『願ったり叶ったり』#毎日ショートショートnote
昼食をとりオフィスに戻ると、
女上司に呼ばれた。
H女史と共に会議室に入った。
外から見られないようにブラインドを下ろされ、こちらへ、と椅子に座るようにススメられた。
また説教か
胸元のペンダントはダイヤの周りをぐるりと囲む宝石がキラキラ光り、男から相当な品を贈られたと想像した。
光沢のあるブラウスは艶かしい。こんな高価なもん、数年働いて買える代物じゃないな一
Nは胸を見ていると思われないよう、顔に視線を戻した。
「人事について検討しろと言われているんです。寒いところは平気ですか」
異動先の打診だと思い、首を横に振る。
異動の話しなら‥
立ち上がろうとすると、Nの手首を軽く押さえたHはハッとして、すぐにその手を離した。
「私の家が二世帯なので、もし仕事を辞めて行く所がないなら、家へ来ていいですよ。
当面の生活は見られます」
Nは固まってしまった。
胸の内は沸き立っていた。
役に立ってもらいましょう、
訓告したいの四六時中。
Hは賭けに出た。
(409字)
◇たらはかにさんの企画に参加します。
裏お題の【訓告したいの四六時中】です。
11/18(土)深夜が〆切りです。
※見方によってはハラスメント要素を含みますが、エンタメとして表現しています。