能登半島地震で笑うしかない感情と岸田奈美さんのだいじょうぶとの共通点
能登半島地震では笑うしかありませんでした。
家屋が傾き、電気が止まり、水道が出ない。自宅は高台にあったので人がうじゃじゃ集まってくる。毛布や着るものがほしいと玄関までくる人。近くの避難所は人であふれています。
感情のキャパを超える状況に、笑うしかない。ほんとに。
精神を正常に保つために、頭をフル回転させる。どこへ逃げればよいか、これからどうなるのか。17年前にも地震を経験していましたが、もはや経験則が当てにならないほどの揺れ。
震災後、テレビ好きの私でも数ヶ月は見ることはありませんでした。ネットがありがたいと思ったことはありません。アニメ葬送のフリーレンや岸田奈美さんのスペースをアーカイブで見聞きするのが唯一の楽しみでした。
フリーレンならどんな魔法をかけてくれるのか想像したり、X(旧Twitter)のDMをすべて読んでくれる岸田さんのスペースを聞いたりしてどれだけ救われたか。
先日、岸田さんの新しい本が発売されました。
国道沿いで、だいじょうぶ100回です。
このなかで、必死な大丈夫がどこか軽やかなだいじょうぶに変わっていったと書かれています。
震災後の私は、被害を経験しての必死さを超えて、なるようになるさ、としか考えられませんでした。ああ、これがだいじょうぶということなのか。抱えきれないくらい大変なとき、もがくのではなく身を任せる。投げやりになるのではなく、少し引いて俯瞰する。冷静にものをみている姿は、自分自身の救いになるだけではなく、周りにも良い影響を与えるのではないでしょうか。岸田さんの影響力があればそれが具現できる。そう感じられる本でした。
そういえば、7月からNHK総合で再放送される令和のホームドラマ家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だったも、大丈夫が大テーマの作品です。
私はだいじょうぶと自分に言い聞かせながら、周りにだいじょうぶを伝播させる。いまの私にできるのはこのくらいかも。