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【シャニマス】『Heads or Tails?』の歌詞を考える

先日、『Heads or Tails?』の配信がスタートした。Apple Musicで聴くと歌詞が表示されるため、全編に渡って歌詞を確認できるようになった。
先行配信の方も購入していたが、その時点では歌詞を確認できなかったのだ
(違ったらすみません)
※先行配信では音楽再生画面での曲に合わせた歌詞表示ができない(?)だけで、クレジット欄を開けば先行配信の時点で普通に歌詞を見ることができるようだ。完全に私の勘違いである。恥ずかしい…。
となると1か月前にはこの記事を書けたではないか。今後はこのような失敗をしないよう書き残しておく。これは自分へのいましめでもあります。

ともかくこのタイミングで、本曲の歌詞を見ていきたい。


本曲のテーマ

内容自体はかなりストレートだと感じた。念のため言語化してみる。

タイトルになっている"Heads or Tails"とは英語の慣用句で、コインの表(heads)と裏(tails)を意味している。直訳での意味は書くまでもないだろう。
また、タイトル通り"Heads or Tails?"と疑問形にすると、コイントスの際の決まり文句にもなるようだ。
これは、「間違い」と表裏一体でコロコロ変わる「正しさ」で溢れるこの世界を表しているのだろう。シャニソンでの本曲実装時のコミュで描かれた、ソロでのルカとユニットでのルカについてのアレコレも頭をよぎる。

歌詞は、現代社会への風刺だろう。

SNSの普及によって個人の発信力が高まり、誰でも文字通り指一本で人を傷つけることができるようになった。
また、なまじ情報を得やすいからこそ何が正しいのか分かりにくくもなっている。それまで絶賛されていたものが、翌日には別の情報が入り全力でブッ叩かれているというのもありがちな光景だ。

もちろん何かを絶賛していた人と叩いている人が同一人物とは限らない。そうではない場合も多いだろう。ただ本曲においては、それらが意図的に混ぜられていると感じる。

長いものに巻かれて 手の平返して
それが出来ない存在は It's game over

右向け右で 手を取り合って
揚げ足取り合い

引用元:コメティック「Heads or Tails?」
作詞:Soflan Daichi 作曲:YUU for YOU, GIZ'MO(from Jam9) 編曲:涼木シンジ (KEYTONE)※Apple Musicのクレジット欄には「鈴木真仁」と記載があったが、ここではランティスCD情報ページの記載に準拠する。

例を挙げるなら、コメティック全体のモチーフとして度々登場している「右へ倣えをする人々」の扱いである。

過去曲におけるこのモチーフについての考察は上記記事にて触れている。
ご興味があれば、お読みいただきたい。

このモチーフは本曲にも登場しているが、この「みんなと同じことをする」という要素がSNSなどの具体的な要素を取り上げながら現代社会の風刺を行うという本曲のテーマと混ざり、「仲良く揚げ足を取り合い、みんなで頻繁に手の平ドリルをしながらその場その場で正義ヅラをかますバケモン」が爆誕している。
この化け物の最も恐ろしいところは自分が明日にでも成り得る、いや、既になってしまっている可能性すらあるという点だろう。これは自分へのいましめでもあります。

また、SNSは誰かを傷つけるだけでなく、自分が傷つく危険性も秘めている。
SNSには「キラキラした他人」が溢れている。厳選の末アップされた写真は幸せそうなものばかりだし、特技を披露している人の才能は明らかに自分より上である。
そんな中、人と比較して傷ついたり自分には才能が無いと感じたりする、といったことが簡単に起きるようになった。


ルカセンター曲として

本曲は『無自覚アプリオリ』以来となるルカセンター曲でもある。
彼女は作中でSNSを利用している場面も多く、(具体的な歌詞と彼女の行動が結びつくかは別として)SNSを扱っている本曲とリンクする部分があるように思える。
また、ルカセンター曲となれば『無自覚アプリオリ』と本曲を比較したくなるのが人の性というものだろう。

『無自覚アプリオリ』との共通点

共通点といえば、やはり物事を皮肉ったような視線だろう。
「多様性を出しつつも列を乱すな」という矛盾した命令に対し、「いっそ群れを成して自分を隠し通せ」と開き直ったような扇動を行うことで皮肉った『無自覚アプリオリ』に対し、本曲ではもっとストレートに風刺をする形で現代社会を皮肉っている。


『無自覚アプリオリ』との相違点

一方、異なる点も存在する。終止皮肉っていた『無自覚アプリオリ』とは異なり、本曲には「希望」を求め、たくましく歩んでいく姿勢があるように思えるのだ。

こんな世界でも「信じたいものがある…」

誰もがそうやって
(繰り返しながら)
待ってるHappy end

愛も哀も快・不快も
なんもかんも そう燃やして
闇の中で 瞬き爆ぜたい

引用元:コメティック「Heads or Tails?」
作詞:Soflan Daichi 作曲:YUU for YOU, GIZ'MO(from Jam9) 編曲:涼木シンジ (KEYTONE)

上記の箇所は、皮肉った視線が残りながらもポジティブに見える内容である。
たとえば一番上の箇所はその後「されど~」と続いているように純粋にポジティブというわけではないが、それでも確実に希望を求める姿勢は読み取れる。


また、公式動画のサムネからして雰囲気が異なる。
身も蓋もない言い方をすると、可愛い(それまでのルカが可愛くないという意味では決してない)。
この表情はほんの一瞬しかなく、実際のMVでこの表情を捉えるのはなかなか難しいのだが、それをサムネに持ってきたというのは「これまでのルカとは変わってきている」ということを示す意図があったのではないだろうか(もちろんシンプルに可愛くて絵になるからサムネにしたという可能性もあるが)。


ここ好きポイント

がなる羽那?

光ってくんだ

引用元:コメティック「Heads or Tails?」
作詞:Soflan Daichi 作曲:YUU for YOU, GIZ'MO(from Jam9) 編曲:涼木シンジ (KEYTONE)

ここは全員で歌うパートのようだが、ルカと羽那の声がよく聞こえた。
羽那にしては珍しく、「か」の部分に濁点がついている「がなり」のような歌い方をしているように聞こえる。
ルカの声と混ざってそう聞こえているだけかもしれない。


はるきのポーズ

下から生えてくるはるき
なんか可愛い「愚痴吐いてるポーズ」(正式名称不明)

ここは表情も良い。
なおコメティック楽曲全般に言えることだが、もし万が一、はるきに「いや無理だって」とか「それキツいって」などと言われたらショックをしばらく引きずりそうである。


終わりに

コメティックでの活動や、それに伴う羽那・はるきとの交流を通して、ルカの心境は変化しつつある
彼女は、コメティックは今後どのように変化していくのだろうか。
かなり気が早い話だが、次のルカセンター曲が来た時一体どのような雰囲気のものになっているのか楽しみである。

読んでいただき、ありがとうございました。

他記事

コメティックの初期三曲への感想はこちら


本曲のメロディ部分に関する感想?はこちら。
説得力がなく結論すらなく、読んでも何一つ学びにならない大変恥ずかしい記事だが、一応この曲を扱ったものなので載せておく。これは自分へのいましめでもあります。

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