また嫌な気持ちさせてしまった

今朝のこと。
転職して3週間が経過した。前の職場は家からチャリで15分のところにあったが、
今度の職場は大阪で片道2時間弱。過去最高の通勤時間である。
今までは職場をほとんど通勤時間で決めていたので心理的な余裕があり、目覚ましをかけたことすら無かった。
通勤手段もチャリなので頑張れば通勤時間を5分ぐらいは縮めることが出来た。
今度はそうはいかない。決まった時間の電車に乗れないと確実に遅刻する。
自転車で駅まで行き、そのから電車に乗る。大阪駅で環状線へ乗り換え駅から徒歩20分の位置に工場がある。
JRは遅延が多いらしい。実際にこの3週間で何度か遅延を経験したので正しいと思う。
本当はもう一本遅い快速に乗ってもギリギリ間に合うはずなのだが、怖くて試すことが出来ない。
そんな感じなので朝の目覚ましは必須だし、起きてからもゆっくりする時間もない。
起きたらすぐにパンちゃんとルイっちのご飯を用意して散歩もさせてあげないといけないし、してあげたい。

パンちゃんの毛をとくのりちゃん


火曜と金曜は燃えるゴミ、水曜はプラの回収日なのでゴミを集めて出さないといけない。
のりちゃんにやってもらえばいいのだが、前職を退職したころからパンちゃんのご飯の準備とゴミ出しをやるようになった。
朝は少しゆっくり出来るようになったかと一度聞いた事がある。そのときめっちゃラクになったよ、と言ってくれたのが嬉しくて朝の時間に余裕が無くなってしまった今も続けたいと思っている。
この家に自分がいることに対する価値はお金を稼ぐことしかないと思っていた。これについては家族関係を伝えないと伝わらないと思うので、別の機会に書こうと思う。
パンちゃんとルイっちのご飯の用意とゴミ捨て。
この2つが自分がいることの意味に追加された。のりちゃんがラクになったのが嬉しかった。
それでも今朝また嫌な気持ちにさせてしまった。
5時に目覚ましが鳴った。眠たい、睡眠時間が3時間ぐらいしかとれてない。目覚ましは10分おきに鳴る。初期設定がそうなのだと思う。
目覚ましを止めた。もう一度なった時、もう寝てる時間はないと言い聞かせて体を起こす。
視力が悪すぎて全てがボヤけている。手探りでメガネを探す。時計を見ると5時10分、パンちゃんのご飯を用意しな。
階段の下でパンちゃんが鳴いている。階段を登れなくなってから、下から鳴いてお腹が減ったことを教えてくれるようになった。
早くしなと焦る。でもまずはトイレをさせるために外に出してあげなアカン。
パンちゃんは手作り食で1週間分をのりちゃんが日曜日に作ってタッパーに分けて冷凍してある。
トイレに出す前に電子レンジで温めを押してから階段を降りたほうがいいか毎日考える。考えてる時間は無いと言い聞かせ温めを押した。
起きたらすぐに布団を畳みたいが後回しだ。
トイレを済ませて2階に抱いて連れて上がると、電子レンジから温め完了を知らせる電子音が聞こえる、早くしな。
今日は週末にのりちゃんと行ったクロワッサン専門店で買った食パンを食べることを楽しみにしていた。転職してから家で座って食べる時間が取れないと分かったので、トーストしてビニール袋に入れて駅のホームで食べることにしている。
カットされてないのでパン切り包丁で切らないといけない。昨日も風呂に入れなかったからシャワーも浴びたい。
パンちゃんのご飯は手作り食とブッチというチルド食品を混ぜたものだ。
ブッチを切る。多くても少なくてもいけない。細かいキューブ状にカットする。細かくしないと喉につまってしまう。パンちゃんが鳴いてる。
手作り食と混ぜ合わせて、指を入れて熱くないか確認する。
ルイっちのご飯は今朝はサバの缶詰とキャットフードだ。
食べるのが下手なので、スプーンですり潰してサハを半ペースト状にする。
喉がカラカラだ。ご飯を食べてる間にアイスコーヒーをコップに入れる。
ゴミを集めな。
パンちゃんが食べ終わって散歩したそうに見つめている。あまり散歩してくれないけど、だからこそ回数を増やしてあげたい。
抱いて下に降りようとする。パンちゃんの水を入れてる皿が空だ。
水をいれないと。皿の中に食べかすが入っている。一度水洗いしようと思って皿を持ち上げた瞬間、中に入っていた水が溢れて床を濡らした。
水はなみなみ入っていた。空っぽだと思い込んでいただけだった。水が溢れたことでパニックになった。
自分が一体なにをしているのか一瞬わからなくなり、こぼれた水を拭き取らないといけない事に気付くまでに数秒かかった。
パンちゃんが外に出たがっている、早く抱いて下に降りなければ。
これでパンを焼く時間が無くなった。
苛立ちと無力さが押し寄せてきて深いため息を吐いた。
下で寝ていたのりちゃんが起きてきた。ため息は一階まで聞こえていたのか。
水がこぼれた事を伝えると、そんな事で。と言われた。
早くしな間に合わへんと声を上げてしまった。
ゴミ捨てしぃひんかったらいいやん。
それには答えずにパンちゃんを連れ出す。
少し歩いてトイレを済ませると家のほうへ歩き出した。やっぱりおれとは散歩をしてくれない。
理由を考えてる時間は無い、シャワーを浴びて出発しないと電車に乗り遅れる。
頭を適当に乾かすと洗面所のゴミ箱の中を空にする。
急ぎ足でゴミ捨て場へゴミ袋を放る。
自転車にまたがろうとした時、両ハンドルの間にあるべきライトが無いことに気付いた。
昨日の夜に充電器に差したままになっている。
取りに帰っていたら電車に乗り遅れるかもしれないと一緒思ったが、実際には余裕あった。
それでも出発したかった。いつもの時間からズレがあると酷くソワソワしてしまうからだ。
帰り道でライトがない場合を想像しようとした。最近は日が暮れるのが早くなり京都へ戻る電車から降りた時には暗くなっていた。
視力が悪すぎてライトが無いとほとんど何も見えない。
どう考えてもライトが必要だった。
誰にも聞こえないように小さくため息をついて玄関をくぐる。
2階へ駆け上がりライトを充電器からもぎ取る。
焦りが足音に変わる。そんなことをしても1分も早まらないのに。
分かっているのに行動が伴わない。
家を出る。途中のコンビニでコーヒーを買う。
いつもの乗車位置で電車を待つ。
電車の窓に水滴がついている。大阪は雨だ。
折りたたみ傘を取り出す。
転職した際にのりちゃんが買ってくれた宝物の傘。
幸せにしたいと毎日思う。あと2年で別れが来るとも。
2年後、娘は短大を卒業する。
もうおれの給料は必要なくなるのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?