詩 : 『かさぶた』
ぜんぶぜんぶ しられたらいいのに
ぜんぶぜんぶ みせてしまえれば
わたしが おった傷も
わたしが もった傷も
かんちしていない かさぶたを
なおりきらない 傷のまま
ついてしまった傷のうえ
うすくて いまだ
かわききらない
かさぶたに なろうか
かさぶたが かわいてしまう
そのまえに はがしてしまう
きもちにかられ
だれかに はがされるまえに
それをまもる たてになろう
めにはみえない うすかわの
かわきはじめる そのときに
かすかなかぜに わたしがなって
かたくて はがれぬ かさぶたが
できあがるまで ここにいよう
かぜがふかない そのひには
ふうじんさまに おねがいを
たいようみえない そのひには
かみなりさまに あいにいき
あらしにならない やくそくを
ちいさなねがい かなえよう
きょう いちにちが
へいわになるよう
かたてをあけて
まっている