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自分は売れるか悩んでいるデザイナーの卵たちへ

才能と努力は5段階

世の中は全て才能だ。
才能5の人間が5の努力をすると5×5=25の最高得点が出る。
毎年たくさんのデザイナーの卵が美大を卒業していくが、その中で本質的にクリエイティブな環境に身を置き、脳みそで汗かいてデザインで食べていけるのはほんのひと握り。ほとんどは自らが意思決定権をもたない雇われの商業デザイナーになるか、そもそもデザインの道を諦める。
それでも、今この文章を読んでいるあなたが、これからデザインの才能で食べていこうと思っているのなら、私が教えられるのは努力の方法だけ。

間違った努力をしていないか?
プロなら誰もが当たり前にやっていることを努力と思ってないか?

使う予定のない筋肉を鍛えたってなんの意味もない。

まずは身体に染みつくまで基本をおさえる

デザイナーを志すなら、まず基本的な色彩、構成、写真、イラスト、タイポグラフィの理論を学びなさい。これが染み付いた時に、はじめて、次にいく。あなたが売れるにはどうしたらいいのか。

教科書をつくる

歴史に名を残すデザイナーと、現代に活躍するあなたが素晴らしいと思う何組かの(広義な意味での)デザイナーを分析しなさい。昔と今でどこが違うのか。なぜ今そのデザイナーが売れたのか。作品をみて具体的に秀でている点は何か。消費者はそんなこと微塵も気にしてないが、デザイナーを志すあなたはそれではいけない。

XとYの分析

もう一つ大事なのは、あなたがなぜそのデザインを好むのかを分析することだ。あなたが自然に好むものはあなた自身の中にあるものに近いはずだ。あなたが他人より秀でている点は何かを知りなさい。仮に、その結果、あなたが心底憧れるデザイナーの才能が、あなたの秀でた才能と性質的にかけ離れているようなら、その憧れを超えることは無理だろう。音楽と一緒で、どんなに練習したからといって、大好きなボーカリストと同じ声が出せるようにはならない。あなたが得意なこと(x軸)がわかり、時代を追ってデザインがどう変化していくのか(y軸)を正しく分析したら、あなたらしいデザインのパターンがいくつか見えてくるはずだ。ここで初めて考えるのだ。あなたはどのデザインで売れるのか。xもyもわからずに悩んでいる人が多すぎる。

戦略を練る

今からは何が売れるのか。どこの、誰に、どうやってアプローチしたら売れるのか。自分はこれをするんだ、という戦略を練ったら、1年間、その戦略でやり抜きなさい。それで結果が出なかったら、あなたの戦略が間違っているか、才能がないのだから、スッパリ諦めよう。始まりは、ベタなデザインでいい。時間内にアウトプットする。世間に求められるスピードやデザイン以外の様々に慣れたら、そこにあなたの挑戦を盛り込んでいこう。すぐに完璧にできなくていい。

デザインは細分化されテクノロジーに淘汰される

消費者目線で見ても平均的なデザインレベルは、ここ数年、テンプレート(汎用性の高いデザイン機能)が流通したことで随分と上がった。これまでテンプレートに代わる仕事をしていたデザイナーはすぐに職がなくなるだろう。そんな中、あなたが生み出そうとしているデザインは、どこの、誰に、どんな価値を与えるのか。ネットに新しい作品をアップすれば、多くの消費者が「かわいい」「かっこいい」「素晴らしい」とあなたを賞賛してくれるだろう。しかし、多くの場合、彼らはデザインに出資しない。彼らを喜ばすのは簡単だ。しかし、彼らを喜ばしにかかったら、彼らがあなたの才能を殺すだろう。あなたは自分に必要な相手を正確に見定め、一部に強く支持されるデザインをしなければいけない。

デザイナーには賞味期限がある

「デザイナーは死ぬまで現役」という時代は終わった。最先端で仕組みをつくれる者だけが生き残る。私は美大を卒業するときにすでにそう思っていた。常に新しい波(技術や感性)に、若者よりも高い感度で触れ、アウトプットしていく。クリエイティブは新鮮でなければならない。芸能と同じく、伝統的なものや経験値が超越するものも時にはあるかもしれないが、若さに勝てない瞬間は必ずやってくる。デザインではない、生き残り方も意識しておくべきだろう。

誰と比較されるかを理解する

美大から世の中に放り出されたら、デザイナーという肩書きの地位の低さにきっと驚くだろう。そして、あなたと同じように駆け出しのデザイナーが上にも下にも数多いることにも。それだけじゃない、オンラインで誰でもつながれる今、世界のデザイナーの中であなたは戦っていかなくてはいけない。美大を卒業してデザイナーを名乗っただけでは仕事は来ない。たまたま仕事が来たとしても、あなたの志すデザインを実現できるチャンスは簡単に向こうから擦り寄ってはこない。

自分の得意領域で必ず勝ち続ける

あなたは何者なのか。他人はあなたのつくったものであなたを知る。結果で評価する。だからまずはチャンスがあれば自分のデザインを全力で表現できる機会を得よう。そのために必要な売り込みもするべきだろう。オンライン上にいるあなたのアバターはあなた自身の表現だということを忘れてはいけない。相手があなたを検索した時に出る情報を、今やりたいことに合わせ、最適化しなさい。全てがあなたのポートフォリオ(価値)だと捉えなさい。あなたに類似するデザイナーがいる場合、あなたが負けないものがはっきり伝わるように。できれば類似しないこと。


他ではないあなたでなくてはいけない理由ができるまで、これを続ける。


最後に。 

どんなに頑張っても才能がないと気づく時がある。才能が枯渇するときもある。そんなときは、そこまで戦い抜いた自分の人生に満足しなければならない。5の努力の方法が身に付いている人間は必ず成功できる。何度でも挑戦しよう。

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