人に自分の脳みそを貸している感覚
これまでさまざまな媒体で、人に話を聞いて記事を書くという仕事を20年以上、そして人やモノを撮る仕事を15年以上してきました。
人の考えていることに思いを寄せ、想像し、聞いたことや見えたことを補完しながら、文章やイメージを作り上げてきました。
そんな中でふと、”他人に脳みそを貸している”ような感覚になっていることに気がつきました。取材相手の人の思考を、自分の頭・脳みそを通して吐き出している感覚です。
一旦気がつくと、段々と違和感というか、自分の脳みそを自分のために使わなくていいのかな? 貸している時間が長すぎないか? と疑問に思うようになりました。
自分の一番興味があることをテーマにすれば、人の言葉でもその違和感が和らぐのではないかと思いやってみましたが、それもそれほどは効果がありませんでした。
いよいよ、自分が本当に思っていることを表現するしか違和感をなくす方法はないとわかってからも、それは想像以上に難しく、今まで使っていなかったその回路は簡単にはつながることはないことを実感しました。大変だし、時間もないし、なんのためかもわからないし…。やらない言い訳もいくらでもありました。
ただこの数ヶ月で、いろんな人や機会を通して、本気で思いを伝えた方がいい、それには覚悟が必要、自分で決めることが必要、というメッセージを繰り返し受け取りました。
そして数日前、ある人に脳みそを貸している感覚のことを話したら、「それはリーディングしてますね。自分の力を正しく使えていないのでは? 一旦自分の思いをちゃんと出せるようになったら、それはすごいパワーになっていきますよ」とアドバイスをもらいました。「いやいや、リーディングなんて。私にはそんな能力ないし…」とすぐに否定したくなりましたが、意図せず涙が流れてきたので、そのまま受け取ることにして、本気でやってみようと決心しました。
前置きが長くなりましたが、そんな訳と経緯で、このノートを使って自分の思いを外に出すリハビリを始めることにしました。どのようになっていくかは自分でもまったくわかりませんが、とりあえず嘘をつくことなく思いを外に出すことをやってみようと決めました。そして、ここではうまく書くことをなるべく意識しないようにしようと思います。