インフォームド・コンセントから切り込む医療DX 元・放射線技師起業家がContreaで目指す医療の未来
こんにちは、千葉道場ファンドです。このnoteは千葉道場ファンドの投資先起業家でつくるコミュニティ「千葉道場」のカルチャーを伝えるべく、道場内のヒトやモノ、コトにフォーカスにして発信していきます。
今回は登場するのは、2021年11月に総額1.4億円の資金調達を行ったContrea株式会社代表・川端一広さん。同社は動画を活用したインフォームド・コンセント(症状について十分な情報を得た上での患者の同意)支援システム『MediOS (メディオス)』を提供。2024年4月から始まる医師の働き方改革を念頭に、医療現場のDX推進を目指しています。
MediOSが生まれた背景には医師と患者さん、それぞれが抱える事情を解決しスムーズなインフォームド・コンセントを実現したいという想いがありました。
インフォームド・コンセントは医師の「説明」と、患者さんとの「対話」の2つの要素で構成されますが、医師は個別性の少ない病気の「説明」に時間を取られる一方、患者さんはその説明を理解するのに時間を費やすことになり最も重要な「対話」がおざなりになってしまう課題があります。また、説明に要する時間が、医師の時間外労働の発生につながっていることも無視できない現実です。
この課題を解決するため、MediOS は、病気の概要や治療方法・合併症といった定型の「説明」部分をアニメーションを用いた動画でサポートし医師の負担を軽減。患者さんは自身が気になる箇所を理解できるまで何度も動画を視聴することができ、質問も可能です。理解が深まった状況で医師との「対話」に進むことができ、効率の良い治療と、患者さんのエンゲージメント向上に役立ちます。
今回は、川端さんと千葉道場ファンドの担当キャピタリスト・廣田が、出資の経緯やContreaが実現する医療の未来について語り合いました。
Contreaと千葉道場、出会いと出資の経緯
ーーそもそも起業家とVCは、どうやって出会うんですか?
川端「僕たちの場合は、たしか2020年の4月ぐらいに、廣田さんから問い合わせをいただいたのが最初だったと思います。もともと千葉道場さんに出資してもらいたくてアプローチ方法を探しておりました。千葉道場さんのサイトって問い合わせフォームがないんですよ(笑)」。
「当時は起業したばかりということもあってツテもなく、『連絡が来るまで待てということなのか?』なんて思ってましたね」。
廣田「たしかに千葉道場ファンドの公式サイトには問い合わせフォームがないんです。(笑)。SNSでご連絡いただくこともありますが、最近は、やっぱりフォームを作ろうか、なんていう話も出ています」。
「僕たちはスタートアップのあらゆる情報をチェックするようにしていて、Contreaさんのニュースを拝見して、お話をもっと聞いてみたいと思い、こちらから今回ご連絡したんです」。
「投資検討に際しては決してサイト上だけで判断せず、一度お会することを常に意識しています」。
ーー実際にお会いして、どんな印象を?
廣田「まずシンプルに、医療系のバックグラウンドがある川端さんが医療領域でも特に面白そうなマーケットに取り組まれているなと」。
「川端さんには、とても真面目そうな方だなというファーストインプレッションがありましたね。素直と言ってしまうと語弊があるんですけれども、とても誠実な方だなと感じていました」。
川端「僕のほうは当時、千葉道場ファンドに対するハードルを勝手に上げてしまっていた部分があって(笑)。『めっちゃ怖くて圧の強い人だったらどうしよう』とビビっていたのを思い出します。ただし実際には、全くそんな人ではなかったとお伝えしておきます(笑)」。
「加えて、僕たちはインフォームドコンセントという、あまり一般的ではない領域の事業を手掛けているので、ビジョンやプロダクトのコンセプトをわかってもらえるかも不安でした。その点、廣田さんはそれを理解しようとしてくれる印象が強かったですね」。
「この業界にどういう課題があって、どうやってつくりたい世界を実現していくのか。理解しつつ伴走してくれそうな手応えがありました。廣田さんとお会いするまでにも20人ほどの投資家さんとお話していたんですが、特に強く感じた部分ですね」。
ーー廣田さんは、Contreaさんの事業にどんな可能性を感じて投資を決めた?
