原価計算初級の検定体験記
自分で書いておきながら、こんな記事を誰が読むのだろう。
まあ自分の記憶の整理だから、殊勝にも読んでしまった方、ご容赦ください。
(1)試験について
日商簿記検定の初級と3級、2級は試験会場でPCを使って受験できます。これをネット試験と言います。
原価計算初級は他と違って、メモ用紙ももらえないし、筆記用具も使えない。電卓は使えるのだが、メモ機能を使えない私は、計算問題が出たらぶつぶつ数字を呟いて覚えながら、叩かなければならないのか。
ところがミラクルが起こる。
画面上にメモ欄があって自由にメモ書きを記載できるのだ。メモ帳みたいなもの。
そういえば、ネット情報にメモあるから大丈夫とか、使うまでもなかったとか、書いてあったな。
しかも模擬試験を公式サイトから体験できたのだが、Windows環境限定だったのでMacユーザの私は使えなかったのだ。
これなら無機質な公式覚えなくても、中一の一次方程式使えば解けるので安心だったな。
Mac環境一辺倒の方はお見知りおきを。
(2)受験勉強について
先日の簿記3級ですっかりファンになった先生の動画とkindle本、参考書で学習した。
ここで原価計算初級なのに、なぜ工業簿記2級の参考書が出てくるのか疑問に思うかもしれない。
要は、工業簿記2級に疲れたので、原価計算初級で大枠を理解してみようと思い立ったのだった。
で、ふくしままさゆき先生の原価計算初級のテキストを開いたら、中身は2級の基礎レベルだった。辛うじて巻末の模擬試験問題だけが初級レベル。
まあ、不安なことこの上ないですね。
いくら両者が密接に関わっていて、のちのち損にならないから、と言われても戦々恐々な訳ですよ。今更、初級用のテキスト買うのも嫌だし、これで突っ切ることに。かなりのパニックでした。
(3)原価計算の意義
簿記は勉強していて気づきが多くて良い。これまでなんとなくの知識が整理されていくし、いかにこの先が長いかも分かる。上位級はどんな世界なんだろうと。
世の中には「原価計算基準」なるものがあるらしく、これに基づいて学問が形成されているそうなのだが、ネットを検索しても一時ソースに当たることはできない。紹介するサイトはありましたよ。
日本の高度経済成長期における製造業の躍進は、この原価計算があったからこそ、らしい。
これはすごい。雑巾を絞っても何も出ないトヨタ式とかはこれがベースなのか。こんなことも知らなくて恥ずかしい。
(4)地方自治体におけるコスト意識
自治体の現場でこれまで、行政評価や地方公会計におけるセグメント分析で、人件費や管理費を配賦しないのはおかしい、などの聞くことがあったが、なるほど原価計算の世界から派生してきた概念だったのかと得心。
それ以上に、民間ではこんなに製造間接費にこだわり何回も配賦を行うことを知り、原価分析理論が発達していることを知り、なぜ官庁会計では一般的にならなかったのかと疑問も湧く。
公共は製造業ではないからか、扱う領域が広すぎるからなのか、理由は分からないが、財務諸表を含めこれまでの歴史で何度も導入が試みられてきたし、なかなか定着しないのも分かった気がする。
このあたりを学術的に論ずる文献もあるのだろうが、難しいことは置いておいたとしても、知らないより知っておいた方が良いのは確かだと実感する。
(4)今後
商業簿記を含めてテキストと一周してボリュームを見てみたが、次の簿記2級の壁はなかなか高そうだ。
また、それを取得したとしても自治体現場で議論されている領域に到達することもできないことが分かり唖然としている。
管理会計や地方公会計ってこんなに難しい理論だったのだ。
1級を取得したとしても追いつかないと思われる。取得しないけど。
知ったように話すのは簡単だが、理論的裏付けというのはこんなに難解なのか。
山の頂上は全然見えないが、学びを続けていくことになりそうだ。
それが分かっただけでも良しとするか。
以上、学習経過の記録おわり。