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キャンプ場の、その先へ――千葉ウシノヒロバ1周年を迎えて
みなさんこんにちは、牛ラボマガジン編集部の山本です。
千葉ウシノヒロバはみなさまのおかげで、1周年を迎えることができました。
まだまだ至らぬ点も多々あります。お客さまからの温かい声も厳しい声も、どちらもしっかりと受け止めております。
私たちは小さなベンチャー企業です。大企業のような動き方をすることはできませんが、自分たちにしかできないこともたくさんあります。少しずつでもしっかりと確実に成長していくように精進いたしますので、これからも応援していただけるとうれしいです。
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牛と人と自然が穏やかに交差する場所を目指して
さて、私たちは、「牛と人と自然が穏やかに交差する場所」を目指してこの場所をつくりました。オープンから1年が経ち、その目標を達成できたかと言われると、まだまだと言わざるを得ません。もちろん、まだたったの1年です。たった1年でこの大きな目標を達成できるとは自分たちでも思っていません。ですが、少し振り返る必要があります。
私たちが作りたいのは、ただのキャンプ場ではなく、牛と人と自然が穏やかに交差し、人々が本来持つ優しい心が解放され、あらゆる対象に対してその優しさが開かれていくような場所です。だから、自然の中で牛を育てながらキャンプ場を運営しています。日々移り変わる豊かな自然も、少しずつ成長する牛も、キャンプを楽しむお客さまも、どれもがウシノヒロバにとって欠かせない要素です。
ここで、数枚の写真をご紹介します。
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1枚目の写真は、キャンプサイト内に捨てられていたゴミの写真です。中身を見ると、虫よけスプレー、バーベキュー用の網、余った食べ物など、まったく分別がされていませんでした。
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2枚目の写真は、トイレに捨てられていたゴミの写真です。大きな段ボールの処分に困ったのだと思います。
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3枚目の写真は、ウシノヒロバで貸し出しているログキャリー(薪を運ぶためのバッグ)の写真です。返却するのが面倒だったのでしょうか。キャンプサイト内に放置されていました。
私はこの写真を公開して、お客さまを責めたいわけではありません(もちろん褒めたいわけでもありませんが)。ただ、この光景を目にして、自分たちが目指す場所は、まだまだ先だと痛感したのです。もちろんほとんどのお客さまはこのようなことはしません。ですが、こういうことが起きてしまうのが、いまのウシノヒロバの現実なのです。悲しいことですが、私たちにも何か原因があるのかもしれません。
冒頭でも書いたように、私たちはただのキャンプ場を運営したいわけではありません。キャンプ場の「その先」を考えたいと思っています。ただのキャンプ場になってしまうと、人間の楽しみのために自然を利用するような場所になってしまいかねないからです。キャンプ場になる前には、そこには何かしらの生態系があったはずです。私たちがそこをキャンプ場にすることで、多くの人々が入り込み、もともとの生態系が壊れた可能性だってあります。その部分だけを切り取ると、キャンプ場をつくることは自然にとってはマイナスかもしれません。
キャンプ場の、その先へ
だから私たちは、キャンプ場のその先へと進まなければいけません。人間の楽しみのために自然を利用する場所ではなく、牛と人と自然が交差し合うことで、あらゆる対象への想像力や優しさが花開くような、自然はより豊かに、人々はより優しく、牛はより元気になるような、そんなウェルビーイングでリジェネラティブな場所にしたいのです。
ではどうしたらそうなれるのか。先ほどの写真の実態を見ると、まだまだ先は長そうです。ですが、私たちは少しずつでもそこへと向かっていきます。それが、サステナブルやエシカルのような言葉が叫ばれるこの時代に、乳牛育成牧場を引き継ぎ、牛の暮らすもとでキャンプ場を運営する私たちの使命だと思っているからです。
私たちは、「牛と人と自然が穏やかに交差する場所」を目指して、地道ではありますがさまざまな取り組みを進めています。『牧場つくるマガジン』でときどき紹介しているように、農園チームでは自然のことを考えた農園づくりを進めていますし、まだ紹介しきれていませんが、牛を育てる預託チームでも日々さまざまな工夫をしながら牛と向き合っています。預託チームの活動についても、そのうちご紹介できればと思っています。
ようやく1年ですが、まだ1年です。これからも自然にも牛にも人間にも喜ばれる場所を目指して、スタッフ一同精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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(編集・執筆:山本 文弥)