【書く習慣】#3 やりたかったけど、できなかったこと
ありがたいことに比較的やりたいことはやれる環境で育ったと思う。
進学の時、結局公立へ行ったけど公立しかダメだとは言われなかったし、一人暮らしの時も仕送りをしてくれた。
特別にお金持ちの家庭ではなかったけど、大人になって「普通」でいられたんだなと感じている。
でも、やりたいことの全てをやり尽くしてきているわけではない。
今でも心惹かれるできなかったことは「学生時代に長期留学」
ハリーポッターをきっかけに海外、特にイギリスに心強く惹かれた。
もはや取り憑かれた、完全に。
そんなことから、海外に全く興味のなかった少女は、海外に行きたくて仕方がない少女に変貌を遂げた。
高校は留学プログラムが希望できる学校に進学したが、私には活用できない制度だった。
交換留学プログラムだったため、向こうから来る学生のホームステイを受け入れる必要があったから。
でも、うちはホームステイは受け入れられなかった。
そりゃ「あなたは私のこと受け入れてくださいね。私は受け入れられませんけど」という自己中な話はない。
でも、どうしても私のうちで受け入れはできなかった。
その結果、学校の制度活用の可能性は消えた。
自分で他の方法を探したが、そう簡単には見つからない。
留学なんて検索すればたくさん出てくる。
学校だけじゃなくて、旅行代理店でもプログラムがあるから。
たくさんあるが、条件に合う内容を見つけるのは難しい。
とにかく私は学生の間に留学して、海外の学生生活を満喫するという夢を叶えることはできなかった。
この時、実現に至らなかった最大の理由は親の許可がおりなかったこと。
当時、未成年だったため、どこのプログラムを活用するにせよ、保護者の同意は必須だった。
他のことは大抵何でもやらせてくれた両親だったが、留学・旅行でも海外に出ることだけは賛成してくれなかった。
学生のうちに海外留学するとなると、莫大な金額がかかることも理由の一つだったのかもしれないが、それ以上に言葉が通じない海外で自分の娘が安全に過ごせるのか、わざわざ海外じゃなくちゃいけない理由がないだろう、というのが当時の両親の考え方だった。
今でも学生留学ができなかったのは悔やまれる。
Pitch perfectを見ても、High school musicalを見ても、何かの再現VTRを見ても……とにかく自分が体験できなかった海外の学生生活が輝いて見える。
もう戻らない時間、もう体験できないことにいつまでも心が奪われるのだ。
そんなこんなで、完全に自力で行くしかないと思い、バイトをしたお金で初めて「短期研修」に行った。
初めての海外は憧れの国イギリス。
すでに専門学生だったし、現地の語学学校であって、現地校に留学したわけではないので、思い描いていた留学とは違ったけど満足だった。
この時は誕生日前で未成年だったけど、両親は根負け状態で申込書にサインしてくれたのを覚えている。
今でも「断ったら一生恨まれそうだったから」と笑い話にされている。
うん、していたかもしれない。
一方で、親戚に「誇りに思う」と話していたことを後に知った。
高校生の時に留学できなかった私は「親のせいで留学できなかった」と思っていたが、そんな親が全部自分で準備して、申し込みして、渡航までやりきったことを誇りに思うと話していたと知った時は驚いた。
少し気恥ずかしさもあったし、むず痒さみたいなものも感じた。
時は戻せない。
だから、私が高校生の時に留学が叶わなくて、現地の留学生活というものを体験することはもうできない。
どう足掻いても変わらない。
でも、それ以上に価値のある海外渡航ができたと思う。
今回「やりたかったけど、できなかったこと」を思い返すと、他に大きなできなかったことは思い浮かばなかった。
つまり、大なり小なりあったかもしれないが、記憶に残らないくらい大したことではなかったということ。
おおむね自分で達成してきたんだと思う。
一方で、改めて留学が達成できなかったことを振り返ると、年齢的に仕方がなかったかもしれないが、高校生での留学は自分で達成するというよりは、ほとんどが周りの人の助け、力があって達成できることだった気がする。
他の人に主導権があるような、決定権があるような状態での「やりたいこと」は自分が思うように叶えにくい。
本当に叶えたいことは、自分でしっかりと主導権を握って、自分のできる限りの力と意志を持って突き進んでいく必要があるんだと思う。
そう考えると、大人になってからやりたいと思ったことは、自分で何とかしてきたのかもしれない。
まだまだいろいろな人の助けを借りている。
決して、自分の力だけでやりきっているわけではない。
でも、今回「浮かばなかった」というのは、自分の自信につながる振り返りだった。
普段は、できないことも目につくし、気持ちが持っていかれることもある。
そうじゃなかった、そればかりではなかったと思える。
「その船を漕いでゆけ お前の手で漕いでゆけ お前が消えて喜ぶ者に お前のオールを任せるな」TOKIO
「君の夢が叶うのは 誰かのおかげじゃないぜ 風の強い日を選んで 走ってきた」the pillows
どちらも大好きな歌の歌詞の一部。
この歌詞を見ると、「叶えたいことが叶うのは、自分がどれだけ頑張ったのかに関係している」と感じる。
他の誰かの力お借りることも含めてではあるが、誰かを動かす自分のパワーがないと、人は動かされない。
今「やりたいこと」は、自分の力で稼ぐ力をつけること。
フリーランスとして生活できるようになりたい。
数年後「できなかった」と振り返るのではなく、「できてるやん」と満足げにはにかんでいたい。