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《レポート✏️白血病治療船》真夜中に抗がん剤の点滴ですか?
画像/テルモ輸液ポンプ
血液疾患を治療する血液内科病棟。私はこの病棟を《白血病治療船》と呼んでいる。なかなかハードな部署である。私は命を落とす寸前にこの巨大な《白血病治療船》に拾われた。収容された人々は、ここで何回かの入院と退院を繰り返して治療を終える。患者はその長い道のりの中で何度も下船し、また船に戻ってゆく。
以下、レポート✏️
真夜中に抗がん剤の点滴ですか?
と私が言ったら、「血液内科病棟では、これが普通です」と言われるだけだが、一般人の私にはとっても奇異に感じる。
第1回目の入院での抗がん剤治療で完全寛解になった。第2回目の入院では抗がん剤を変えて、地固め療法が行われる。再入院の3日後、それは開始された。
今回投与される抗がん剤はキロサイド
▼11月13日 日勤帯
10:30 吐き気止めの点滴30分、吐き気止め内服薬服用
11:00 キロサイド開始
14:00 キロサイド終了
▼同日 準夜〜深夜帯
22:00 吐き気止めの点滴30分
22:30 キロサイド開始
翌01:30 キロサイド終了
寝てていいのだろうけど、抗がん剤を投与されながら安眠は無理でしょ?
起床時間が6時だから、4時間半は眠れる。
このパターンで5日予定されている。寝不足必至。
🌌23:05 2台の輸液ポンプが働いている。数字が音もなく灯っている。小さなネオンのようだ。私はあんなに眠かったのに、まだ寝ようとは思わない。2時間半後に看護師さんが来るから、寝てればいいのに。この点滴が終わらないと水曜日は終わらない気がした。
寝てればいいんだよね。
私が産科で夜勤をしていた時、術後患者さんのお世話を夜通しした。点滴を繋ぐのもそのお世話の中の一つだった。帝王切開術の術後の点滴は抗がん剤に比べれば、爽やかな内容のものだった。あれなら、眠れるだろう。
抗がん剤の点滴をしながら、夢を見たくないと思うから寝たくない。私が抗がん剤に対して持っている印象は明確だ。だから、夢の内容を考えただけで恐ろしい。
23:15 レポート終わり
23:25 大阪
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