心理教育的援助サービスの三層システム
「子どもがトータルとしてどのような援助を受けているか」
→複数の援助者や学校組織で提供されるシステムである。
1 特定の子どものための「個別の援助チーム」
子どもの学校生活での苦戦に気づいた学級担任、特別支援教育
コーディネーター、または保護者の呼びかけで
「個別の援助チーム」が発足。
個別の援助チームの基本形は「担任、保護者、コーディネーターの
役割を持つもの(特別支援教育コーディネーター、教育相談担当、
養護教諭、スクールカウンセラー)の三者からなるコア援助チーム。
例:拡大援助チーム、ネットワーク型援助チーム、
子ども参加型チーム援助、、、
①アセスメント(自助資源、援助資源を含む)
②援助方針の決定
③援助案の作成
④役割分担
⑤期限の明確化
などについて相互コンサルテーションを行い、これらを評価しながら
子どもへの援助をタイムリーに進めていく。
発達障害のある子どもの場合には相互コンサルテーションの結果を
生かしながら継続して支援していく必要がある。
学校心理士にはコーディネーターとしてチームのメンバーの
対等性と協働を促進することが期待される。
2 学校・地域の援助サービスのコーディネーション
「コーディネーション委員会」
学校全体での心理教育的援助サービスのコーディネーションを行う
委員会である。
例:校内支援委員会、教育相談部会、生徒指導部会、、、学年会も。
教育相談担当、特別支援教育コーディネーター、養護教諭、SCなど
援助サービスのリーダーと管理職から構成され定期的に開催。
目的
・不登校や発達障害などで苦戦している子どもの援助サービスに
関して学校レベルで検討すること。
・心理教育的援助サービスにおける課題(例:不登校の子どもの援助
システムについての検討、研修の企画、、、)について話し合う。
4つの機能
①コンサルテーションおよび相互コンサルテーション
②学年、学校レベルの連絡・調整
③個別のチーム援助の促進
④マネジメントの促進
学校心理士は、コーディネーション委員会においてコンサルタントや
コーディネーターの役割を担うことが期待される。
3 心理教育的援助サービスの運営を担う「マネジメント委員会」
心理教育的援助サービスの充実にはマネジメントが鍵。
マネジメント=経営・運営・管理
「学校教育全体のシステムを支え学校教育に関する意思決定
(例:予算、人的配置、教育目標、、)を行う。
マネジメント委員会(運営委員会、企画委員会)は管理職、
学年主任、
生徒指導主事等から構成され、恒常的で定期的に開催。
→子どもたちの学校生活の状況や援助ニーズを把握し、
学校自体が持つ資源(例:教職員の力、地域の力、、)は
何かということを明確にしながら、心理教育的援助サービスに
関連して教育目標や学校行事などについて話し合われる。
3つの機能
①情報共有・問題解決
②教育活動の評価と見直し
③校長の意志の共有
学校心理士は心理教育的援助サービスに関して、
管理職や運営委員会に対してコンサルテーションを
行うことができることが望ましい。