会社人間。
詩人の中原中也が、定時にビルから吐き出される会社員たちの滑稽な姿を描いた詩を遺している。
明治に入って、渋沢栄一が作った会社というものだが、人間が働くシステムとしてまともに考えられたものとは思えない。
懲役といって、刑務所に入ってやることも、実は立派な労働である。本質的には会社に就職することは、刑務所に入ることと変わらない。
満員電車に押し込まれて職場へ向かう人間たちが、どうにも収容所送りのユダヤ人と重なって見える。みんな、ガス室でその命を消していく。
死んでいくだけの自分と分かっていて、それでも他にも方法がないから。いかにも、被支配者階級の考え方である。
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