私の高校受験時代(4)~伸学社の冬合宿~
しばらく間が空いてしまいましたね、すみません。。。
noteの続きを再開させていただきます。
初めて伸学社の冬合宿に行ったとき、最初に感じたことはなぜか、(同級生が多いな…)ということです。おそらく、伸学社の冬合宿の案内状が目に入った際、「おい、一緒に行かん?」てな感じで、クラスメートどうし、誘い合ったに違いないのです。対して、中学生1人で参加しているのは、唯一、私だけです。
さて、クラス分けテストが終わり、バスに揺られること4時間。柏原は冷たい雨が降っておりました。それを幌つきのトラックが現れ、10数人ずつトラックに乗せ、運んでいくのです。その采配ぶりは見事というほかありませんでした。到着したのは、林の間に広がっている草原。集会があると、ここに集まって話を聞く日常の場です(R号室という大教室があり、この場のことを、「R号室前」と呼ぶのが通例でした)。
壇上には、あの憧れの入江伸先生がいます! 分厚いクリーム色した防寒服で身を包んでいます。そこで、スピーカー片手に、優しい声で、「無事着いたんかいな?」と生徒に質問するお姿が見えます。
数十人いた外部生は、全員集められ、各自どこに行くのか、部屋割りが指示されます。私は、1年2組でした。
伸学社は、能力別クラスに分かれており、全部で7組までありました。ほとんどの生徒は6組、7組であり、2組という結果は私だけ。つまり、私は外部生でトップの成績を収めてしまったのです。
合宿所に到着すると、温かい室内で過ごしやすいよう、トレーナーとスポーツジャージ姿に着替えさせられ、席に座って、まず自習がスタートします。
伸学社の運営は、生徒が自主的に行っており、その名称が「執行部」といいました。おそらく、入江先生に、執行部の総長が、「僕らは学校の勉強とか抱えているんで、最初の二日間、自習のみですごしたいです」と提案し、認められたようです。
そんなわけで、伸学社の冬合宿は自習からスタートしました。以下、典型的な塾のスケジュールです。
7:00 起床。(マイクから、「起床、起床。全員直ちにR号室前に集合」というアナウンスが二、三度流れます)生徒はさっと起床して、布団を畳んで整理する。そして、R号室前の広い集会場に、駆け足で向かっていくのです。
時間にしてわずか5分足らずのことでした。
そして、ラジオ体操がリーダーの掛け声とともにスタートし、最後はランニング。全員で、「伸学社―、ファイト!ファイト!」と大声で叫んでいくのです。
そして入江先生のスピーチが5分程度。それが終わると、部屋に戻り、朝食の準備。朝食は、菓子パンひとつとコンソメ味の野菜スープで、これを飲むと身体が温まります。
8時過ぎに、朝食の後片付けが終わると、そのまま自習です。
9時頃、「おはようテスト」という小テストが開始。時間は15分くらいですが、時間後、回収され、教生たちが採点。数時間後、「おはようテスト」の成績結果一覧が配られる
――こんな感じでした。そして、12時からは昼食。18時からは夕食。風呂に入る余裕はありません。ただひたすら勉強なのです。23時頃になると、プラッシー(てわかります?タケダが販売していたオレンジジュースのことで、すごく美味しかったのをよく覚えています)と菓子パン一つが「おやつ」の名の元、配られます。「おやつ」は、日によって変わり、冬の寒い間ありがたいお汁粉、シュークリームなど、いろいろあります。
で、おやつを食べ終わると、就寝。一斉に布団を敷いて、完了です。そして消灯――。
に
あいにく私は、冬合宿の案内に書かれていた、「教材は全て用意するので不要です」という言葉に騙されてしまい、自分の勉強道具はゼロ。せっかくの自習時間をぼんやり過ごすしかありませんでした。しかも悪いことに、「おはようテスト」の結果は80点で、全体で30位。伸学社は、灘高の入試で20名弱くらいしか通らないので(この20名弱という数字自体、すごいことなんですけどね…)、
「これでは絶対通るなんて、夢のまた夢ではないか…」
というとてつもないショックを受けたのです。
幸い、隣に座っていた男子から教材をお借りしたのですが、それを2日間、やり抜くことしかありませんでした。
せっかくの教材(中1英語の問題集だったと記憶しています)も、やればわかる問題ばかり。それも、24時間―睡眠5~6時間―食事・おやつ・その他2時間=16時間が勉強。
これだけやれば、中1英語の問題集など、あっという間に終わってしまいますよ。
いやぁ、焦りましたね。
だって自分が勉強するはずの時間ぼんやりしておいて、その間に自分のライバルと目される相手がどんどん学力をつけていくのですから、自分だけどんどん差をつけられている気がしたのです。(続く)