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ナウシカ、優しさの権化

日本人はジブリ好きの方が多いと思う。つい最近ジブリパークもオープンして更にその熱は加速していると感じる。日本だけでなく海外でもジブリの知名度は高く、こちらの友人にもジブリ好きな人が多いのも驚く。
カナダではNetflixにジブリ作品があったのに、アメリカに引っ越してきてからアメリカのNetflixにはジブリ作品が一切ない事に落胆している。

その埋め合わせとでも言おうか、前々から夫がオススメしていたナウシカのコミックを購入した。ジブリの映画版ナウシカはオリジナルのコミックと少し違うストーリーである事は知っていたし、小学校の図書館にナウシカの本が置いてあったのは覚えている。だがその当時は絵にインパクトがありすぎ、ストーリーも難しく思えてしまい、読まずじまいだった事を思い出す。

海外にいると無性に日本のものや日本語が恋しくなる(海外在住あるあるだと思うが)ので、今回Amazonで購入をして早速ナウシカを読んでみた。1日で読破したのだが、スケール感と物語の壮大さが映画からは想像出来ないほどの大きさで圧倒されつつも、ぐんぐんと読み進めることができた。

なんといっても王蟲の尊さ。そのルックスと映画でのインパクトが半端なかったのだが、その王蟲がコミックスの中ではしゃべる!(ナウシカが王蟲の言葉を理解できる)自分達の命を犠牲にして、人間が汚した土地を浄化する為に大群で押し寄せるのだという意味がわかった時、その尊さに感動した。

また映画では敵キャラでサブキャラに近いクシャナもコミックスでは主役級のキャラで悪役だけでない人間味のある一面が見えて印象が変わる。

コミックスでのみ登場する数々のキャラもそれぞれ個性があって面白い。そして風の谷だけでなく他の国々にもストーリーの舞台が移り変わるので、それも読み応えがある。

ただこのコミックス全体を通して一貫して言える事は、ナウシカの人格と優しさと素晴らしさ。自己犠牲を厭わず人を助ける姿が人間の域を超えている、、、。色んな思惑や敵達に為に翻弄されながらも、敵と味方分け隔て無く接する姿はもう、優しさの権化と言いたい。人間最終形態と呼びたい。清く、優しく、そして強い。

今の世界に警鐘を鳴らすかの様なストーリーを何十年も前に紡ぎ出していた宮崎駿監督すごすぎる、流石すぎる。そして絵がすごい、手描き感がすごい。

自分達の今の生活を見直すキッカケをもらったと同時に、危機感をもって環境問題に向き合っていこうと思わせてくれた作品。そして今の時代だからこそ必要な底知れぬ優しさ。その優しさを見た時、皆さんも感嘆すること間違いない。

是非一度は読んでみてほしい作品。

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