俺が熊泥棒にでっち上げられた日
ごきげんよう。荻原博士です。
今回は齢7、8歳にして、ある悪魔家族から博士が熊泥棒にでっち上げられた件についてお話ししていきたいと思います。博士がヴィランとしての自覚が芽生えたエピソード0ともいえるこの現代落語をお話ししていこうと思います。
小学校1か2年のある日、同じクラスのある友人の家に遊びにいきました。サシ飲みです。彼は今でも仲のいいナイスガイです。当時から通じ合っていました。よく遊びに行ってはリビングで野球をするという遊びをしていました。プラスチックバットとプラスチックボールで。野球キチだった彼とする野球遊びはエキサイティングでした。
またその遊びに行っている間、よくやっていたお戯れがありました。それは彼の大事にしている熊の人形をそのプラスチックバットでぶっ叩くという遊びです。すいませんでした。まず謝っときます。すいませんでした。やめろーみたいに言ってくる彼とのやりとりがただ楽しくやっていました。すいませんでした。その一連があったからこそまた、熊泥棒の疑いが強まっていくのは後の話。
そんなこんなで家に帰りました。帰宅してしばらくすると彼の親から電話がかかってきました。
「この熊泥棒め。ぶち殺してやる。」
こんな言葉ではないですが、意訳するとこうです。
しかし困惑。私は盗っていない。確かに熊をぶっ叩いてはいたが盗ってはいない。まあまあサイズあるのでそもそも盗れたりしない。リュックサック一つ持って行ってはいたが盗ってはいない。
リュックサックを確認。熊出てきた。鉄砲もってこい。撃ち殺せ。熊肉で東出みたいにシチューつくんべ。
なんでだよ。なんで熊出てきてんだよ。確かにいたずらっ子でしたが物を盗ったりはしない子だ。でもその時思い出した。なんか俺のリュックと熊ソファーの上に結構近い距離で置いてあった。なんかの間違いで入れちゃったか入っちゃったかだ。
すぐ悪魔家族が熊を回収しにきた。あいつ泣いてた気がする。彼のオカンはそんな怒ってなさそう?
私のオカンに怒られた。泥棒行為を責められた。ファック。ファック・ザ・ワールド。
ファック・ザ・ベアー。盗ってない。
誰も信じてくれない。
じゃあいいよ。俺が全部盗ってやる。
こうして熊泥棒を機にヴィランとしての自覚が芽生え、世界征服を念頭に活動し始め今に至ります。
いいか、俺はお前らの全てを盗る。大事なものを奪い去ってやる。気をつけろよ。
以上です。