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我慢していた本音は「言わぬが花」とみな知っている
(約900字)
人間は、ご飯を食べない日はない。
人間は、排泄をしない日はない。
人間が、整容をするのは毎日のこと。
介護職は、休みが取りづらい
介護職をしていたときに独身で、私は週末も働く人員でした
介護施設の職員は、仕事の量に見合わない給料をいただき、時間に追われる割には休憩時間まで忙しくなる状況もありました
辞めていく人は多くて、長続きしそうにない人にも教育しなければならない現場がありました
そして、お盆・年末年始・クリスマスなどの期間は、家庭のある人たちが優先的に休みを取られました
会社にとって、独身のわたしは使い勝手がよかったでしょう
インフルエンザにも、コロナにも罹患することはなかったです
滅多に風邪はひかず、夜間勤務も可能
でも、子どもがいる母親は、子どもが熱を出せば休み、家族のイベントがあれば「有給休暇」を取得されました
わたしにも実家に両親は居ましたが、お盆や年末年始に満足に帰省することはありませんでした
介護士をやっていたとき、お正月休みは日をずらして取り、大晦日は年越しを介護施設で迎えました
不謹慎ですが、
流行り病に罹って、数日間、休みたかったです
子どもの熱で帰る「お母さん」が恨めしかったです
結婚して子どもがいることが「勝ち組」と呼ばれ、わたしは完璧な「負け組」でしたけれど、子どもの理由で休む代打は「負け組」が担っていました
会社のために、利用者さんのためになっているのは誰なんだろう
いつも思いました
子どもを生まなかったのは「負け組」なんだろうか
子どもを育てる人材がいなければ、社会は存続しないけれど、独身者だって「子どもを持ちたくない」人ばかりではない
男性も 女性も 同じ人間だけど、社会に出て働くほとんどの人が、平等だと実感出来なくて生きている
労働は国民の義務で、
働くことは ときに苦しくて、
働けていた人が 働けない状況に追い込まれたり、
必死に働いていても パートナーに恵まれなかったり、子どもを養育出来なかったり、
働きたいのに 働く体力がなかったり、
そんなことは 分かっている
みな知っている
「角が立つ」から、おおっぴらに
言わないだけ
「言わぬが花」とは よく言ったもの
わたしだって、辞めたから言えるの
「親になって初めて分かることがあるのよ」と言った母や他人の子まで育てた祖母を心から尊敬しています
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