
JR北海道の入場券企画
私が北海道を周遊した大きな目的は、全道で発売された入場券を集めることでした。JR北海道はわがまちご当地入場券の好評を皮切りに、次々に入場券企画を出してきました。最初はすべて集めるなんてするわけないと思っていた私ですが、記念に1枚2枚と買うと収集癖がうずいて、結局すべて買いたくなってしまう……。そんなわけで1年間で4度渡道して買い集めることになったのでした。
今回は、私が旅で集めた入場券を紹介する記事になります。
わがまちご当地入場券
JR北海道が2017年夏から発売を開始した最初の入場券企画です。JR北海道の駅が立地する道内100の市町村と1つの青森県内の町とタイアップし、全101種類を発売するという壮大な企画でした。唯一道外の駅は、青森県今別町にある北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅です。
札幌市なら札幌駅、函館市なら函館駅というように、原則市町村の中心駅の窓口で販売されていましたが、地方では町内の駅が無人駅という場合も少なくなく、町内の商店や役場、道の駅などで委託販売されるケースも多くあり、なかには駅から遠く離れた場所での発売となった町もありました。
また、中心駅に窓口があっても、平日のみ営業や夕方には閉まってしまうなど、営業時間が限定された駅の場合は、駅近くのセイコーマートでも入場券が販売された駅もありました。駅窓口以外でJRの切符を販売する場合、「簡易委託」という形式になって切符に○簡の表示がなされたため、窓口発売分と窓口外発売分で発行駅の表示が2種類ある駅がありました。私もせっかく集めるならと、両方コンプしています。
下の2枚の写真は名寄駅の入場券ですが、上は名寄駅のみどりの窓口発売分、下は名寄市内のセイコーマート発売分です。セイコーマート発売分には「名寄駅発行」の前に〇簡と入っています。
入場券は1枚170円で、両面に各市町村オリジナルのデザインがされています。価格の手ごろさもあって、いわゆる鉄道オタクだけでなく、観光客が記念に買うことも多かったように思います。下についた応募券を集めて応募するキャンペーンも複数開催され、いろんな駅の入場券を集めがいのある企画でした。「わがまちご当地入場券」の発売以降、JR北海道から発売される入場券の多くがこの大きさに統一され、入場券と合わせて販売された専用ファイルを使えば、集めて保管しやすくなりました。
結果として94万5千枚を売り上げた「わがまちご当地入場券」は、2019年9月末をもって販売終了となりました。消費税増税によって入場券の値段が変更されたことも理由の一つなのではと言われています。同時に、2020年春をめどに新たな企画を準備しているとも発表されました。
キハ183-0系 記念入場券
「わがまちご当地入場券」に続き、2018年3月から発売開始となったのがこの入場券です。道内各地で特急用車両として活躍したキハ183系の初期型車両が2018年で引退となることに合わせた企画で、道内17駅での発売となりました。「わがまちご当地入場券」の販売駅とかぶる駅が多く、一緒に集めやすかった印象です。
「わがまちご当地入場券」に比べると、随分マニアックになった印象を受けますが、JRもこの企画で少なくとも鉄道オタクが北海道に来てくれると踏んだのだと思います。専用の台紙も販売され、こちらもコンプリート要素が盛り込まれていました。
当初は2018年10月末で販売終了の予定でしたが、2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の影響で、旅行取りやめによる販売期間延長の要望があったことから、2019年3月まで販売が延長されました。2回目に北海道に渡ったのが2018年12月でしたので、この入場券もすべて集めています。
札沼線記念入場券
2020年5月をもってJR北海道の札沼線北海道医療大学~新十津川間が廃線となるのに合わせて発売されました。新十津川、浦臼、石狩月形、石狩当別、桑園の全5駅で発売され、それぞれに札沼線廃止区間全駅の駅カードがついてくるというものでした。この企画から、消費税増税に合わせて入場券の値段が1枚200円に変更になっています。
似た企画は、2019年3月31日で廃止となった石勝線新夕張~夕張間の際にも行われていましたが、このときは沿線で一定額以上の買い物をした際に駅カードがプレゼントされるというもので、厳密には入場券ではありませんでした。
札沼線記念入場券も2020年3月に北海道に行った際に収集する予定でいましたが、新型コロナウイルスの影響で北海道旅行を断念したため、現地では買えずに終わりました。その後、札沼線の廃線自体が前倒しとなったために、JR北海道は郵送で販売を行うことを発表し、購入いたしました。
北の40 記念入場券
2019年12月4日から道内24駅で発売開始となった入場券です。北海道のローカル輸送を担うキハ40系気動車を改造した「北海道の恵み」シリーズや「山紫水明」シリーズと呼ばれる観光列車仕様の車両が登場したのに合わせて発売されました。
キハ40系は国鉄時代に製造された車両で、すでに登場から40年以上たっていますが、いまでも道内各地のローカル線で活躍しています。北海道の地方で青春18きっぷの旅をすれば、必ずといっていいほど出会う車両です。2020年のダイヤ改正からは、新型車両への置き換えが始まっており、近い将来引退ということになるかもしれません。
2020年8月いっぱいまでの発売ということなので、この夏が購入の最後の機会ですが、なかなか収集しにくいご時世なのが残念なところです。
北の大地の入場券
2020年春をめどに実施が発表されていた「わがまちご当地入場券」の後継企画ですが、新型コロナウイルス感染症の影響で実施が見送られていました。しかし、外出自粛緩和をうけ、2020年7月18日から発売されたのが「北の大地の入場券」です。
道内86駅で発売され、すべて集めてつなげていくと、裏面にデザインされた約30万分の1の地図がつながり、JR北海道の路線地図が完成するとのことで、より収集要素の高い企画となっています。「わがまちご当地入場券」であったような、発売場所が駅から遠く離れていることは少なくなり、多少考慮されたのかなという印象です。それでも北は稚内から南は函館まで、販売範囲が広大なので、コンプリートはなかなか苦労しそうです。
以上、JR北海道の入場券企画についてでした。
これらは、基本郵送では発売せず、実際に現地に行かないと買えないもので、単純ながらなかなか練られた企画だと思います。この入場券で初めて知った町がたくさんありましたし、すべてを集めるのは大変ではありましたが、同時に達成感のあるものでした。
今後、具体的に旅の行程についてまとめていく予定ですので、よろしくお願いします。