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縁をきることとか。

(約700字)



数年前のこと

当時、急を要するわけではないが、切りたい縁があって悩んでいた

人数は一人じゃなかった

長く悩んでいたから、人間関係の部外者に相談したくて、占い師を訪ねた

その内の一人は、付き纏われてはいなかったものの、じわじわと近づいては私のプライドを傷つけるだけ傷つけて、失意に落ちた私を確認するように慰める言葉をかけては優位に立つのを楽しんでいるような人間だった


離れるのが難しく、私が一番やらないこと(しつこく近づこうと連絡するやり方)を試した

こちら(私)からわざと仲がいいアピールをして、嫌悪感を抱くだろうと計算した

ちゃんと思う通りに離れていった

今思うと、一か八かの賭けだった
気持ちが逆に作用しなくてよかった
逆になっていたら、と思い出してもゾッとする

そんな不快な関係がいくつか存在した


占い師さんには自分では切れない縁の相談をした

占い師さんは「濃い関係でも自分の思いが強ければ縁を切ることは出来る」と話した

実際、本人(占い師)が濃い関係の絆を切ったことを告白された


目から鱗の提案だった

「血が繋がっていても、
(それが肉親だとしても、)
自分の幸せのためなら
縁を切ればいいんですよ」


占い師は淡々と、力強く言い放った

それで心が軽くなっていった

いつでも切っていい縁なら
今 切らなくてもいい

そう思えた

私はそれまで、人間関係の絆を断つことをタブーと考える節があった

なぜ絆を切らないことを頑なに守っていたのだろう


おそらくは「確かなもの」は、人間関係が繋いでくれると思い込んでいたからだろう


縛られる思考の呪縛は、何十年も靄のように私を覆っていたが、最近では人との関係をシンプルに捉えることが出来るようになり、だんだんと生きやすくなったように思う


大切な人とは縁が切れないようになっているのを頭で理解できる


そう思ったら、人間関係はそう悩むものではないと気付くの




サンリオ通信 10月号抜粋









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