寝言相談室#1
家人の寝言で目が覚める。
家人が毎晩のように寝言を云う、というかシャウトするので困っています。
寝言なので何を云おうと勝手なのですが、シャウトした寝言の意味がわからなく、目が覚めた後にその寝言の意味といいますか、ナニそれ? と、考えはじめると、起こされたこっちが眠れなくなり困っています。
どうすれば良いでしょうか?
お寺の住職「ふむ。意味がわかれば、すぐに眠れるようになりますよ。お釈迦さまがきっと良い答えを見つけてくれるでしょう。最近シャウトされた寝言は何ですか?」
寝言#1 おい!パイナップル!
お寺の住職「なるほど、呼び捨てですか。ワイルドというか、乱暴な物云いですね。
普通の人なら、” ねぇ、パイナップルさん”
ウィッキーさんなら、”ちょっといいですかぁ〜?ミスタ・パイナポー”
ルパン3世なら、”パ〜〜〜イナップルちゃ〜ん”、くらい丁寧に声がけするものです。
それをなんでしょう、頭ごなしに、なんというか頭をこう、フリッツ・フォン・エリックのアイアンクロー的に、こう、ふんっ、ジャイアント馬場も悶絶するというか、ここをこう、ふんっ」
イタタタ、ちょっと痛いですよ住職、やめてくださいって
お寺の住職「おっと失礼、思わず力が入ってしまいました。ところで、その方はえらくパイナップルがお好きなようですね。恐らく、可愛さ余って憎さ100倍といったパイナップルを夢で見たのでしょう。悪夢ってやつですなぁ、なもあみだぁ、なもあみだぁ」
たしかにパイナップルは食後のデザートでよく食べます。でも住職、憎さ100倍の意味がわかりません。
お寺の住職「酢豚ですよ」
えっ?
お寺の住職「入っているでしょう、酢豚に。それが許せないのです。お店でやたらとパイナップルが入った酢豚を出された夢を見たのです、なもあみだぁ、なもあみだぁ、」
なるほど。さすが住職、腑に落ちました。これからは、家人の寝言で目が覚めてもすぐに眠れそうです。ありがとうございました。
お寺の住職「ふぉっふぉっふぉ、意味がわからない寝言をシャウトされたら、またいつでもいらっしゃい。お釈迦さまが、きっと良い答えを見つけてくれるでしょう、なもあみだぁ、なもあみだぁ」
つづく。