【 ゆっくりすぎる春を 】
(約250字)
今年は 違う年に
良い年に。
寄り添う人がいなくても
わたしなら大丈夫
大丈夫の呪文を唱えながら
「さよーならまたいつか」を聞いた
花散らしの雨 好まない
花びらを落とすから
花見をせずに 春が終わりませんように
ゆっくり風が吹きますように
珍しく苗字ではなく名前を呼ばれた
恋ではないけれど
また友達が増えますように。
ゆっくり風が通りますように
ゆっくり季節が巡りますように
優しいひとに近づけますように。
一日をがんばれますように
ひと月がんばれますように
優しくなれますように。