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常識をアップデートせよ
国際結婚をして面白いのは、自分にとっての「常識」を問い直す機会が増えたことだ。カナダという多民族国家に住んでいるのも理由の一つだろう。日本という比較的人種が限られた国(特に地方)で育った私は、自分が今まで「常識」とか「普通」として認識していたことを根本から覆されるような感覚にこれ程までに頻繁に遭遇したことが無かった。
例えばよくあるのが、レジの店員は客が目の前にいてもケータイを触っていたり、店員同士で話が盛り上がっていたりして、客がレジの前にいても、声をかけないと対応してくれない。
日本にいた時は一度もそのような場面に出くわさなかったし、あからさまに勤務態度が良くないのでびっくりした。でも、こんなのは、よくある風景である(笑)こうゆうのは海外あるあるのインスタグラムやYouTubeの投稿などによく載っており、ご存じの方も多いので、今回は特に国際結婚という視点で話をしていこうと思う。
結婚生活を始めてから、夫をにとって、異なる文化で育ってきた人にとって自分の「常識」と思っていることが、そうでない場合も多いのだということを肌で感じる機会が多くある。
国際結婚し、違う国、他文化で育ってきた人と共同生活を営むには、毎日互いの共通認識を擦り合わせるという作業が必要不可欠だ。
勿論、同じ国で育ってきた人同士でも結婚生活って大変だよ、、、という意見もあるだろう。最もである。確かにそうだとも思うのだが、国際結婚においては、そのレベルが全然違うのだと自信をもって言える。「え?ここから説明必要なの?」というレベルでの擦り合わせが必要なのだ。以下は、あくまで私の経験から感じたことをお伝えする。
例えば、夫は少し離れた街に住んでいる家族と必ず毎日、メッセージを送り合う。フェイスチャットは毎週末〇時と決まっており、最低1時間以上は電話する。家族での集まり(特に自宅でのディナー)も頻繁にある。友人の夫なんて毎日、母親に電話をするらしい。
自分は日本の離れている家族にもそれほど頻繁にメールや電話をしないので驚いた。夫婦で食事中や外出中に連絡が来て、家族電話が優先され、せっかく食べていたごはんがすっかり冷めてしまったり、運転を代わることもよくあった。
最初は正直面倒だったし、むこうを優先させられる事に戸惑いも感じた。でも、その行動に対して夫は何の疑問も感じていない様子で、私だけイライラが募っていった。「毎日親と連絡してるんだから、夫婦でゆっくり一緒にご飯を食べてる少しの間とか運転してる時位、電話待ってもらえないの?」と夫に話をした。
すると夫はそのことで、私が戸惑っていることを、私が話して初めて知ったようだった。家族の結びつきが強く、親に対する孝行を大事にする文化で育った夫には当然のふるまいだったようだ。
お互いの育ってきた環境が違うことを認識した上で、自分の感情を表出し、きちんと言葉で伝えていく努力をしないと、簡単なことで気持ちがすれ違いやすいのだと実感した。
彼らにとっての常識と、自分にとっての常識が違って当然であること、そして自分達夫婦の生活を営んでいく上で夫とよく話し合って、何を自分達のルールとしていくか、をその都度明確にしていくことが重要であると分かってきた。
また、自分も働いていた時に、夫と自分の中で洗濯の頻度に違いがあり、家事分担について喧嘩をしたことがある。私は「2,3日に一回程度は洗濯する」派なのに対して、夫は「1週間に1度で十分だし、その方が効率的でいい」というタイプだった。そこで必然的に私が洗濯を担当する機会が増え、家事のバランスが私に偏っていき不満が溜まっていたのだ。
その時、夫の言い分をきちんと聞くことによって、相手の意見の背景を知ることが出来、建設的な話し合いが出来た。私はどうして「1週間に1度」ではダメなのか、どうして頻繁に洗濯したいと思うのか、自分の常識を問い直すきっかけになったのだ。
そして暫くの間、1週間に1回の洗濯頻度に変えてみたりもした。そして案外これも結構アリかもしれないと思った。結局、私の仕事場の制服を洗う為に元の頻度に戻ったのであるが、、、(笑)
だから大変なことも沢山あるけど、国際結婚して日々面白い発見ができることに感謝している。相手の行動が理解できなかったとしても、「そうゆうあり方もあるんだ」と認識する作業が日常生活レベルで頻繁にあるから。
日常的に、「常識」ってなんだろう?こうあらねばならない理由ってなんだろう?と自分の中で問い直すことで、物の見方が変わったり、いろんな在り方、考え方を受容するキャパシティが増え、柔軟性も培われてきた気がするのだ。
これが常識だと決めつけて、固定概念に縛らることで自分自身が苦しむことも少なくないと思う。多様性が叫ばれる今の時代だからこそ、常識を常にアップデートする姿勢を持っていたい。
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