3度目の挑戦も悔しい敗戦...3年連続準優勝で幕~19年関東甲信越大会プレイバック編~
おはようございます!週末は台風10号が九州を通過し、関東地方も不安定な天気となりましたね。
そんな中ですが、身体障害者野球連盟より、9月19~20日に開催予定でした東北大会と11月7~8日に兵庫県但馬市で開催予定だった「第22回全日本選手権」が中止になったことが発表されました。
新型コロナウイルス感染拡大のリスクを考慮した決定です。
さて、先週に引き続き昨年8月18日に行われた「ゼット杯争奪 第25回 関東甲信越身体障害者野球大会」の模様を振り返ります。
シードで勝ち上がってきたドリームスターは、準決勝で東京ブルーサンダースに勝利し、3年連続の決勝進出を決めました。大一番の対戦相手は大会4連覇中の強豪「群馬アトム」
会場は場所を移し、上谷総合公園野球場(鴻巣フラワースタジアム)で行われました。
両翼98メートル・中堅122メートルあり、BCリーグや高校野球でも使うなど決勝戦にふさわしい舞台です。
ちなみに、11年に公開された映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の撮影場所となった球場でもあります。
スターティングメンバー
1 土屋大輔(中)
2 中台陵大(DH)
3 土屋来夢(遊)
4 梶本祐介(三)
5 山岸英樹(投)
6 石井修(一)
7 小林浩紀(捕)
8 高橋長一郎(右)
9 宮内隆行(左)
10遠藤敬之(二)
3度目の挑戦となるこの試合、雪辱を果たし悲願の初優勝を掴みに行きます。この日は午後に雷雨の予報があった影響で、試合開始が急遽50分前倒しの13:30に。
選手は第1試合終了後、猛暑の中コンディションの調整に努めました。
※ちなみに筆者は当時ベンチには入れなかったためスタンドの上から撮影していました(あぁ、懐かしぃ...)
初回からリードを許す苦しい展開
予定通り13:30、ドリームスター先攻で試合が始まります。1回表は無得点に終わり、裏の守りではエース・山岸英樹がマウンドに。
パラローイング(ボート)と野球の”二刀流”で活躍している山岸は3年連続で決勝戦の先発を務めます。ブルペンでミットに響く音がスタンドに聞こえるほどのストレートで群馬打線に立ち向かいます。
しかし、初回から群馬の打線が襲い掛かります。先頭を遊飛に打ち取るも、2番の遊撃への当たりが内野安打となり1死一塁。
迎えた3番打者の2球目にエンドラン・続く3球目を右中間にはじき返されランニング本塁打となり、2点を先制されます。(DS 0-2 A)
2回、石井がチーム初安打もリードを広げられる
2点を追いかけるドリームスターは、2死後、6番石井修が意地の打撃を見せます。チームで唯一、義足の選手である石井はカウント1-1から、相手投手の速球に喰らいつき4球連続ファールで粘ります。
そして7球目をセンター前にきれいに弾き返し、チーム初安打。ベンチも活気づき反撃ムードが高まります。
続く7番の小林は1-1からの3球目をフルスイング。レフトの頭上を超える2塁打でチャンスを拡大させますが、後続が倒れ惜しくも無得点。裏の守りに入ります。
マウンドは初回に続き山岸。しかし、先頭の相手7番は初球を振りぬき左中間2塁打、8番にも中前安打を許し追加点を許します。下位打線でも中軸のように思い切り振ってくる姿が印象的でした。
その後、土屋(来)の軽快な守りなどで2死まで来るも、2番に強振され2塁打を浴びるなどこの回5点を追加されます。その後山岸は踏ん張り、この回を投げ抜きました。(DS 0-7 A)
3回、土屋(大)の意地の打撃も無念のコールド
大きくビハインドを背負ったドリームスターは2死後に1番・土屋(大)が打席に。
右手に障がいを持っており、左手のみでプレーするリードオフマンは0-1から直球・変化球ともにミートし、3球連続ファールで粘ります。1球ボール球を見送った後の6球目に外角の球をしぶとく左前に運びます。
2011年の入団から初代主将としてチームを支えてきた意地を見せるも後が続かずこの回も無得点。崖っぷちに追い込まれます。
この回からは投手は主将・中臺に。この年から本格的に投手へ挑戦し、公式戦のマウンドに上がります。ただ、悪性リンパ腫の治療の影響で気温や日照による反応が残るため、コンディションを見極めながらのプレーとなります。
先頭から四死球で無死一・二塁。この日の気温も30度を超える中での1日2試合続いているという状況を考慮し、小笠原一彦監督がベンチから出て投手交代を告げます。3番手には前の試合で相手のチャンスの芽を摘んだ藤田が連投。ベンチでは前の試合に先発した佐野を中心に大きな声で鼓舞します。
藤田は相手7,8番を打ち取り2死まで来ます(内野ゴロの間に群馬1点追加)
本大会は10点差となった時点でコールドになるためここで切り抜けたいところですが、失策などで2者の生還を許し0-10になったところでゲームセット。
雪辱は果たせませんでしたが、ドリームスターは3年連続で関東甲信越大会準優勝の成績を収めました。
試合後には閉会式が行われ、敢闘賞として土屋大輔選手が選出されました。
試合後のコメント
小笠原一彦監督
―2試合振り返ってみて
初戦は相手のミスから先制点を挙げられるようになったのが成長した点と思っています。相手は地力のあるチームですし、常に目標としてきた部分がありました。今日も追いつかれましたが最後ジャンケンでも勝てて良かったなと思います。
あと群馬は強いですね。今日は力負けしたなと。ウチのエース(山岸投手)が打たれてしまったので仕方ない部分はあります。あと塁に出るものの点が取れなかったので。
―2試合のそれぞれのポイントは?
初戦は勝ちましたが、2回にエンドランをかけて三振ゲッツーになったのが相手に流れを渡してしまったのかなと。群馬戦は怪我や体調不良の選手が出なかったことが何よりですね。
―2試合で光った選手は?
1試合目は梶本が守備と声でチームを引っ張ってくれました。
2試合目は佐野がベンチで大きな声を出して鼓舞してくれたのも光りましたし、あと石井がヒット打ちましたが、練習から取り組んできて今日結果が出てくれましたね。ミーティングではあれはみんなもできるぞと話をしました。今日相手にやられて嫌だったことや、できたらカッコいいぞというプレーを次の大会までに練習してやっていこうと話もしました。
―今後の試合に向けて
投手陣は何枚いてもいいです。今日は藤田が2試合投げてまとまりが出てきたので、先発で長いイニングを練習試合で試してみたいです。
最後に
群馬アトムは全国を代表する強豪で、我々にとってはいまは高い壁かもしれません。少しでも近づき、全国制覇を成し遂げるために練習を継続しています。
今は、みなさんにその成果をお披露目するのが難しい状況でありますが、公式戦が再開された際はいいプレーをお見せできると思いますので是非楽しみにしていてください。
また、随時選手も募集しています。ともに汗を流したい・一緒に野球をしたい方はぜひご連絡ください!
千葉ドリームスタースタッフ#36
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