チバユウシ独占インタビュー①
(聞き手・チバユウシ)
こんにちは、今日はよろしくお願いします。
「よろしくお願いします」
まず、今日はチバユウシさんの趣味についてお伺いしたいと思ってますが
「趣味かー!いや、長なりますよ?笑」
全然大丈夫です!
今回ページがっつり使いますんで!笑
「需要あります!?笑 まぁありがたいすけどねえ」
とりあえず、チバさんと言えば漫画好きで有名だと思いますが今までどのくらい読まれてきたんですか?
~ジャンプ黄金期のものはリアルタイムで~
「漫画はねぇ、、、好きですよ、好きなんですけど、いわゆるマンガオタクの方っているじゃないですか?毎週ジャンプ買ってます!みたいな。なんか月刊アフタヌーンも読んでます!とか。そういうことでもないんで、意外に読んだ作品って少ないんじゃないかなー?だからあんまりこう胸はって“漫画はおまかせ!”とも言えないんですけどね」
へぇ、てことはけっこう偏りがあったり?
「そうですね、偏りっていうか好きなのしか読まないってのがあって。なんでもかんでも、とりあえず新連載チェックして、とかではないですね」
例えば今までだとどんな作品を?
「まぁ世代なんであれですけど、いわゆるジャンプ黄金期のものはリアルタイムで。というか漫画に入ったのは確実にこの頃なんで」
なるほど、当時だとドラゴンボール、スラムダンク、みたいな?
「ですね、もうほんとベタであれですけど、幽遊白書もろくでなしブルースもキャプテン翼も、っていう」
るろうに剣心とか
「あ、実はね、るろ剣は途中でアウトしてるんですよ」
え!?なんでですか?
あんな有名で後に佐藤健が実写もやるのに!
「当時子供なんでお金もないからジャンプとか立ち読みなんですね、今ほどうるさく言われなかったですし、とりあえずその頃は立ち読みで全作品読んでて。ただ、中1のある月曜日、読み忘れたんですよ!で、火曜読めず、水曜読めず、ってなって、で、当時ジャンプって木曜くらいにはもうないんですよ!売り切れで!そっからもう次の週に読んでもわからんじゃないすか?だからもういーわーってなって、ジャンプ卒業して、続きがどうしても読みたいやつだけはコミックスに移行してみたいな」
へえー!子供だからこその理由ですね、漫画喫茶は当時なかったんですか?前週のやつとか置いてあるじゃないですか?
「いやありました!近所に、本当にいわゆる漫画喫茶。今みたいにネカフェじゃなくて、喫茶店に漫画がめちゃくちゃあるっていう昔ながらのね。ただ当時そんなとこ行く文化がないですもん。子供だし。今でこそしょっちゅう行きますけど」
中学生だとそうか、行かないですね
「親とも出掛けたりしなくなる年なんで余計にね。だから僕、まわりの同級生に比べてジャンプの卒業が早いんですよ。皆が高校とかで夢中になってたBLEACHとかいちご100%とか見たことない。」
それは意外ですね!今でも歴史に残る名作なのに!
では、その毎週立ち読みで読んでた頃の思い出深い作品ってありますか?
「当時とにかく好きだったのが王様はロバですね。毎週最後の枠に7ページだけ載ってるギャグマンガなんですけど。」
後にピューと吹く!ジャガーが載ってた枠ですよね?
「そうそう、そこに93年?94年?そんくらいに連載してたなにわ小吉先生のやつなんですけど、それが面白過ぎて、なんかシュールなんですよ。それこそ画風もかわってて、目が全員線なんですよ。漢数字の一みたいな。男も女も動物も。だから表情がないわけじゃないけど薄いみたいな。」
それはなにわ先生の画力の問題ですか?笑
「それもあったんかなー?でも、その絵だから面白い!みたいなのは絶対あって。いわゆる引きの笑いだったと思います。極端に言うとコロコロコミックのギャグマンガとかって、目が飛び出たりとか、爆発して頭チリチリになるとか、押しの笑いが多いと思うんですけど、王様はロバってそれの真逆でしたよね。大人が笑うというか、いやジャンプも子供向けではあるんですけどね。“少年”ジャンプなんだから笑」
ですよね笑
「だからその王様はロバって大人になってからブックオフで揃えましたもん。全巻。今見てもやっぱ面白いし。」
印象に残ってるギャグとかあります?
「あのねぇ、なんて言うんかな、ごっつええ感じとか、笑う犬シリーズってたくさんコントやるじゃないですか?それで人気のやつはシリーズになったりみたいな、あれの漫画版なんですよ。簡単に言うとね。」
あ、決まったキャラクターのストーリーではないんですね!?
「そうなんすよ。だから、ほとんどのキャラに名前もないし。けっこう不条理な1コマのやつもあるし。それでシリーズ化してたので言うと、集団シリーズですね。集団◯◯って言って、何かしらを集団にして、集団だとこうなるよね、みたいな事が巻き起こるんですけど。集団夏目漱石とか笑」
どういうことですか?
