牛も人も幸せになる「観光牧場」を目指して。建築設計事務所「TAIMATSU」と牧場の設計を進めています!
こんにちは。2019年もあと少し。1年があっという間だなぁと、この時期になると思いますよね。
わたし達も、この秋に「千葉市乳牛育成牧場跡地整備事業」協定を締結・発表してから、めまぐるしい日々を送っています。なぜなら、新たな観光牧場(※現時点ではまだ施設名称が決まっていません)は、2020年10月にプレオープン予定。あと1年もないんです!
今回は、そんな大変なプロジェクトを支えてくれている大切なパートナー、建築設計事務所「TAIMATSU」の皆さんをご紹介します。
住宅からアフリカの学校まで。幅広い建築プロジェクトを手掛ける建築設計チーム
TAIMATSUは、松尾宗則さんと松尾遥さんのご夫婦が立ち上げた建築設計事務所。個人の住宅をつくることもあれば、店舗や福祉施設などの建築物、アフリカのガーナで学校をつくるプロジェクトなども手がけられています。
「ひとつのジャンル、スタイルに特化せず、幅広いことがやりたいんです、いろいろな仲間たちと。ワクワクする、やりたい! と思える新しいチャレンジを常に大事にしています」と、語るTAIMATSUさんの姿勢は、わたし達もとても共感しています。
▲TAIMATSUチームの皆さん。TAIMATSUに所属する建築家のほか、個人で活動する建築家、他の事務所を運営している建築家なども参加。
TAIMATUは、プロジェクトに合わせて柔軟にチームを組み、“ひらいた”体制をつくるところが特徴的です。理由を伺うと、「プロジェクトは適材適所。その都度、適した人が関わるほうが、プロジェクトが豊かになるから」とのこと。
新観光牧場プロジェクト、実施設計中!
そんなTAIMATSUさんとご一緒している新・観光牧場づくりは、「実施設計」の段階に入っています。
実施設計とは、大枠のプラン(「基本設計」)が決まったあとに、より詳細な技術や法規に関わる諸課題を詰めていくフェーズのこと。
特に今回は、既存の牧場施設や敷地を活用しつつ、キャンプ場や観光拠点の機能を足していく点が独特。たとえば、観光客用の下水がないので整備したり、特殊な電気の引き込みを確認したりと、現在の所有者である千葉市との細かなやりとりを重ねているそうです。
建築の仕事は建物をデザインし、建てることだけではありません。繊細かつ膨大な調整と対話の繰り返しなんだなぁ……と、今回ご一緒して学びました。
「牧場づくりは、他の建築プロジェクトよりも大変ですか?」と伺うと、「いいえ、どんな建築もユーザーのことを考えてつくるのは変わりませんから。特に今回は、自分たちと同じような人が自然を楽しみ、過ごす場所ですから想像しやすくて楽しいですよ」とのこと。頼もしい!
▲日々更新されている観光牧場の模型。10ヘクタールの広い敷地、既存の建物を活かし、キャンプ場やイベント用施設、店舗、牛舎、育成牧場などをつくる。測量から設計、各種調整までタスクは膨大です。
成長していくプロジェクト。楽しく柔軟に、牛と人と地域のための施設を目指す。
最後に。そんなTAIMATSUチームに今回のプロジェクトについて、メンバーひとりひとりにお話を伺いました。それぞれの想いや意気込みをご紹介します。
「今回の牧場は、建物やエリアごとにフェーズを分けて、少しずつ段階的につくっていくものだから、場所としての成長を見ていくことがとても楽しみです。千葉市や千葉牧場のチームと一緒につくっていくことが今までとは違ってワクワクしますね!」(松尾宗則さん)
「『柔軟にやる』をテーマに掲げています。新たな施設もメンバーもどんどん増えていくプロジェクトですから、楽しく関わってもらいたいし、出来ることをどんどんやっていきたいです」(松尾遥さん)
「僕は牛舎をメインに担当しています。人以外の動物のための建築は初めてのこと。牛にとっていい建築とは何か、人と牛の関係をどうつくっていくかを考えつつ、頑張っていきます!」(溝部礼士さん/溝部礼士建築設計事務所)
「周辺のまちも含めたスケールで考えたときに、この牧場はどんな影響をもたらし、役割を担うのか。まだ想像しきれていないんですが、それがとても楽しみです」(川上美里さん/ダイヤモンド設計)
建築設計は春の着工に向け、大詰めの時期。引き続き協力しながら、頑張っていきましょう! TAIMATSUの皆さん、よろしくお願いいたします!