父の手術をきっかけに
父の手術をきっかけに日本に一時帰国している。2年ぶりの日本。
久々に会った両親は、おじさんおばさんから容姿も中身も確実におじいさんおばあさんへの変化を遂げつつある。
今まで自分が頼ってきた側だったのが、今度は自分達子どもが親を支えていく世代へと選手交代を迫られているように思えて、寂しくもあり悲しくもあり複雑な心境だ。
自分が自由に国外でやりたい事をやりたいように出来ていたのも、両親が元気で過ごしていてくれたからだと改めて気付く。
この度父が手術をすることになり、離れ離れに住んでいた家族が数十年ぶりに実家に集まることになった。コロナのせいもあり、ずっと無かった直接会っての家族交流。
今まで当たり前だったことが、実は何ひとつ当たり前ではないのだという事が身に染みて感じられた後であっただけに、とても懐かしくまた再会できた喜びもひとしおだった。
私も姉も結婚して実家に戻ることは殆ど無くなった。一年に一度帰省ができるかできないか、だ。それが今、父の手術をキッカケに家族が集結し力を合わせて結束している感覚がある。
両親とも姉妹兄弟とは疎遠で、自分達子どもが唯一頼れる存在と言ってもいい。思えば、いとこ達と集まった記憶も中学生頃からはほぼ無い。なので、2人しかいない姉妹、力を合わせて両親の今後を支えていこうと姉と話し合っている。
そして、今回父が術後家でサポートが必要になることを踏まえ姉が実家に戻り、両親と同居してくれることになった。
その為に今自分が出来る事は何か、考えて一時帰国の時間を一刻も無駄にする事なく過ごすべく、毎日過ごしている。
外国人夫と結婚し直ぐに日本へ居住のベースを移すことがに出来ない自分が、一時帰国できている間に出来る事。
それは、姉夫婦の同居の為のスペースを空け、実家を出来るだけ整理整頓する事だと思った。
出来れば年末年始忙しくなる前に、いや、父の手術前に終わらせる事を目標とした。エンジンがかかった瞬間だった。
既に一時帰国も折返し地点となり、残された時間は限られている。そうと決まってから、実家の大掃除をガンガン進めている。
振り返ると、ほぼ小学生の頃から学習机などの家具をずっと使用しており、使わなくなった家具等も部屋の隅に放置されている。プリント類や教科書その他諸々学生期間のもの達が残ったまま整理をろくにせず、渡航していた。
その為、今回かなりの物を断捨離しないと姉夫婦の家具などを入れて居住するスペースが無いという状況になった。そうなって初めて、エンジンがかかった。
だから、この状況にありがとうだ。父の体調の変化も手術もつらいことだけれども、これをキッカケに更に家族の絆を再確認出来たのだから。
そして何より
大掃除のヘルプをしてくれ、父の心配をしながらなるべく家族で過ごす時間を持とうとリモートワークを実家からしてくれる夫に感謝したい。