見出し画像

月老2.0

台湾で時々遊んでもらう友達がいる。
台湾の廟會関係や道教の民俗文化に詳しいだけでなく、日本のイケメンアイドルグループの追っかけもし、ライブで日本にもしょっちゅう来てる、日本語ぺらぺらのオタク女子でもある。
年末にかけてもライブで来日予定の彼女から、面白い話をきいた。
いま、台湾のアイドルオタク達の間で、ライブで良い席が取れるよう、月老(月下老人)にお願いするのが流行ってるようなのだ。

月下老人とは、台湾のいろんなお宮やお寺に祀られているが、神様界での地位は高くない。
神様、というよりは、赤い糸伝説に登場する縁結びを司る老人をビジュアル化しただけ、に近い。
が、お願いしたら結婚できた、という評判が評判を呼び、お宮の主の神様より人気になってしまってる場所もあるくらいだ。

右にちょこんとしてるのが、台湾で一番有名な月老

友達は、主役の神様より月老がもてはやされる状況を嘆いていた。日本での台湾イベントに呼ばれて出張していくのも月老である。
(出張用のご神像が別にあるので、せっかく台湾まできたのに月老がいなかった、という心配は無用)
その友人が今は、アリーナ席の抽選に当たりますように!と月老にお願いしているというから驚いた。
私がへええーと感心していると、彼女は言った。
「月老は、業務変わったよね。」
思わず爆笑したが、なるほどね、と考えてみた。
日本と同じかそれ以下くらい出生率が下がっている台湾、同性婚も認められ、伝統的な、結婚して男子を産むのが良しとされる価値観はもう消えかけているだろう。そんな流れでは、月老の活動も多角化しているのかもしれない。
アイドルのライブで良い席をお願い!という人には、願う座席番号に赤い糸を結んでいるのか?
日本人で、希望のチケット取れますように、と神社で神頼みする女子は多くはないだろう。
願い事があればお宮で気軽に神頼みする台湾女子、可愛いなあ、と思う。
台湾では、神様と人との距離が驚くほど近い。
願い事も、ほぼ100%現世利益で、お金の神様も大人気である。
ねえ、と私は言う。
「月老がさあ、間違って座席じゃなくて、アイドル本人と赤い糸結んでくれちゃうかもしれないからさ、誰がいいのか、はっきり言っといた方がいいよ!」
友達は笑うが、私は結構マジで有り得ると思っている。だって、なにしろ、月老はおトシなので勘違いもあるかもだし、お宮に飾られた御礼の花籠の数でわかるように、縁結びパワーは絶大なのだ。

そんなことある?って半信半疑の人は、
一度お詣りしてみるといい。
結婚だけじゃなく、お仕事やその他諸々よろずごと、ご縁結びならなんでも守備範囲みたいですよ。

台湾で一番有名な月老とは?
正しい参拝方法もお伝えします。



ここから先は

1,041字

¥ 500

この記事が参加している募集

いただいたサポートは、取材と新たな記事に有難く使わせて頂きます🙏 Thank you for your support❤️ That means a lot for the next article & world peace☮️