シャニマス楽曲の一人称・二人称について_追加ユニット・全体曲編
前回に引き続き、シャニマス楽曲の一人称・二人称を見ていく。
ユニット楽曲ごとの一人称・二人称一覧
ユニットごとの、なんらかの一人称、もしくは二人称を含む歌の割合
本記事ではこれらに加え、それらから読み取れることについて述べていく。
全てを1記事のみで解説すると冗長になってしまうため、今回は追加で実装された4ユニット+全体曲に絞らせていただく。
初期ユニット編はこちら
分類について
現在実装されており歌詞の把握が可能な曲を対象に、歌詞内に登場する一人称・二人称・「みんな」という単語が何曲で登場しているかをカウントした。一人称・二人称については、単数か複数かでそれぞれ分けている。二人称複数は全体で見ても非常に少なかったため、基本的には言及していない。
また、「みんな」という単語が指す対象は複数あり、一人称にも二人称にも三人称にもなりうるため、今回は「自分を含んだみんな」か「自分を含まないみんな」かを文脈から判断し分類している。これに関しては私の主観での判断となっていることをご了承いただきたい。
(例)
「赤信号 みんなで渡れば こわくない」→自分を含んだ「みんな」
「赤信号 みんなと渡れば こわくない」→自分を含まない「みんな」
なお、Teamごとの曲やソロ曲などは今回除外している。
ストレイライト
特徴
一人称は「私(わたし)」
一人称単数、複数ともに少ない
二人称は「君」
二人称が全ユニット中最も少ない
自分を含む、含まないにかかわらず「みんな」は少なめ
感想
サイバーパンクな雰囲気のストレイ楽曲には「歌詞に英語が多く含まれている」というようなイメージを持っていた。実際の歌詞を見ても(LINKs以外は)このイメージ通りであり、日本語の一人称・二人称・「みんな」がどれも少ないという特徴も見られた。
これらが少ない理由として最も大きいのは、今回の調査において英語は人称を指す言葉としてカウントしていないためだろう。歌詞内に「my」「you」などの単語が比較的多く出てきており、日本語の「私」「君」などの代わりにそれらが使われていると考えられる。
また、(LINKs以外の)どの曲でも良いので歌詞を見直していただければわかりやすいのだが、ストレイ楽曲で使われている英語はリズムをとったり韻を踏んだりする部分で使われていることが多く、ニュアンスを推し量るのが比較的難しい、という点も特徴として挙げられるだろう。
ノクチル
特徴
一人称は一貫して「僕」
一人称単数は少ないが、一人称複数は全ユニット中最も多い
二人称は「きみ(キミ)」
二人称の登場は多くも少なくもない
自分を含む「みんな」は少なく、含まない「みんな」は多め。
感想
この調査を始めたきっかけとなったノクチルだが、やはり一人称は「僕」だった。
細かいことを言えば、「僕(ボク)」と使っている曲の割合はアンティーカの方が高い。ノクチルは「僕」と単数形で使っている曲より「僕ら」と複数形で使っている曲の方が多いのだ。一人称複数形が全ユニットで最も多いのも特徴である。ノクチルの一人称は「僕」であり「僕ら」なのだ。
また、自分を含む「みんな」が少なく、含まない「みんな」が多めなのも特徴である。全体的に、持っているノクチルのイメージと合致する結果となった。
シーズ
特徴
一人称は「私(わたし)」
一人称単数は多いが、一人称複数は全ユニット中最も少ない
二人称は「君」
二人称の登場は少ない
自分を含む「みんな」は登場せず、含まない「みんな」は多くも少なくもない
感想
ストレイライト同様に英語が多めなのが特徴。ただストレイライトの歌詞は日本語が主であり英語は音のリズムや韻のためなど補助的に使われているように見えるが、シーズは英語部分が独立しているパートも目立つ。人称を指す単語の傾向がストレイと似ていながらも一部違うのは、こういった理由もあるのかもしれない。