廣田「じつは最初、Contreaさんの事業を正確に理解できなかったんですよ。私の知識や業界についての肌感が不足していたのが原因なんですが」。
「何をしたいのかという概要は分かった。でも、事業のポイントや目指している世界、今後の戦略がなかなか理解できないという状態でした。しかし何回かディスカッションする中で事業や戦略の解像度が徐々にあがっていき、『そうか、なるほど。このプロダクトは世の中に必要とされている』と腑に落ちたんです」。
「私には医療業界の知見があるわけではないですが、たまたま入院や通院の経験があり、患者さん側からみたペインがとても腑に落ちました」。
「医療業界はアナログな部分が多く残っている業界です。まだまだテクノロジーで改善できる部分は大きい。ただ、基幹システムの部分は大手SIerが担っていたり、領域によっては非常に難易度が高いマーケットです」。
「そんな状況に対して、Contreaさんは『インフォームド・コンセント』という比較的着手しやすく、医師にも共感されやすい領域から業界を変えようとしている。医療従事者だけではなく、患者さんにも触れてもらえるプロダクトであり、サービス内容を拡張できそうな可能性も感じました。基幹システムからアップデートしていくのではなく、患者さんも触れるソフトウェアから、病院全体のDXを進めることができそうだと感じたんです」。
「こうして、自分の経験とディスカッションを通じて『誰にとってどんなバリューを出していくのか』の理解を深めていくうちに、Contreaさんの目指す世界が、とてもクリアになっていきました」。
起業の原点は「患者さんにとって良い放射線技師でありたい」
ーー川端さんはもともと放射線技師をしていたと聞いています。起業しようと思ったきっかけはなんだったのでしょう?
川端「『MediOS』は、テクノロジーの力でスムーズなインフォームド・コンセントを実現して医師と患者さんをつなぐプロダクトですが、放射線技師の仕事にも通じるものがあるんです」。
「というのも、放射線技師はCTやMRIといったテクノロジーの力で医師と患者さんをつなぐのが仕事なんです。放射線技師はテクノロジーを活用して患者さんの身体の中を可視化した医用画像を医師に提供する。医師はそれを使って『ここに病気がある』などと読影する。そして患者さんはその情報を受け取る。ところが、患者さん側から医療者に働きかけるようなテクノロジーはないんです。それに気づいたのが起業のきっかけです」。
「患者さんにとってのCTやMRIのようなテクノロジーを生み出すことができれば、医療現場にとっても患者さんにとっても良いものになるんじゃないか。こういったことが原点としてあるんですね」。
「だから今も、私としては『放射線技師の役割を拡張する』というか、『患者さんにとって、もっと良い放射線技師でありたい』と思ってこの事業を行っています」。
廣田「川端さんのそういった姿勢が、多くの医療従事者を巻き込み、協力を得られてるんだと思います」。
「患者さんも含めて、お医者さん、医療関係者など、医療に関わる方々が悩んでるポイントを理解しているチームである、ということを投資前から感じ取れたんです」。
ーー川端さんは、やはり医療×テクノロジーに関心があって放射線技師を目指した?
川端「高校1年生で放射線技師になりたいと思ったんですが、きっかけは完全に偶然です(笑)。夏の宿題で大学のオープンキャンパスに行かないといけなかったんですが、すっかり忘れていて。その頃まだオープンキャンパスをやっていた医療系の大学に、たまたま足を運んでみた」。
「さらに、最初に入った教室がたまたま放射線学科(笑)。何となく『放射線ってレントゲンのことかな』と思って覗いてみたら、ボタン一つで血管や骨が3Dで抽出されて、それがクリックだけで切り替わっていくのを目の当たりに。『医療のテクノロジーってこんなことができるのか、めっちゃかっこいい!』と感激して、それから放射線技師を目指すようになりました」。
「そこから、放射線技師という仕事に対してどこかテクノロジー起点で考えるようになったところがあります。それもあって、現在の事業をつくる前から医療者側と患者さん側の架け橋をつくりたいなと思っていて」。
廣田「病院勤務時代から自分で、患者さんに資するプロダクトを作っていたんですよね? 患者さんを思う気持ちと起業家気質は筋金入りですよね」。
川端「ええ。病院勤務時代には自分でプログラムを書いて、患者さんのCTやMRIの画像を3DにしてVRの空間上で見られるようにし、レーザーを当てると『そこは肝臓です』『そこは腎臓です』といったかたちで表示する仕組みを作り、医療知識がない方でも自分の撮った画像を理解できるようにしていました」。
「それを実際に患者さんに見せて研究開発していたんですが、残念ながら、そこにはニーズがなかった。そこからピボットして今の事業に行き着いたという感じですね」。
千葉道場ファンドの投資は「採用活動」
ーー川端さんが事業を推進するにあたって、千葉道場ファンドからの出資を受け入れたのはなぜでしょうか?
