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訪問と療育の目標は同じでいいのか

「訪問と療育の目標は同じでいいのか」

ゆいまわるの保育士さんが素敵な問をくれました。せっかくだからみんなでその問の答えを出してほしくて企画した社内研修『目標ってなんだろ』のお話。

訪問は生活の場に行くけれど、療育はクラスの友達との交流場面でも、給食場面でもない。なのに生活(作業)の目標でいいのか。
それを考えるためにはまず体験。

保育士・療法士・相談員で3人チームを作ってもらい、情報を共有してもらいました。
1人の4歳の男の子の情報です。

最近友達を気にするようになりました。大人と手を繋がなくてもバケツを持ったままでも歩いて移動できるほど体も安定しました。
みんなと一緒に水道の前に並べます。
水を汲んだり、砂にかけたりできるようになったけど、立ったままの動作ではまだ不安定。動作に集中しないと出来ません。だから作業中は友達を見ることも、相手の関わりに反応することもできない。気づけばいつも1人になってしまう。
でも友達の遊んでいる姿に反応できます。その時は自分の動作を全部やめてジーッとただ見ています。
「片付け手伝って」そう言われるとちゃんと反応して何かしようとします。でも片付けと聞いて活動をイメージできないので、何をしていいのかわからない。友達がしていることを真似しようとします。でもタイミングが合わないのでただ後ろを追いかけます…

この情報をもとに2回チーム会議をしてもらいます。
保育士=担任の先生として
療法士=担当セラピストとして
相談員=この子の保護者として
「この情報をもとに次の目標を叶えるためのチーム会議をしてください」

1回目の目標-------------------------
①姿勢バランスの安定
②目と手の協調性のアップ。リーチの安定。
③社会性の向上。ルールを意識する。

2回目の目標-------------------------
①友達と一緒に遊ぶことができる。
②身の回りのことを友達と一緒に期待されている時間に行える。
③クラス活動の参加。一員として友達と互いに意識して参加。


2回のチーム会議を終えて、スタッフに問いました。
1回目、2回目の会議で
楽しかったのはどちらですか?
一番話していたのは誰ですか?


そう。答えは明確でした。
2回目の会議が楽しく、意見が言いやすい。
1回目の会議と違い、2回目の会議は担任の先生と保護者から意見やプランが沢山出ました。
2回目の会議では「うちのクラスにはお世話好きの子が多いからその子達の力も使って…」とクラスの特徴を活かしたプランまで出ていました。

その勉強会を経てもう一つ問いました。

目標ってなんだろう。

ゆいまわるでは既に、基礎研修の中で学んでいるので再度この問いを確認できた研修でした。
チームを築き、クライエントである保護者と担任がエンパワメントされる
その目的を果たす目標は
作業に焦点を当てていることが重要。
療育でも訪問でも相談でも。

療育だから…
病院だから…
福祉だから…
それは関わる側(専門家)の都合である。
クライエントのチームづくりとエンパワメントを引き出せるなら、目標は写真一枚でもいいのです。大切なのは目標の形よりも目的です。

あらためて、この問いをくれた保育士さんに感謝します。

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