嗅覚への気づき
ここで趣味のお話を少し。
幼い頃から続く飽くなき好奇心の影響でいろんなものに興味を持ってしまう私なのですが、その中でこれはおもしろいぞと、深掘りしているものがいくつかあります。
そのうちの一つが "香り"。
私が嗅覚のおもしろさを初めて知ったのは、小学校低学年の頃。
学校にいる時、どこからともなく漂ってきた木の匂いを感じるなり「あ、これは幼稚園のあの手すりの匂いだ」と一瞬にして幼稚園当時の思い出が蘇ったのです。
いわゆる「プルースト効果」ですね。
それは、驚きと懐かしさが入り混じった、当時の私にとっては初めての感覚であり、その記憶は今でも鮮明に残っています。
もともと嗅覚が敏感なところもあるのか、小さな頃から四季で変わる匂いや1日の時間帯で変わる匂い、天気で変わる匂いを敏感に感じ、その時々の匂いの違いを楽しんでいた子どもでした。
(昔から好きなのは、秋の夕暮れ時に感じる、少し乾燥していてどこか哀愁漂うあの匂い。)
そんな私がどっぷりと匂いの世界につかることになったきっかけは、高校2年生で初めて自分用の香水を買ったこと。
Roger & Gallet の Eau de Lotus Blue
今はもう見かけないので、廃盤なのかも。
マンダリンやオレンジ、ネロリの柑橘系の爽やかなトップノートから始まり、ミドルでは、ロータスやオレンジブロッサムの軽やかなフローラルが華やかさをプラス。ラストはサンダルウッドやパチュリが全体をまとめながら美しくトーンダウンしていきます。
ラストのパチュリが効いていて、きちっとした ”フレーム” を感じるクラシックでエレガントなフローラル香水でした。
なぜこの香りを17歳の私が選んだのかちょっと疑問ではありますが。
(エレガント全振りの、ティーンらしい可愛いらしさは0の香り。)
当時はこの香りを膝の裏や内ももに軽く1、2プッシュして学校に行くのが日課。
いい香りを纏うことで、いつもよりちょっとだけ自信が持てて、そしてなんだか他の子より少しだけ大人になれた気がして、自然に背筋がスッと伸びるのです。
こうして香りに魅せられた私は、大学入学とともに、長い長い香水探しの旅へ出ることに。
それでは、また。