川端「投資家さんの中には『いつ上場するんですか』とか『バリエーションはどれくらいですか』『事業戦略はどうなってるんですか』など目先のスケジュールをメインに質問する人もいます。もちろんそれ自体は投資家として当然気になると思うのですが、まだ事業をご理解いただけていない段階で、ふた言目くらいにこの質問が出てくる方もいて。これは危険信号だなと思っていました」。
「まだまだ、どう変わっていくかわからないフェーズですし、目の前の数字だけで判断して決めていただいても、その計画がズレたらどうなるんだという不安がありました。おこがましいようですが、やっぱり『私たちの事業やチームを信じてくれているか』ってすごく大事だと思っています」。
「そんな中で、千葉道場ファンドさんは押し付けのアドバイスなどはしない。やるかやらないかの最終判断は起業家や会社がすべきという、起業家へのある種リスペクトを感じたんです。何度かディスカッションする中で、自分たち以上にこの事業を信じてくれているんじゃないかと思えた。それが千葉道場ファンドさんにお願いした大きな理由のひとつです」。
廣田「たしかに、千葉道場ファンドは起業家へのリスペクトが特に強いと思います。そもそも、起業家同士のコミュニティが発祥で、スタートアップのエコシステム構築を目指すという目標もありますし。そして、起業家に対してアドバイスを押し付けないのはGPの千葉功太郎以来の『あくまで見守る』という姿勢を受け継いだ伝統ですかね(笑)」。
川端「なるほど。あとは廣田さんと石井さん(石井貴基・千葉道場ファンド 取締役パートナー)の人柄がいいと言ったらおこがましいですが、お二人から投資をしてもらえたら嬉しい、一緒にIPOまでいきたいと思えたのが一番大きいですね。いろんな投資家の人たちと話をする中でも、お二人とは特にフィーリングが合ったと思うんです」。
ーー千葉道場ファンドの投資面談の特徴はありますか?
廣田「投資するかどうかを決める関係上、やはり起業家のプレゼンを聞くことが多くなるんですが、基本的には『僕たちが何をしたいか』を先にお話しするようにしてます」。
「まず千葉道場ファンドはどういう企業に投資をしていて、どんな活動をしているのかを説明しています。その後に起業の経緯や想い、どんな事業モデルでどういった戦略を描いているのかについてプレゼンしていただき、ディスカッションしていく感じです」。
「先にも触れたように、千葉道場ファンドは起業家コミュニティが発祥。だから、投資活動は千葉道場コミュニティにとっての採用という観点もあるわけです。だから、自己紹介をしてから事業についてインタビューするっていう、いわゆる採用面接や仲間集めとしては普通のことをやってるだけかなと思ってます」。
川端「よく考えると、そういうVCはけっこう少ないですね。『はじめまして、最初にピッチをお願いします』と言われてピッチして、続いてディスカッションに移って……という流れが当たり前。『そういえばVCの方の話、聞きそびれたな』と思うことが多かった」。
「とはいえ他のファンドさんも、こだわっている点については積極的に話していただける印象がありますね。千葉道場さんはコミュニティにこだわりがあるので最初にお話しいただけたんだなと今わかりました」。
起業家コミュニティメンバーに必要な「誠実さ」
ーー千葉道場はコミュニティが軸になっています。廣田さん、コミュニティのあり方についてはどのように説明を?