一人称単数が多いというのは、シーズ紹介文の「わたし(she)がわたし(she)になるための~」という部分を彷彿とさせる。一人称複数や二人称が少ないという特徴は、シーズ初期イベントコミュで描かれた不和を考えるとやや不穏な要素にも思われるが、セヴン#スを経てHappierになって筑前煮も作って食べた彼女たちに対して、ここで今更わざわざネガティブな解釈をするのは下種の勘繰り、余計なお世話というものだろう。
コメティック
特徴
一人称は「私(ワタシ)」
一人称単数は多くも少なくもない
二人称は「あなた(アナタ)」、「君(キミ)」
二人称単数は全ての曲で登場している
自分を含む、含まないにかかわらず「みんな」は登場しない
感想
二人称単数が全ての曲で登場しているのは全ユニット中コメティックのみ。それでいて使われている二人称が(漢字ひらがなカタカナを分けると)全く被っておらず、全曲においてバラバラである。なんとも不気味な結果であるが、これは単に曲数が少ないのが最大の理由と思われる。数が少ないと極端に偏ったり、逆に完全にバラけたりといったことが起きやすいのだろう。その他には、コメティックが曲ごとにセンターを変えるという特徴を持っており、センターになったメンバーのカラーが二人称にも反映されるというのも理由だと考えられる。
また、自分を含む含まないにかかわらず、「みんな」が全く登場しないのもコメティックの特徴である。特に初期三曲には共通して「右へ倣えをする人々」というモチーフが登場し、これに対してそれぞれの曲の中で皮肉ったり(無自覚アプリオリ)嘲笑したり(くだらないや)困惑したり(平行線の美学)している。人々を指して「みんな」と呼ばないのは、現代を風刺した歌詞が多いコメティックの他者に対する批判的なまなざしの表れと言えるかもしれない。
もっとも、やはり一番の要因は歌の少なさだろう。今後歌が増えたら、また比較してみたい。
※上記の共通モチーフなどに関する、コメティック初期三曲についての考察はこちら
全体曲
特徴
一人称は「私(わたし)」
一人称単数は多く、一人称複数は多くも少なくもない
二人称は「君(きみ)」、あなた
二人称の登場は多い
自分を含む、含まないにかかわらず「みんな」は多め
感想
全体曲は様々なカラーがあるため、「これが特徴!」と言い切ってしまうのは避けるのがベターだろう。ただ、様々な楽曲がある中で、どれも一人称がしっかり統一されている点は印象的である。「みんな」が多めなのも全体曲らしいと言えるだろう。
その他
Q.ユニットごとの曲の話なのに、なぜ表紙画像は全員ビヨンドザブルースカイ(全員共通の初期衣装)なの?ユニットごとの違いに触れてるんだし、それぞれのユニットの初期衣装にした方が良くない?
A.ルカのユニット初期衣装、コメティックノートを持っていないから無理です…(実装からユニット結成までにラグがあった関係か、ルカのみユニット初期衣装をガシャで引かないと着せられない)
終わりに
読んでいただき、ありがとうございました。
よろしければ、初期ユニット編もお読みください。
既に読んでいただいた方、重ねてお礼申し上げます。
データ
これより下は初期ユニット編同様、本記事で用いたデータを表として載せた。内容は初期ユニット編と全く同じであり、したがって見づらさも何一つ改善されていない。
データ:ユニットごとの割合
データ:登場する楽曲一覧
※下記表における1は歌詞内に登場したことを示しているだけであり、楽曲ごとの登場回数を表示しているわけではない。
データ:一人称単数
データ:一人称複数
データ:二人称単数
データ:二人称複数
データ:みんな(自分含む)
データ:みんな(自分を含まない)
データは以上です。ここまで見ていただき、ありがとうございました。
よろしければ、初期ユニット編もお読みください。
https://note.com/chic_viper6678/n/n5b0fb1c6cd22