「第30回 全国身体障害者野球大会」3年ぶり出場!昨秋の悔しさを糧に臨んだリベンジマッチは大勝で2回戦へ
久々の更新となりました。時間が空いてしまいましたが、5月に行われました「第30回全国身体障害者野球大会(以下、選抜大会)」の模様をお伝えします!
19年以来3年ぶりの参戦
春の選抜大会は毎年5月に行われる身体障害者野球の全国大会の一つで、毎年11月に行われる「全日本身体障害者野球選手権大会(以降、選手権)」とともに、全国の身体障害者野球の頂点を争う大会です。
選抜大会は、「NPO法人日本身体障害者野球連盟(以下、連盟)」に加盟している全国38チームの中から、前年の地区大会で上位の成績を収めるなどした16チームが選抜され、参加権を得ることができます。
ドリームスターは20年は大会中止、昨年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言中の状況を考慮し、参加を断念していたため3年ぶりの参加となりました。
会場はこれまでの開催地である神戸総合運動公園の「ほっともっとフィールド神戸」「G7スタジアム神戸」。2箇所に分かれて全16チームによるトーナメント形式で行われました。
初戦は昨秋選手権の”リベンジマッチ”
ドリームスターの初戦は仙台福祉メイツ(宮城)との試合、昨年の選手権初戦以来の対戦に。
前回は1点を争う試合となり、最終回に土屋来夢が三本間に挟まれながら執念のヘッドスライディング追いつき、1−1で規定時間の100分に。しかし、じゃんけんによるタイブレークで最後の9人目までもつれるも惜しくも敗れていました。
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リベンジを果たしたいこの試合、ナインは昨年の悔しさを胸に「絶対負けられない」と再戦が決まってから声を揃え、またこの大会は今シーズンからチームを引っ張る宮内隆行・新主将の初公式戦でもありました。
10時半、会場のG7スタジアム神戸でサイレンが球場内に響き渡り、いよいよ試合が始まった。スターティングメンバーは以下の通り。
2回に打線爆発、一挙5点リードに
1回表はドリームスターの攻撃から始まり、1番の土屋来夢が打席に。前回同様にリードオフマンとして早速打線を鼓舞する働きを見せました。
初球から振っていき追い込まれるも、球を見極めフルカウントまで粘ります。ファールを重ね8球目を振り抜くと、打球は右翼方向へ。ライトの頭上を超える三塁打を放ちチャンスをもたらします。
この回惜しくも点は取れなかったものの、1点が重かった前回と違う「今年はやれるぞ」というイケイケの雰囲気がベンチを包みます。
先発マウンドに上がった城武尊(たける)が初回を0点に抑えると、ドリームスターの打線がついに猛攻を見せます。
先頭の6番・”義足の野球人”石井修が巧みなバットコントロールで左前打で出塁すると、2死から9番・川西努〜3番・城まで四球を挟み4連打で一気に5点を奪った。
裏の守りでは1点を返されますが、4回にも打線が勢いに乗りさらに5点を追加。10−1と大量リードしたその裏にはチーム創立時から在籍している三浦敏朗が公式戦初登板デビュー。
四球などで走者を出すも1点に抑え、試合時間の規定100分を迎えたため試合終了。10−2でドリームスターが昨年のリベンジを果たし初戦を突破しました。
Pick Up Player
この試合、攻守で献身的な働きをしたのが、2番・捕手でフルイニング出場した背番号21の小林浩紀(こうき)。
生まれつき左手指が短い先天性の障害を持つ小林は、最年長の54歳ながらチームNo.1とも言える身体能力を持っています。
高校時代は城西高校サッカー部(東京)の主力として、元日本代表の北澤豪選手擁する修徳高校とも対戦するなど、大学や実業団から複数オファーを受けていた選手。
野球では捕手に加え一塁以外の内野全ポジションを守り、打撃でも右打者として広角に打ち分け毎年チームで首位打者を争っています。
現在は野球以外にも障害者ゴルフの選手としても国内の複数大会で優勝するなど、年齢を感じさせないプレー、そして明るいキャラクターでチームの兄貴分として活力の源となっています。
実はこの2週間ほど前の練習試合で遊撃を守っていた際、に右ふくらはぎの肉離れを発症していました。出場が危ぶまれる中、首脳陣は動きを制限させることを条件に本人とも話し合い起用を決断します。
身体障害者野球のルールでは、捕手は投手からの投球を適宜身体に触れれば捕球とみなすため、事前に投手・内野手がカバーすることを確認して試合に臨みました。
小林は期待に応え、城の投球を体を張って受けるとともに打撃でも2安打2打点と勝利に大きく貢献しました。
翌2戦目は昨秋の選手権で準優勝した強豪「岡山桃太郎」とほっともっとフィールド神戸で対戦しました。
(つづく)
この大会の模様は「SPORTSCORE」でも公開中です!
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