廣田「代表の千葉も含めてスタートアップのエコシステムを良くしていきたい。そのためにコミュニティというアプローチで取り組んでいるとご説明します」。
「コミュニティとしてどんなことをやりたいか、今どういうメンバーがいて将来的にどうしていきたいかを話しながら、その後、VCとして、ファンドサイズや投資の方針をお伝えしてディスカッションしますね」。
ーー千葉道場コミュニティのメンバーになってほしい人、ペルソナみないなものは決まってるんでしょうか?
廣田「『誠実な人であること』を大事にしています。コミュニティである以上、誠実な人であること、嘘をつかない人であることが、他のメンバーの心理的安全性を確保するに重要なんです」。
「起業家はステイクホルダーやお客さん、会社のメンバーやアドバイザーなどから日々、情報が入ってきます。その情報の生かし方ひとつにも誠実さがあわられると思うんですが、川端さんがまさにそうでした」。
「ディスカッションを重ねた数か月間に、川端さんはいろんな情報を仕入れて自社に生かし、めちゃくちゃ前に進んでいました」。
「事業に対する課題のとらえ方が、日々変化していくのを感じたんです。最初は組織づくりや営業戦略といった課題についてディスカッションしていたのが、営業して顧客の反応に対するプロダクトの機能をどう改善するかという課題に変わっている。当たり前の事ではありますが、そのスピードがめちゃくちゃ早い」。
「投資家として一緒に事業をサポートしていく上で、起業家の課題の捉え方が変わるスピードは重要なポイントなんです。そのスピードの速さは、事業が大きくなっていく速さとニアリーイコールかなと」。
「このスピードに大きな影響を与えるのが、起業家自身が『素直であること』『誠実であること』だと思うんです。もちろん、そのサポートをする投資家も『素直に、誠実にコミュニケーションすべき』と考えています」。
「つまり、投資家とすればコーチャブルで応援したいなと思える起業家かどうかはすごく大事ですし、逆に起業家には『この投資家に応援してもらいたいな』と思ってもらう必要がある。僕らVCも、常に起業家から一挙手一投足を見られているという意識を強く持つようにしています」。
ーー良い情報が集まる起業家に投資をしたいということですか?
廣田「いろんな意見を、ひとまず素直に一度受けとめたうえで、誠実に取捨選択できるのが素晴らしい起業家の条件だと思っています。本当に良い情報って、その情報を受け入れる器がある人のところにしか入ってこないので」。
「ただ、受け止めた上で『流す』のは全然ありだと思います。中途半端なアドバイスを真に受けてしまってバランスを崩すケースもある。だから自分たちの事例には合わないというのであれば、流すべきだと思います。最初から情報を『違う』と『流す』のではなく、『いったん素直に受け入れて、その後判断して流す』ことにも、情報提供者やステークホルダーに対する誠実さが現れると思います」。
「川端さんは、あらゆることを一度素直に受け入れて、その上で要るか要らないかを判断している。スポンジみたいな吸収力に凄みを感じます」。
川端「僕たちが経験してないことを経験している方からのアドバイスは、どれも間違いではないはずです。絶対、どこかに何かしらヒントがある。それが今のタイミングでは合わないかもしれないけれど、次のタイミングで合うかもしれない。アドバイスをもうちょっと抽象化して、自分たちの中にいれることはできないかと考えたりはしますね」。
「だから取捨選択の判断軸は、それが今の自分たちの事業にワークするのか、やることで事業が伸びるのか、だと思っています。本当にいいものだったら試そうとするようにしています」。
千葉道場コミュニティは起業家が悩みを打ち明けられる唯一の場
ーー千葉道場にはさまざまな局面を経験した先輩起業家がたくさんいます。川端さんはコミュニティをどのように活用していますか?