「我輩は猫であるって一人が言うと、我輩だって猫である、我輩も猫でいいや、ってちょっとずすズレてくんですけど笑」
シュールですね笑
「それとかあとは、◯◯ラですね。毎回1ページ目がこれだったんですけど、ゴジラとかモスラとかのパロディです。ハトラとか、、そいやヤマアラシラって強引なのもあったな。ヤマアラシラはね、皆がヤマアラシラだー!ってパニックになってる中、誰かがいやあれはウニラじゃないか?ウニラなら大人しいから大丈夫だ!ってなるんですよ。そしたらヤマアラシラって言ったやつ誰だよ!?人騒がせだ!ってなるんですけど、ウニラかな?と思ったらやっぱヤマアラシラだったってなって、結局みんな襲われるから逃げるんですね。パニックなんですけど、一人だけ嬉しくて泣いてるやつがいて、そいつは初めにヤマアラシラだ!って言ったやつなんですよ笑
一回ウニラ説が出て気まずかった所にやっぱりヤマアラシラだって証明がされたんで泣いて喜んでるっていう」
人間ぽいですね笑
「おい!あんたなんで泣いてんだ?って言われて“こんな嬉しいことが他にあるか”ってセリフで終わるんですけど笑
なんかそーいうのばっかでした。あと連載後半の中井出が馬鹿なことを言い出したシリーズね」
それはどういう?
「あのー、後半はショートショートじゃなくなって毎週7ページのストーリーモノになったんですよ、なんとなーくいつからか、たしかその辺から目もちゃんと描いてましたね。もちろんそれでも面白いですよ?笑」
画力が上がったんでしょうか?
「てことでもなさそうですけどね笑
作者が飽きたのかな?と思いますけど、その中井出がいわゆるいじめっ子で弱いやつ連れてどっか行くとハプニングに巻き込まれるっていうのが何回かあってそれも面白かったです。」
王様はロバへの思い入れ強いですね!
「強いですよ!なんならまだ目が線の頃ですけど、その時初めてかな?7ページ全部使って“前の人のマネをしなければいけないごっこ”っていうのがあったんですよ」
なんですかその遊び笑
「全員が全身タイツで、1番から番号が書いてあって、列になって歩くんですね。で、1番が曲がったら2番以降も曲がるし、1番が柿を盗んだら2番以降も柿を盗むんですよ。前の人のマネをしなかんから。」
なるほど!面白そう!
「でも柿の木になってる柿って数に限りあるじゃないですか?ほんで途中の番号のやつのとこで柿がなくなって、、、前の人のマネができんから“ちくしょー!!”って叫ぶんですよ。そしたらそいつの後ろ全員がちくしょー!!ちくしょー!!ちくしょー!!って笑」
あ、そういう展開に!笑
「面白いよね?これ学校でも読みたいってなって自由帳にまんま描きましたもん。幸い小学生が真似できるレベルの作風なんで笑」
読みたいから描くって凄いですね!
「学校にジャンプ持ってけんからね笑
で、それ友だちに見せて二人でゲラゲラしてたな。一人だけ王様はロバが好きな気の合うやつがおったんですよ。そいつと前の人のマネをしなければいけないごっこもしましたよ笑 」
なんか当時からお笑い大好きなのが見えますね。
「いや、まぁ漫画の話でたまたま王様はロバが出たからね笑
お笑いは好きでしたけど笑」
他には?
「モンモンモンかなあ?」
またギャグじゃないですか!
「いやあの時多かったのよ!マガジンでも脳みそプルンとかあったし」
懐かしいですね笑
「で、モンモンモンはそれこそ王様はロバとは逆で押しの笑いですけどね。目ん玉なんかしょっちゅう飛び出してるし、なんかあったら関係なくても屁こいてるし、下品極まりないという笑 でも男子ってそんなん好きじゃないですか?笑」
作者はマキバオーで有名なつの丸先生ですよね?
「そうです!マキバオーの前にやってたのがモンモンモンっていう猿のギャグマンガ!だからこれ僕が声を大にして言いたいんですけど、みんなマキバオー知っててもモンモンモン知らんのですよ。いや読んで!!めちゃくちゃ面白いから!!」
熱が凄い笑
「正直、マキバオーもギャグあるんでみんな面白いって言うし、たしかに面白いけど!あれはけっこうアツい青春要素強めなストーリーじゃないですか?」
そうですね、弱い馬がどんどん強くなっていくっていう競馬の話で、成長物語が軸ですもんね
「でしょ?モンモンモンなんてまじで成長もくそもないずっと馬鹿な猿の話ですから笑
最終回だけ少し感動しますけど、それで伝説みたいにはなっとるもんで、とにかく知らない人は読んで欲しい」
なるほど、しかし当時の漫画でも鮮明に覚えてるくらい強烈だったんですね
「や、これもね、大人になってブックオフで揃えとるからね笑」
またそのパターン!
「俺これ多いんよ、漫画もだけどCDとかも、当時お小遣いで買えなかったもんが100円とかで売っとるでしょ?そしたら買っちゃうっていう。だから大人になってから改めてハマったのとかあるしね」
たしかに今となっては買えるし、なんなら当時より安いわけですからね!
「当時の金銭事情がコンプレックスてわけでもないんだけどなー、実家が貧乏ってことでもなかったし。まぁ好きだから手元に置いときたいっていう、完全な男子脳ですよね笑」
~ジャンプ卒業してからは青年誌行きましたね~
に続く