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昭和の洋楽偏愛 ①FENに憧れたヲタク(I Love Rock'n' Roll)
洋楽にハマった昭和のヲタクの遍歴。今回は、洋楽にハマるきっかけとなったFENと、FENと言えば真っ先に思い出す Joan Jett and the Blackheartsの「I Love Rock'n' Roll」の思い出を。
FEN、米軍の極東向けラジオ放送。今はAFNと言うそうですが、私が育った町ではこのFENが聞こえていました。そこで私がよく聞いていたのが「American Top 40」です。
これはアメリカの音楽チャートのTop40を紹介する番組で、今もやってるのでしょうか、FENでは有名な番組でした。何しろ当時の田舎の少年にとって、英語の音楽番組は理屈抜きでカッコ良かったのです。
ただし、英語で何を言ってるのかサッパリわからないし、聞いたことがない曲だと曲名もわかりません。一応、音楽雑誌で調べるのですが、曲紹介も聞き取れないのでどうしようもありません。
ところが、この曲はわかるのです!「I Love Rock'n' Roll」という単語の羅列なら、田舎の高校生にもわかります。単純さは正義だ!
雑誌によるとアーティストは「Joan Jett and the Blackhearts」。ボーカルのJoan Jettは元 The Runaways のメンバー。The Runawaysと言えば、下着のような過激な衣装で、当時の青少年には少しばかり有名なお姉様グループでした。それはともかく、この曲は何週も連続で1位だったこともあり(7週連続1位だった模様)、曲も強烈に耳に残ったのです。
とにかくカッコいい。「I Love Rock'n' Roll」というタイトルそのままに、どストレートなロックチューン。Joan Jett の少し気だるい様な歌い方から、後にDragon Ashも「I Love HIP HOP」でサンプリングしたあの有名なサビへ、そしてシャウト! これをお姉様が歌うのだからカッコ良いにもほどがある!
同時期に活躍していた「 The Go-Go's 」は「陽」のイメージのガールズバンドでしたが、それとは反対の少し不良っぽいイメージが、田舎の少年を刺激しました。
「めちゃカッコいい! 俺も歌いたい!」。
ところがサビの部分だけ "I Love Rock'n' Roll" と叫んだら、それ以外は全くわかりません。
ネットの歌詞検索など無い時代、頼りはレコードの歌詞カードですが、この曲は日本での発売がかなり遅く、レコードはなかなか手に入らなかったのです(実は田舎のレコード屋の入荷が遅かっただけかも)。
かくしてこの曲は、私にとってはFENでしか聞けないカッコいいお姉様の曲として、強く印象に残ることになったのです。
ちなみにその後、レコードも入手し歌詞カードも見ましたが・・・、やっぱり歌えませんでした。
※ついでに
”The Go-Go's" の明るい笑顔のロックチューンも大好きで、彼女達のファーストアルバム「Beauty and the Beat」も、私の大のお気に入りでした。グループ解散後に、ボーカルの Belinda Carlisleはソロで大成功しましたが、FENの記憶とは別に、こちらも80年代初頭を代表する、私にとって忘れられないガールズバンドです。