川端「僕は放射線技師を辞めて起業するという経緯だったこともあり、始めは起業家とのつながりが全然ありませんでした。それが課題感としてあった」。
「だからこそ同じようなフェーズの人たちや、もうちょっと先の先輩起業家、上場した人もいる千葉道場に魅力を感じていたところがあります。起業家同士には同じような悩みがあったりするので、相談できる環境があるのはありがたいですよね」。
「例えば先輩起業家からうかがったのは、社内で体調を崩してる人がいる場合のマネジメントの仕方。組織づくりの悩みはどの起業家でもあると思うのですが、具体的にどういったリスクがあるのかとか、どのようにサポートしていったらいいのかって、社内では絶対に話せないようなことだったりします」。
「投資家にもなかなか話しにくいことで一人で抱え込んでいたことも『そんなことはよくあるから大丈夫だよ』とさらっと言われると、なんか乗り越えられる気がする。話をしたことでポジティブに切り替えることができて、それがすごくありがたかったですね」。
「千葉道場には、とんでもないハードシングスを経験している方もたくさんいます。そういう人に相談できる環境ってあまりないはずです。みなさん忙しいですし、普通はご自身にインセンティブがなければ、なかなかお時間はいただけません。千葉道場では、コミュニティに入ってしまえば誰でも相談できるのがすごい」。
インフォームド・コンセントを皮切りに、医療現場のプラットフォームを目指す
ーー今回の資金調達で、事業がますます加速すると思います。Contreaさんが目指す未来について聞かせてください。
川端「今の医療業界には電子カルテや病院情報システム(Hospital Information Systems)、放射線科情報システム(Radiology Information Systems) と呼ばれるようなシステムがあるんですが、医療従事者がそこに情報を集約して効率化していくような仕様なんです」。
「でも結局、医療従事者だけしかアクセスできない。今は患者さんも当たり前にスマートフォンを使いますし医療情報にアクセスできる経路が増えているのに、医療機関だけ、まだまだクローズドになっているんです」。
「このオペレーションを再構築をしていくことで、医療現場も効率化を図りながら患者さんのエンゲージメントも高めることができると思っています」。
「C向けサービスでは、例えば食べログやUberみたいに、提供側と顧客ってどんどん近くなってると思うんです」。
「ですが医療現場だけそれが全然起きていない。今までは、病院に行って対面で診察を受ける以外に電話くらいしか医療従事者とのタッチポイントってなかった。この状況を、僕たちがメディカルプラットフォームやオペレーションシステムとして再構築していくのが最終的なゴールです」。
「とはいえ、富士通さんなどの大きな電子カルテベンダーがいる業界ですから、そこに攻めていっても勝ち目はない。だから、まずはつくりたい世界観のキーパーソンたる医師と患者さんの接触点、『インフォームド・コンセント』が事業の1丁目1番地だと考えています」。
「まずはそこを取り切って、少しずつ派生させていくことでプラットフォームやオペレーションシステムのようなかたちでサービスを提供していきたいと思っています」。
ーーそれは、どのくらい先の未来を想定しているんでしょうか?
川端「インフォームド・コンセントだけを取り切るフェーズは、3年以内を目指しています。『インフォームド・コンセントといえばContrea』といったイメージをつくっていきたいと思っています」。
「そこから同意書であったり記録の管理や、これまで誰も手をつけてこなかったようなところを拾いに行く。すると、おのずと患者さんの情報が集まってくるので、あとは病院の予約システムと連携する流れになっていくと想定しています」。
「その後の電子カルテのリプレイスといった話となると、10年くらいの時間軸で見ていかないといけない。中長期的に変革をしていく考えです」。
ーーそれでは最後に、Contreaさんが描くビジョンの実現に向けた意気込みを。
川端「起業してからの2年間、現場にちゃんと使ってもらえるプロダクトにすることを重視して、開発にリソースの大部分を割いてきました。それもあって、営業は基本的に僕ひとり。マーケティングもいません。ビジネスサイドも誰もいない。その立ち上げをやってくれる仲間を募集しています。興味がある人は、ぜひお声がけください」。
「1960年ぐらいにインフォームドコンセントという言葉が生まれてから60年近く経ちますが、方法論はあまり変わってきませんでした。そんな世界で新たにカルチャーをつくろうという志ある方が仲間になってくれたらうれしく思います」。
廣田「Contreaさんのプロダクトって、目指すべき方向性が誰にとっても Lose にならないんです。プロダクトが Win - Win の思想でできている。医師と患者さんのうち、どちらかが幸せになるんじゃなくて、全体が幸せになる稀有なプロダクトです」。
「もちろんビジョンを実現するためにはあらゆる困難が起こると想定されるんですけども、僕らもContreaさんの目指すべき方向性が絶対に正しいと信じている。僕たちVCにできることは限られていますが、そのビジョンに向かってできることを、なんでもしていきたいなと思います」。