤンマ科、ミナミヤマトンボ科、エゾトンボ科、ヤマトンボ科、トンボ科が属します。
アリス:2つの亜目の大きな違いは、名前の通り、均翅亜目は前後の翅がほぼ同じ形と大きさ(均等)で、不均翅亜目は、前後の羽の大きさが不均等です。
チカノベ:不均翅亜目は、後翅が前翅より少し広いイメージがあります。では、トンボの生態について説明します。
アリス:トンボの幼虫は、ヤゴと呼ばれていて、水中で生活しています。
チカノベ:図は、不均翅亜目 オニヤンマ科 オニヤンマ属に分類される、オニヤンマのヤゴです。実は、水中の酸素を取り込んで呼吸できます。
アリス:ヤゴは肉食性で、ミズムシ、ボウフラ、アカムシ、イトミミズ、ミジンコ、メダカ、 オタマジャクシを食べます。
チカノベ:図は、不均翅亜目 ヤンマ科 ギンヤンマ属に分類される、ギンヤンマのヤゴです。
アリス:捕食する際は、折り畳まれている下唇を伸ばして、口の先についたはさみで捕まえます。
チカノベ:ヤゴを飼いたい人は、エサを手で与えると咬まれてしまう場合があるので、お箸で与えてください。あと、動く獲物しか食べないので、必ず生き餌を与えてくださいね。
アリス:トンボは、蛹を経ないで成虫になる不完全変態で、羽化するときは、幼虫時代を過ごした水域で羽化します。
チカノベ:水から出て羽化し、体が乾いてから、飛び始めます。図は、オニヤンマの羽化です。羽化したら、空気中の酸素を取り込む呼吸に切り替わります。
アリス:成虫は、昆虫界で最も飛翔能力が高く、時速60〜70Kmで飛びます。オニヤンマの場合、70Km/h以上で飛べ、急発進や急停止、バック、ホバリングなどの飛行能力を備えています。
チカノベ:トンボは獰猛な昆虫で、飛んでいる虫を捕食し、他の昆虫からは恐れられている昆虫です。
アリス:オニヤンマだと、カやアブ、 ハエ、ハチ、チョウなどの昆虫類や、クモ類を補食します。
チカノベ:クモは昆虫ではありません。チカノベとアリスさんの専門外ですが、クモは鋏角類(きょうかくるい)です。
アリス:ハチやカなどの虫除けに、オニヤンマのブローチを着ける人もいます。野良仕事やゴルフ、お花見をするときにおすすめですよ。
チカノベ:アリスさんゴルフするんですか?
アリス:仕事(タレント)の先輩に誘われて行くことはあるけど、そんなに得意ではないわ。オニヤンマのブローチは、女子ゴルファーが愛用していて、それでおすすめって言ったの。
チカノベ:トンボを捕まえるとき、指を1本立てて捕まえるのは、おすすめできません。咬まれる人続出です。
アリス:咬まれる理由はわかりませんが、指がエサの肉に見えるんですかね。
チカノベ:図のトンボは、チカノベが見かける頻度の多いトンボの一種、ショウジョウトンボのオスがモデルになっています。
アリス:ショウジョウトンボは、不均翅亜目 トンボ科 に分類されるトンボの一種で、オスは複眼から腹の先まで全身真っ赤ですが、赤トンボの仲間ではありません。
チカノベ:赤トンボとは、トンボ科 アカネ属に分類されるトンボのことで、ショウジョウトンボは同じトンボ科でも、ショウジョウトンボ属なので、分類上は赤トンボではありません。
アリス:トンボは、交尾をするとき、ハートのような形でします。
チカノベ:図は、均翅亜目 イトトンボ科 クロイトトンボ属に分類される、オオイトトンボの交尾です。チカノベの知っている小学生が、図鑑に載っている交尾の様子を、変なおじさんみたいに、変なトンボ、変なトンボ♪と言っていました。
アリス:正常です。
アリス:多くのトンボのメスは、腹の先を水につけ、飛びながら産卵します。
チカノベ:図は、オニヤンマの産卵です。
アリス:多くのトンボは、オスとメスが連結したまま産卵しますが、オニヤンマは単独で産卵し、近くでオスが警戒しながら飛んでいます。
チカノベ:オスがメスから離れてしまうと、他のオスがやってきて、メスの腹部から受精した卵をかき出してしまうため、オスは産卵が終わるまで、メスから離れません。
アリス:オスは、自分の子孫を守るために、メスから離れないのです。
チカノベ:多くのトンボは、水中に産卵するとアリスさんが言いましたが、イトトンボ科やカワトンボ科などは、生きた植物の中、トゲオトンボは落ち葉や枯れ枝のような枯れた植物、サラサヤンマは泥の中、ナツアカネは水田に産卵し、キトンボは水に産卵したあと、コンクリートに卵を貼り付けます。
アリス:エサもないような、学校のプールに産みつけるトンボもいるので、ヤゴをプールから救出してあげてくださいね。
チカノベ:トンボは、実は生きた化石で、古代昆虫にメガネウラというものがいます。史上最大の昆虫で、翅を広げると70cmはあったとされています。
アリス:見てみたいわ〜。
チカノベ:トンボは今も昔も獰猛なので、人間の指なら簡単に噛みちぎれそうですよね。
アリス:ヒッ!それは怖いわね。
チカノベ:メガネウラは、約3億年前の石炭紀に生息していたオオトンボの一種で、湿地やジャングルのような深い森林地帯に生息していました。現在のヨーロッパにいたそうです。ヨーロッパってジャングルのイメージないですよね。
アリス:メガネウラは、今のトンボとは違った生き物で、幼虫のヤゴは見つかっていなくて、私は今後の研究に期待しています。
チカノベ:チカノベの愛用サングラスに、メガネウラと名付けるほど、自分は昆虫が好きです。
アリス:メガネウラの切るところは、メガ・ネウラで、由来は大きい翅脈という意味のメガース・ネウロンです。トンボのメガネではありません。
チカノベ:メガネウラが絶滅した理由、知ってますか?
アリス:はい!酸素濃度の問題!
チカノベ:正解です。昔は酸素が濃く、昆虫のサイズも大きかったです。
アリス:昆虫は外骨格で、呼吸も肺ではなく、体の横に空いた孔の気門で静かに呼吸しています。酸素を取り込むのも肺ほど楽ではありません。現代は、酸素が昔ほど濃くなく、気温も高くなってきているので、多くの昆虫が絶滅しています。体の大きいメガネウラも、酸素が足りず生きていけません。
チカノベ:最近、昆虫が小型化しているのも、酸素濃度が薄くなったことが原因です。チカノベが小さい頃に見たアリやカブトムシなどは今より大きく見えるのは関係ないですかね?
アリス:私も本当にそう感じるので、少しだけ関係ありそうですが、20年くらいだとそんなに大きく変わらないと思うし、昔はチカノベさんの体も小さく、目の高さも低かったからじゃないかしら。
アリス:アリスの昆虫教室第31弾、トンボ編はこれで終わりです。
チカノベ:もっとトンボについて知りたい方や、質問がある方は、コメントくださいね!
チカノベ:では!
アリス:またお会いしましょう!