いじめ…寮を出る
今日もお疲れ様です。
前回の話「いじめ…体調を崩す」の続きになります。
体質に合わない方は読むのを控えて下さいね。
母に電話で血尿の事を言った次の日に
学校で先生に呼び止められた。
別室に連れて行かれ、質問される。
何故そんな事になったのか理由を聞いてくる。
「私が悪いんです。」それしか言えなかった。
母は学校に電話をして
「退寮させて欲しい。」と話してくれていた。
原則、途中退寮は認められていない。
だが、今回は体調不調もあるからと特例で認められた。
先生と話をしていた為帰宅が遅くなった。
帰ってすぐに布団に入る。
廊下を挟んだ向かいの部屋から話し声が聞こえる。
私以外の寮生(11人)がリーダー格の女子の部屋に集まり私の悪口を言っていたのが聞こえた。
リ「今日さ、あいつ帰るの遅かったよね~」
寮「そだね~アタシらに対する嫌がらせかよ!」
リ「ムカつく!あいつ顔デカいじゃん!」
寮「背は低いくせにね~」
と、私に聞こえるようにかなり大きな声だ。
ここでM子の声が聞こえた。
M「ちょっと!顔はでかくないよ!小さいよ!」
リ「え~デカいって!」
M「小さいよ!」
寮「ホントに?でも何であんたが庇うわけ?」
M「いや、外見を悪く言うのはちょっと違うかなって…」
寮「庇うわけ?あ~仲良かったもんね~」
M「…………」
寮「へぇ~あの子を庇うなら、あんたも無視されるかもね~」
寮「そうそう。」
会話は全て丸聞こえ。
悪いと思って謝っても意味は無かったんだと思い知らされる。
だって私が迷惑をかけた事以外の私の外見に対してディスられている。
ここまでくると完璧にいじめだと思った。
私がこの場所に居たらずっとこの状態が続くのかもしれないと思った。
泣きながら親に電話した事、心配をかけた事を少しだけ後悔していたが、親に話して良かったと思った。
寮から出られる。悪口を聞かなくて済む。
やっと楽になれる…安堵している自分がいた。
次の日の夜に母に電話をする。
引っ越しの日は4日後の日曜日、それまでに荷物を段ボールにまとめておいてと言われた。
何度も謝る私に母は謝らなくていいと言ってくれた。
何も言わず誰にも告げす、退寮しようかどうしようか迷っていた。
荷物の整理をしていたら、明らかに寮を出ていくのは見ていたら分かるものだし…
荷物を段ボールにまとめていたら、また廊下を挟んだ部屋から声がする。
「あいつ、寮出るのかな?」
「出るんじゃない?スッキリするわ。」
「あいつが出たらあの部屋私入りたいな~」
「でも、あたし達が無視したとか他の人に言ってないかな?」
「私達のせい?ないない。大体あいつが悪いんじゃん。」
「そうだよ。気にする事ないよ。」
ざっと聞こえた会話に荷造りをしていた手が止まる。
大丈夫。
もう退寮は決まっているし、それに私は皆に謝った。
許してもらえなくても、謝ったんだ。
無視され続けているけど……
土曜日。
皆で食事をする最後の夜。
今でもその時のメニューは覚えている。
席に着き食べ始める前に、私は立ち上がり皆に声をかけた。
私「食事前にすみません。明日寮を出る事になりました。今までごめんなさい。ありがとうございました。」
深く皆にお辞儀をした。
色んな思いが込み上げてきて何故か涙が出た。
情けない…
最後の最後まで私は泣き虫だ。
勇気を出して皆の前で話したが、5分経っても誰一人無言のままだった。
それが更に辛かった。
私は頭を下げたままずっと泣いていた。
それから3分程して私の隣にいた子が見かねて
「もういいから、座りなよ。」と言ってくれて座る事ができた。
食事は勿論ずっと無言のままだった。
次の日、親が来て荷物を車に詰め込む。
身の回りの物だけだったから段ボールの数はそこまで多く無かった。
だが、母の顔は引きつっていて険しかった。
玄関に座り靴を履いていた時に奥の部屋からM子が走って謝って来た。
「夕希、ごめんね。こんな事になるなんて思わなかったんだよ。本当にごめんね。言い返せなかった私も悪いんだけど…言い返したら私もやられるから言えなかった…でも、あれはやり過ぎだと思っていたの。」
私は振り向いてM子に言った。
「もういいよ。私が悪かったんだから。気にする事ないよ。元気でね。」
「………………………………」
私を庇うとやられる…
いじめあるあるだよね。
同じ立場になった時、私も庇えるかどうかは分からなかったし、自分を守るのは仕方ない。
荷物を持って父の車に乗る。
向かった先は母の実家。
体を壊した私の為に1人暮らしはいずれ…という形で急遽祖母の家に避難する形になった。
まさかそれも母に迷惑をかけてしまうとは…
その時は予想もしていなかった…………………………
この続きはまた次回。