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業火の火種も吹きけされる


   (約200字)



放った矢が 

勢いよく飛んでゆくのを

見送ったのに

矢の先に 私が込めた業火も

あっさり 雨で消えている

愛なのか 

つまらない冗談なのか


放つ矢が 偽りの火種かと思えた

過去に 

そんなことをやってのけるのが

身近な人だった

放った業火も

あなたには 花火に見えていたのか

ひしゃげた 矢の先に

かわいらしい 花がつけられて


戻ってきた


そうやって 

回避するやり方に

懐かしくて 泣いた


なんだ、

線香花火でよかったのか  私の心は






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