能力無効化キャラクターたちの背負う業について考えた
ボンチノタミ、ジョーカーです。
わたくし、以前、こんなツイートをしています。
これ。
能力バトルものによく出てくる「能力無効化」のキャラクター。
他にも「時間を操る(止める、巻き戻す、予知など)」「コピー(能力、容姿、声など)」「不死(または蘇生)」「治癒」といった無敵になり得る能力を持ったキャラクターって、一歩間違うと作品内の力関係やストーリー、全てのバランスが崩れると思うんですよ。
あと、コピーに近いんですが、変化とか変身なんかもずるいですね。
そんなわけで、今回はそんなキャラクターのことを考えてみたというお話です。
能力無効化キャラクター
というわけで、今回はこれ。
これはもう能力バトルにおいては本当にチート。だって相手の能力を無効化するんですよ? 勝てるわけないじゃん。
でもちゃんと弱点も作っている。
この「無効化キャラ」たちの発動の条件や弱点の作り方って、キャラクター設定やストーリー展開に関わってくると思うんですよね。
相澤消太(イレイザーヘッド):『僕のヒーローアカデミア』より
彼自身が相手から視線を逸らすと使えない、というのが弱点です。
戦いの最中、瞬きもせずに見つめ続けるというのは不可能に近いので、発動条件は簡単でも持続するのが難しい能力。
そんな彼の、能力に関わる設定はこんな感じ。
などなど。
チート能力にならないためのバランスの取り方は、使用時間の制限が主な要因、という印象です。
バトルコスチュームやバトルスタイルにも能力(個性)が反映されていて、ビジュアル面にも特徴が出ているのがわかります。
太宰治:『文豪ストレイドッグス』より
要するに、相手に触れていないと使えないという部分が弱点です。
触れる、という単純な発動条件は、こんな弱点も付与してしまうんですね。
仲間の中に治癒能力を持つキャラクターがいるのですが、太宰はその恩恵を受けられません。残念。
ただ、相手が何も仕掛けていなくてもこちらから先に無効化させることができる、というのは無効化能力の中でも結構強いと思います。
そうすると受け身のバトルスタイルにならなくて良いので、ストーリー上でのキャラクターの動きや味方の戦略に幅が広がりますよね。
アスタ:『ブラッククローバー』より
無効化能力というより、能力(魔力)そのものがないという設定。
魔法使いの世界で全く魔力がない主人公ってすごいよ。とんでもない逆境だよ。
武器は主に剣。この剣を通して反魔法の能力を使用することで、攻撃を剣で受けたり斬ったりして無効化したり、治癒魔法の効かない傷を負わせたりすることができます。
アスタの場合は、能力によるバトルスタイルへの影響もありますが、一番は「魔法帝を目指しているのに魔力がない」というハンデの部分が最も設定として重要なのかな、と思います。
逆境の中で、多くの魔法使いたちと出逢い、戦い、新たな力を得ながら成長していく姿が、主人公らしいなと感じます。
能力無効化キャラクターが背負う業
とりあえず3人挙げましたが、恐らくあまりにも有名であろう上条当麻さん(『とある魔術の禁書目録』)など、無効化キャラクターは数多くいらっしゃいます。
その能力自体を細かく分類された記事などもよく見かけますし、一覧になっているものもインターネット上には存在します。
今回は、能力自体というより、それによりキャラクター自身の設定やストーリーの展開にどんな幅ができていくのかな、ということを自分用メモ感覚でまとめました。
無効化の塩梅って本当に難しいと思うので、能力無効化キャラクターを見かけると「この方は一体どんな業(作中の過去や設定などではなく、作者により作品内でどんな位置付けや展開を義務づけられているのかという業)を背負っていらっしゃるのか……?」とちょっとわくわくします。個人的に。
ある意味無敵の能力だけれど、強すぎても、弱すぎても面白くない。
そんな「無効化キャラ」たちは、自身の能力に対してプラスの感情を抱いているのか、マイナスの感情を抱いているのか。
キャラクター自身にとってアドバンテージになり得るのか、ハンデとなり得るのか。
受け身になりやすいバトルスタイルをどんなふうに変えていくのか。
その能力が、ストーリーにどう関わってくるのか。
なぜそのキャラクターを「無効化キャラ」に設定したのか。
考えると面白いので(※個人的の感想です)、今後も新たな「無効化キャラ」との出逢いを楽しみにしたいと思います。
ちなみに今回は触れませんでしたが、チート能力のうち「時間を操る」について、ちょっと違うけどその亜種(能力でなくアイテム)みたいなものでいちばん好きなエピソードはこれ。
裏浦島、君のことは忘れないよ。
これ、蔵馬の妖狐というキャラクター設定と裏浦島の逆玉手箱というアイテムをうまく使ったストーリー展開だなと思います。ほんと好き。
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